手首や指の使用頻度が高い方に起こりやすい腱鞘炎には、サポーターの装着がおすすめです。サポーターには、手首や足首などを固定して痛みを和らげる効果や炎症を悪化させない効果があります。
しかし腱鞘炎の際にサポーターを装着する効果があるのか、わからない方も多くいるでしょう。
そこで本記事では、腱鞘炎の種類や症状をはじめ、サポーターの装着による効果について解説します。腱鞘炎の主な原因やサポーターを使用する際の注意点についてもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
腱鞘炎(けんしょうえん)とは?
腱鞘炎とは、手首や指の関節に痛みが生じる疾患です。手や指を酷使すると起こりやすく、普段からスポーツをする方やパソコン作業が多い方などにみられます。
指を曲げたり伸ばしたりする際、手の腱は腱鞘と呼ばれるトンネルのような部分を通ります。手の使いすぎにより腱に当たる屈筋腱と伸筋腱が腱鞘と摩擦を起こし腱鞘が腫れる症状が、腱鞘炎です。
腱鞘が腫れて腱が通りにくくなると指を曲げたり伸ばしたりする際に引っかかることから、指が遅れて伸びる現象が起きます。
腱鞘炎が悪化すると指の付け根に痛みが生じるため、早めの処置が必要です。
腱鞘炎の種類と症状
腱鞘炎には、主に2種類に分かれており、それぞれ痛みが生じる部位や症状が異なります。
ここでは、腱鞘炎の種類と症状について、腱鞘炎の代表的な次の症状を例に解説します。
- ドケルバン病
- ばね指
症状により効果的なサポーターは異なります。種類ごとの症状を確認しましょう。
ドケルバン病
ドケルバン病は親指の腱鞘炎であり、親指の付け根に痛みが生じます。産前や産後、更年期の女性に多くみられる症状で、ばね指と合併して発症する場合も少なくありません。
ドケルバン病の原因となる腱鞘には2つの筋腱が通り、炎症を起こすと親指を動かすたびに痛みが生じます。手術が必要になるケースは少なく、基本的にサポーターを装着して2~3週間で改善がみられます。
ただし2つの腱が隔壁で分けられている場合、それぞれの腱鞘を確実に開放しなければ改善できない場合もあります。ドケルバン病の症状がある方は、まず医師に相談してみてください。
ばね指
ばね指はすべての指に起こりうる症状であり、腱鞘炎の症状では最も多くみられます。指を曲げたり伸ばしたりする際に屈筋腱が炎症を起こした腱鞘に引っかかり、力まないと動作が困難になります。
力んだ際に引っかかりが外れてばねが弾けたような動きになることから、ばね指と呼ばれることも少なくありません。
一般的には、手や指の酷使が原因として挙げられますが、産前や産後、更年期の女性に多くみられることから女性ホルモンとの関連も考えられています。
治療法では、サポーターの装着も効果的とされています。
ただしまずは40℃前後のお湯の中で、指の屈伸運動を実践してみてください。1日3回に分け、10~20分ほど屈伸運動をおこないましょう。
症状の改善がみられない場合、注射による治療や手術を要する可能性もあります。
腱鞘炎の主な原因
腱鞘炎の主な原因は、次のとおりです。
- スポーツ
- 長時間の手首の使用
- 女性ホルモンの変化
- 糖尿病や関節リウマチなどの病気
腱鞘炎の原因を知ることで、痛みが生じた際にすぐに対処できます。それぞれの内容を確認しましょう。
スポーツ
手や指を使用するスポーツは、腱鞘炎になる原因の一つです。とくにテニスやゴルフのように手首を頻繁に使用するスポーツでは、ドケルバン病になる方が多くいます。
親指を動かして痛みがない場合でも、ドケルバン病が進行している可能性もあります。気になる方は、定期的にセルフチェックをおこなってみてください。
まず親指を入れるようにこぶしを作り、縦にした状態で小指方向に手首をゆっくり曲げましょう。親指の付け根部分の筋が伸びた際に痛みを伴う方は、ドケルバン病の可能性があります。
放置すると悪化する可能性が高いことから、サポーターを使用したり、医師に相談したりしましょう。
長時間の手首の使用
長時間の手首や指の使用も腱鞘炎の原因です。パソコン作業が中心の方や楽器を演奏する方、文字を多く書く方などが該当します。
近年では、スマートフォンやゲームの普及などから腱鞘炎になる方も多くいるため、注意が必要です。手ゆびの酷使はばね指とドケルバン病のどちらにも通ずる原因です。手や指に休憩の時間を設けましょう。
また手指を使用する際にサポーターを装着すると、負担を減らせる場合があります。クッション付きのマウスパッドを使用する、握りやすいコントローラーでゲームを楽しむなどして、手首への負担を減らしましょう。
女性ホルモンの変化
女性ホルモンの変化も。腱鞘炎の原因の一つです。妊娠、出産期にはプロゲステロンと呼ばれる物質が多く分泌されます。プロゲステロンには腱鞘を収縮させる働きがあり、摩擦が起きやすい状態になります。
摩擦が強い状態で手首や指を酷使すると腱鞘炎になりやすいため、注意が必要です。
また更年期になると女性ホルモンのエストロゲンが減少し、腱鞘炎の引き金になります。エストロゲンには組織を滑らかに保つ働きがあり、女性ホルモンの中でも重要な役割を持つ物質です。
腱鞘に対して腱が円滑に通らなくなると、摩擦が生じて腱鞘炎になります。
糖尿病や関節リウマチなどの病気
糖尿病や関節リウマチなどの病気も腱鞘炎を引き起こす原因です。糖尿病では血液が滞りやすくなり、炎症が治りにくくなります。
そのため糖尿病の方は摩耗した腱鞘が炎症を起こしやすい状態といえるでしょう。
また免疫の異常により関節に炎症を起こす病気である関節リウマチも、腱鞘炎の原因となりえます。さらに人工透析を受けている方も、腱鞘炎になりやすいとされます。痛みが生じたら医師に相談しましょう。
サポーターの種類と効果
