ゴルフ肘の原因は、スポーツのほか家事や育児などの日常生活にも潜んでいます。
ゴルフ経験がなくても「物を持ち上げると肘裏が痛む」「肘の痛みで仕事に集中できない」と悩みを抱える方もいるでしょう。
肘関節の痛みから解放されたい方は、専門的な診断がおこなえる整形外科の受診がおすすめです。
症状に合った治療を受け、再発防止を兼ねたリハビリをおこなえば十分に完治が見込めます。
本記事ではゴルフ肘が発症する原因とともに、おすすめの整形外科を厳選して紹介します。
セルフケアの方法もあわせて解説しているため、ゴルフ肘を完治させたい方はぜひ参考にしてみてください。
ゴルフ肘とは?
ゴルフ肘は肘間接に起こる痛みの症状で、正式には「上腕骨内側上顆炎(じょうわんないそくじょうかえん)」と言います。
肘、手首の酷使によって生じる筋肉の炎症が痛みの主な原因です。
日頃から肘関節に痛みを感じている方は、次の項目をチェックしてみてください。
【ゴルフ肘で生じる4つの痛み】
- スイング動作で肘が痛む
- 買い物袋(重い物)を持つと肘が痛む
- 肘関節の内側を押すと痛む
- 手首を内側に曲げると痛む
上記で該当項目がある方は、ゴルフ肘を発症している可能性が高いです。
ゴルフ肘は、ゴルフ経験のない方も発症する肘関節の障がいになります。また一度発症すれば、自然に完治するケースは非常に稀です。
痛みが慢性化したり、再発したりするケースも多いため、本記事を読み進めながら適切な対処法を確認していきましょう。
ゴルフ肘の原因
ゴルフ肘の発症原因は、次の4つです。
- 投げる・スイングする動作が多いスポーツ
- 家事
- 環境が整わない場所でのパソコン作業
- スマートフォンの使いすぎ
それぞれの詳しい内容は次項より解説します。
投げる・スイングする動作が多いスポーツ
一つ目の原因は、スポーツ由来によるものです。
【ゴルフ肘が発症しやすいスポーツ】
- ゴルフ
- 野球
投げる動作やスイング動作が多いスポーツは、手首から肘にかけて伸びる筋肉に負担が蓄積しやすいです。
また初心者は動作に余計な力が加わりやすいため、熟練者と比較してゴルフ肘を発症しやすい傾向にあります。
家事
家事は、スポーツに次いでゴルフ肘を発症させやすい原因です。
【ゴルフ肘を誘発する家事の例】
- 料理:フライパンを持つ、振る動作
- 掃除:雑巾をしぼる動作
他にも赤ちゃんをだっこしたり、犬の散歩をしたりと、日常生活に潜むゴルフ肘のリスクは多いです。
現在は肘裏の痛みがなくても、筋肉の緊張状態が続けば将来的にゴルフ肘にかかる方もいるでしょう。
環境が整わない場所でのパソコン作業
リモートワークが普及した背景もあり、慣れない環境でパソコン作業をおこなう場面が増えています。
姿勢が崩れた状態でおこなうタイピングやマウス操作は、筋肉への負担を蓄積させやすいです。
またテーブルや椅子などの環境を整えても、長時間の作業でゴルフ肘発症のリスクが高まります。
スマートフォンの使いすぎ
スマートフォンを長時間使用していると、指や手首の筋肉が酷使されます。
昨今はスマートフォン画面が拡大傾向にあるため、スワイプ範囲が広く、本体を支える負担も大きいです。
そのため、指から肘の内側にかけて伸びる筋肉が引っ張られ、炎症によって痛みが発生するケースが増えています。
なおスマートフォンが原因で起こる症状は、痛む部位によって次の2つに分けられます。
痛みが生じる部位 | 症状 |
---|---|
肘の内側 | 上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘) |
肘の外側 | 上腕外側上顆炎(テニス肘) |
スポーツや家事以外で肘の痛みが慢性化している方は、スマートフォンの長時間使用に注意しましょう。
ゴルフ肘がなかなか治らない方は整形外科の受診がおすすめ!
整形外科を受診すれば、ゴルフ肘の完治に向けて効果的な治療が受けられます。
- 物理療法:痛みを軽減し、柔軟性を高める治療法
- 薬物療法:投薬や湿布の処方で痛みを軽減する治療法
- 運動療法:ストレッチによって肘の負担や炎症を軽減する治療法
- 装具療法:テーピングやサポーターで動作を制御する治療法
- 手術療法:痛みの原因を切除する治療法
肘の痛みをすぐにでも取り除きたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
物理療法
痛みの緩和とともに、筋肉や腱の緊張状態をほぐす施術が物理療法です。
ゴルフ肘の症状に応じて、各種施術メニューが使い分けられます。
【慢性期の場合】
- 超音波治療
- 電気治療
- 温熱治療
【急性期の場合】
- アイシング(冷却療法)
物理療法には血流や柔軟性を改善する効果もあるため、ゴルフ肘の痛みに効率的なアプローチが可能です。
薬物療法
湿布や内服薬などを処方し、痛みの軽減を目的におこなわれる施術が薬物療法です。
整形外科でゴルフ肘を診断してもらい、経過観察に移行した場合は湿布を処方される可能性が高いでしょう。
なお、痛みが激しい場合はステロイド注射を使用するケースもあります。
運動療法
運動療法は、痛みの急性期を過ぎた段階で用いられる施術です。
肘周辺にある筋肉や腱のストレッチをおこない、柔軟性を高めていきます。
肘の負担軽減や炎症を防止する効果が期待できるため、ゴルフ肘の完治を目指すうえで非常に大切なアプローチです。
装具療法
装具療法はテーピングやサポーターを着用して、肘の負担を軽減する施術です。
動作を制限する効果もあり、目的に応じて使い分けができます。
- テーピング:筋肉に沿って貼り付け、伸びる力を軽減
- サポーター:肘周辺に装着して屈曲動作の負担を軽減
とくにゴルフ肘の初期段階は、安静状態を保つことが重要になります。
半強制的に動作をコントロールできるため、炎症を鎮める効果も期待できます。
手術療法
手術療法では、痛みの原因に応じた切除手術をおこないます。
【手術療法の内容】
- 滑膜切除術:腱の付着箇所を切り離す切除術
- 骨棘切除術:肘の酷使により変形した骨棘(こっきょく)の切除術
なお手術療法は、前述してきた施術を実施しても効果が見られなかったときの最終手段になります。
症状には個人差があるため。必ずしも手術で痛みが治るとは言い切れません。
物理療法や運動療法で様子を見るのか、手術療法に踏み切るべきなのかは慎重な判断が必要です。
ゴルフ肘の治療におすすめな整形外科3選
ここからは整形外科を3つ厳選し、それぞれの特徴を詳しく解説します。
- 六本木整形外科・内科クリニック
- 南新宿整形外科リハビリテーションクリニック
- ぜんしん整形外科 立川スポーツリハビリクリニック
ゴルフ肘の早期治癒を目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。
六本木整形外科・内科クリニック
六本木整形外科・内科クリニックは、物理療法や運動療法などのリハビリテーションに力を入れています。
衝撃波を患部に照射する新治療「体外衝撃波治療」を導入しており、通院しながら傷んだ組織の修復を促せる点が大きな強みです。
またゴルフ肘の治療は保存的治療からのスタートが基本で、進行具合に応じて各種治療プランを選択できます。
理学療法士による専門的なサポートも受けられるので、効率的に痛みの緩和と運動機能の回復を目指したい方におすすめです。
南新宿整形外科リハビリテーションクリニック
南新宿整形外科の特徴は、「早く動かす」ための治療メソッドです。
痛みの原因にアプローチする根本的なリハビリを組み合わせ、薬や注射の効果を高めていきます。
早期治癒に向けて薬物療法をメインに進める一方で、マネジメントが徹底している点も安心です。
副作用を把握したうえで無駄な投薬はせず、薬を処方する際は特性をしっかりと解説します。
ピラティスに加えて運動器の改善治療も取り入れているため、「ゴルフ肘の治療をしながら痛みが再発しない体を手に入れたい」と考える方におすすめです。
ぜんしん整形外科 立川スポーツリハビリクリニック
ぜんしん整形外科は、JR立川駅北口から徒歩2分の好立地にある整形外科です。
15名の理学療法士が在籍しており、100㎡を超える充実した施設の中で適切なリハビリがおこなえます。
手術が必要な場合は提携病院での実施となりますが、診断から術後まで一貫したフォロー体制を整えているので安心です。
また、ぜんしん整形外科ではスポーツ選手へのメディカルチェックのほか、各地で野球肘検診もおこなっています。
早期から肘の状態を把握すれば、スポーツによる怪我を予防できる可能性が高いです。
「チームでメディカルチェックを受けてみたい」「子どものスポーツ活動をしっかりサポートしていきたい」と考える方は気軽に相談してみてください。
ゴルフ肘の診断療法
ゴルフ肘には、診断療法が2つあります。
- リストフレクションテスト
- フォアアームプロネーションテスト
自身の症状がゴルフ肘なのか気になる方は、次項で紹介する手順をぜひ参考にしてみてください。
肘関節の痛みがひどい場合は無理をせず、早めに整形外科を受診しましょう。
リストフレクションテスト