腱鞘炎には、サポーターが効果的です。
しかしサポーターには多くの種類があり、どのサポーターが最適なのか悩んでいる方は多いでしょう。ここでは、腱鞘炎の症状に合う主なサポーターを2種類解説します。
手首サポーター
手首サポーターは、腱鞘炎になった際に手首を固定するサポーターです。手首を固定して腱の伸縮を最小限に留めることで、腱鞘炎の悪化を抑えます。
サポーターを締めつける強さや締めつけ方により、効果や可動域は異なります。固定する際は腱鞘炎の具合に合わせましょう。
とくにテニスやボーリングなどの手首を酷使するスポーツが要因の腱鞘炎において、手首サポーターは効果的です。
ただし手首サポーターは手首を固定するものであり、親指の腱鞘炎に対する効果は薄いでしょう。
親指サポーター
親指サポーターは、親指の腱鞘炎に効果的なサポーターです。親指を動かすと痛みがある方に適しており、親指の可動域を制限できます。
ばね指の場合は屈伸運動によるストレッチで改善されることが多いですが、ドケルバン病では親指をなるべく動かさないことが大切です。
親指サポーターを使用して、親指が動きすぎないように固定しましょう。親指サポーターには、指先まですっぽりと覆うものから根元までのものまで幅広い選択肢があります。
ドケルバン病の初期症状の場合は、付け根までのサポーターでも十分な効果を得られます。しかし炎症がひどく激しい痛みを伴う場合、指先までサポートできるものがおすすめです。
サポーターを使用する際の注意点
腱鞘炎でサポーターを使用する際は、次の点に気をつけてみてください。
- きつく締めない
- 長時間使用しない
- 寝るときは外す
- 正しく装着する
一日でも早く腱鞘炎が治るよう、事前にサポーターの注意点を確認しましょう。
きつく締めない
サポーターを装着する際は、きつく締めすぎないように注意しましょう。きつさに対する明確な基準はありませんが、きつく締めると血流が悪くなり痛みや痺れを感じる場合があります。
サポーター装着の際は、痛みや痺れがなく患部が固定されている状態が理想です。理想の状態となるまで、何度か着け直してみましょう。
購入したばかりのものだと手首や指に馴染まず、固定されすぎていると感じる場合もあります。
しかし着けているうちに馴染んできたり、緩んできたりする可能性もあります。また手首や指の太さ、骨格などの個人差により、装着具合も異なります。
装着後に時間が経ち、痛みや痺れを感じる場合は着け直して使用してみてください。
長時間使用しない
サポーターの使用は効果的ですが、長時間の使用には注意が必要です。長時間使用すると、サポーターのなかが蒸れてかぶれが生じる可能性があります。
腱鞘炎におけるサポーターの使用頻度は、手首や指を使用する作業があるときのみに留めましょう。腱鞘炎の具合により、装着時間の目安も異なります。
理想的な装着時間については、医師からのアドバイスを受けてみてください。
寝るときは外す
腱鞘炎のサポーターは、寝るときに必ず外すようにしましょう。サポーターを装着したまま寝ると、寝ている間にうっ血状態になる可能性があります。
起きている間もサポーターによる多少の締め付けがあるものの、筋肉がポンプの役割を果たし血流をサポートします。
しかし寝ている間は筋肉の使用量が大きく減ることから血行が悪くなり、血流に悪影響が出てしまいます。寝るときには、装着しているサポーターを外しましょう。
正しく装着する
サポーターの正しい装着方法は、患部の固定方法により異なります。たとえばドケルバン病の場合、親指を反らないように固定するほうが効果的です。
しかし親指の付け根辺りが痛む場合、反らせるようにサポーターを装着するほうが望ましいとされています。これまでにサポーターの装着経験がない方は、一度専門医のいるクリニックで治療を受けましょう。
実際にサポーターに触れながら装着方法を確認すれば、より効果的な治療につながります。
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シン整形外科の腱鞘炎の治療は、以下の理由でおすすめです。
・専門的な知識と経験
・一連の症例への対応
・最新の医療技術の利用
・患者中心のアプローチ
・継続的なケアとフォローアップ
専門的な知識と経験
シン整形外科が腱鞘炎の治療におすすめな理由として、その専門的な知識と経験が挙げられます。整形外科は骨や関節の疾患に特化した分野であり、シン整形外科関節の異常や障害に対する専門的なアプローチをしています。
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シン整形外科が腱鞘炎の治療におすすめされる理由として、様々な関節の症状や疾患に対応できることが挙げられます。関節炎、捻挫、骨折など、指にはさまざまな問題があり、その一連の症例に対して適切な治療を提供しています。
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継続的なケアとフォローアップ
関節の治療は手術後のリハビリテーションやフォローアップが重要です。シン整形外科は継続的なケアとフォローアップを提供しており、患者の回復をサポートしています。
まとめ
今回は、サポーターの効果や腱鞘炎に効果的なサポーターの種類について詳しく解説しました。腱鞘炎には、主にドケルバン病とばね指の症状があります。
どちらも手首や指の使用頻度が高いと起こる疾患であり、スポーツやパソコン作業の頻度が多い方は注意が必要です。
腱鞘炎には、手首や親指のサポーターが効果的とされています。痛みのある部位や手の大きさ、素材などから自身に合うものを見つけましょう。
サポーターを装着する際は製品ごとの注意事項をよく読み、きつく締めすぎないようにして正しく装着しましょう。