リストフレクションテストは、手首を持ち上げる動作からゴルフ肘を診断するテストです。
【リストフレクションテストのやり方】
1:痛みのある腕を前方に出す(肘は伸ばす)
2:握りこぶしを作り手の甲を下に向ける
3:もう一方の手で手首を押さえる
4:痛みのある腕を上げる(両腕の力は拮抗させる)
4まで進めたときに、肘の内側に痛みがあったり、違和感があったりする方はゴルフ肘を発症している可能性が高いです。
フォアアームプロネーションテスト
フォアアームプロネーションテストは、手首を旋回する動作からゴルフ肘を診断するテストです。
【フォアアームプロネーションテストのやり方】
1:痛みのある腕を前方に出す(肘は伸ばす)
2:手のひらを上に向ける
3:もう一方の手で手のひらを押さえる
4:痛みのある手を内側に回す(両手の力は拮抗させる)
こちらも肘の内側に痛みが出た場合は、ゴルフ肘が疑われます。
肘関節の痛みが悪化する前に、早めに整形外科で診てもらいましょう。
【RICE処置】ゴルフ肘の応急処置の方法
RICE処置は打撲や肉離れ、出血などの外傷に対する基本的な応急処置です。
次の4つの単語から頭文字を組み合わせ、RICEの名称が付いています。
- Rest:安静
- Ice:冷却
- Compression:圧迫
- Elevation:拳上
ゴルフ肘は、初期段階での処置が求められる肘関節の障がいです。
処置を怠っていると痛みが慢性化し、手術が必要になる可能性もあります。
夜間や休日のため整形外科に行けない方は、それぞれの処置をぜひ参考にしてみてください。
Rest
肘に痛みを感じる場合は、安静状態を保つことが重要です。むやみに肘を動かせば、症状を悪化させる危険性が高まります。
まずはテーピングや包帯などを利用して、肘を固定しましょう。
装具がない場合はタオルやサランラップで患部の動きを制限する方法もあります。
Ice
痛みのある患部を冷却します。
体温低下に伴い血管が収縮するため、痛みや腫れの軽減効果が期待できます。
応急処置の手順は次のとおりです。
1:氷や氷水をビニール袋に入れる
2:20分〜30分ほど患部にあてる
3:患部が無感覚状態になったら外す
4:患部の皮膚感覚が戻ったら2〜3を繰り返す
なお必要以上に患部を冷やすと、凍傷を誘発する可能性があります。
冷却袋を装着したまま放置しないように適宜調節しましょう。
ビニール袋が冷たすぎる場合は、タオルを活用しながら温度調節してみてください。
Compression
包帯やテーピングなどで患部を圧迫し、ゴルフ肘の腫れを抑えます。
腫れが悪化すると回復に時間を要するため、痛みを感じたら早めに応急処置をおこないましょう。理想は腫れを未然に防ぐことです。
ただし圧迫する力が強すぎれば、血流や神経障がいが生じる危険があります。皮膚が変色してきたり、痺れを感じたりした場合はすぐに調節しましょう。
不測の事態を避けるためにも、患部を圧迫した状態で寝てしまわないように注意が必要です。
Elevation
肘を心臓より高い位置でキープしましょう。
血液が心臓に流れる性質を利用し、腫れの軽減と、腫れが引くまでの時間を短縮できます。
クッションや椅子などの上に肘を置くと、無理のない姿勢をキープしやすいです。
ゴルフ肘を改善させるストレッチ
RICEの他に効果的な処置がストレッチです。筋肉の柔軟性を高めることで、肘にかかる負担を軽減できます。
ゴルフ肘の改善に効果的なストレッチは、次の4種類です。
- 肩後方を伸ばすストレッチ
- 側屈ストレッチ
- 股関節のストレッチ
- 前腕のストレッチ
セルフケアとしても活用できるため、それぞれのストレッチをぜひ参考にしてみてください。
肩後方を伸ばすストレッチ
1:背筋を伸ばして立つ
2:片腕を水平に伸ばして内側に曲げる
3:曲げた腕を片方の腕で抱え込む
ストレッチ中に腕を下げると、肩後方にある筋肉の伸びが弱くなります。
肩の高さを目安に腕をキープして、肘が地面と平行になるように意識しましょう。
側屈ストレッチ
1:正座をする
2:頭の後ろで手を組む
3:上半身を横にひねる
4:肘を上に向けながら体を曲げてキープ(10秒間)
左右ともおこなうことで、バランスよく筋肉がほぐせます。
呼吸を止めず、無理のない範囲からはじめてみましょう。
股関節のストレッチ
膝高ほどの台座や椅子があると、スムーズなストレッチがおこなえます。
自宅の家具を活用しながら、セルフケアの種目を増やしていきましょう。
1:背筋を伸ばして立つ
2:片足の甲を台座に乗せる
3:上半身をまっすぐ下げる
上半身を下げるときは、つま先立ちにならないように注意しましょう。
股関節のストレッチも両方の足でおこなってみてください。
前腕のストレッチ
前腕には肘の内側にかけて伸びる筋肉があります。
日常的に疲労が蓄積しやすい部位でもあるため、定期的なストレッチで緊張をほぐしましょう。
1:手のひらを上に向けて前方に伸ばす
2:片方の手で指を掴み、地面に向けて曲げる
3:痛みが生じないところで20秒キープ
左右それぞれの手で1日3セットが目安になります。
1セットの秒数を伸ばすよりも、毎日の継続が大切です。
痛気持ちいストレッチ具合を意識しながら、ゴルフ肘の改善に向けて継続していきましょう。
ゴルフ肘が治らない方によくある質問
- 再生医療で痛みを根本解決
- 手術不要・日帰り治療OK!
- 安心の保証制度あり
最後に、ゴルフ肘に関するよくある質問にまとめて回答していきます。
- ゴルフ肘の施術は整骨院と整形外科のどちらがおすすめ?
- ゴルフ肘は完治する?
- スポーツをしながらゴルフ肘を治せる?
記事を読み進める中で疑問が生じている方は、それぞれの内容をぜひ参考にしてみてください。
施術費用 | ■初診 3,300円 ■MRI検査 8,000円〜12,000円 ■注入治療 198,000円〜1,078,000円※1 ■リハビリ 29,800円〜49,800円 |
診療時間 | ■受付 9時〜18時 ■MRI診断予約 24時間受付 |
支払い方法 | 現金 クレジットカード 電子マネー バーコード決済 |
アクセス | 〒104-0061 東京都中央区銀座5丁目9-15 銀座清月堂ビル5F |
ゴルフ肘の施術は整骨院と整形外科のどちらがおすすめ?
ゴルフ肘の痛みがひどい方や、肘関節の症状に不安を抱える方には整形外科がおすすめです。
選択できる薬物療法が多く、レントゲンやX線などの画像検査で肘の症状を的確に診断できます。
一方、整骨院は物理療法やマッサージに特化している点が強みです。
遅い時間まで営業している整骨院も多いため、仕事や学校終わりに通院しやすい点もポイントになります。
ゴルフ肘は完治する?
ゴルフ肘は、適切な治療をおこなえば完治する症状です。
【施術を受けてゴルフ肘が完治するまでの流れ】
1:痛みが軽減、または消える
2:ゴルフ肘の原因となる組織が修復する
症状に波のある方は、組織修復が終わる前に手や指、腕を酷使しているのかもしれません。
痛みを慢性化させないためにも肘の状態を自身で判断せず、整形外科でしっかりと診断してもらいましょう。
スポーツをしながらゴルフ肘を治せる?
基本的には安静が必要です。
とくに肘が痛み出した初期段階の方や、激痛が伴う重症の方には安静状態が求められます。
一方で、大会を控えていたり仕事が休めなかったりと、やむおえない事情を抱えている方もいるでしょう。
整形外科では、医師や理学療法士による応急処置が受けられます。
動作をサポートするテーピング技術にも長けているため、早めの受診をぜひ検討してみてください。
まとめ
ゴルフ肘の原因や治療法、効果的なストレッチメニューについて紹介してきました。
スポーツや家事をはじめ、デスクワークや長時間のスマートフォン使用など、手や腕を酷使する場面は数多く存在します。
ゴルフ肘は自然治癒が難しいため、肘に痛みのある方は整形外科の受診がおすすめです。
【整形外科で受けられる治療メニュー】
- 物理療法:痛みを軽減し、柔軟性を高める治療法
- 薬物療法:投薬や湿布の処方で痛みを軽減する治療法
- 運動療法:ストレッチによって肘の負担や炎症を軽減する治療法
- 装具療法:テーピングやサポーターで動作を制御する治療法
- 手術療法:痛みの原因を切除する治療法
医師の診断で症状を的確に把握できるため、安心して経過観察できるメリットもあります。
整形外科の早期受診とセルフケアをあわせて、肘関節が痛まない健康的な生活を手に入れましょう。
※本記事の情報は2023年3月時点のものです。
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