関節リウマチの初期段階では、可動域を広げたり、血流を促し痛みを緩和したりする運動療法もおこなわれます。
運動療法は関節リウマチの治療において重要な役割がありますが、どのようにおこなうのか、自宅でもできるのか気になる方も多いでしょう。
そこで本記事では、関節リウマチに効果的な運動療法の種類や、自宅でできる体操を紹介します。
関節リウマチを効率的に治療したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
関節リウマチとは?
関節リウマチとは、関節の炎症により腫れや痛みが生じる疾患です。
患者の多くは40〜60代の女性で、男女比は1:4とされています。
関節の炎症であるため、手首や手足の指、膝、肩、肘などに発症し、左右対称にあらわれる傾向があります。
症状が軽い場合は、薬物療法やリハビリによる治療で改善が可能です。
しかし、重症化すると関節が変形して動かなくなり、最終的に手術が必要になる場合も少なくありません。
関節リウマチが疑われる症状があらわれたら、早めにリウマチ専門医を受診し、適切な治療を受けましょう。
関節リウマチの原因
関節リウマチを発症する主な原因は、免疫の異常です。
免疫には、細菌やウイルスなどを破壊し体内から排除する役割があります。
しかし、何らかの原因で免疫に異常が生じると、体内の正常な組織や細胞を攻撃し関節リウマチを発症します。
いわゆる免疫疾患の1つであり、関節の腫れや痛み以外に合併症を引き起こすケースも少なくありません。
免疫に異常が起こる原因は解明されていませんが、喫煙や歯周病、ストレス、過労、出産、細菌、ウイルス感染などの環境要因が関与しているといわれています。
また、遺伝により免疫異常が起こる場合もあります。
関節リウマチの症状
関節リウマチを発症すると、関節に次のような症状があらわれます。
- 熱感
- 腫れ
- 痛み
- 朝のこわばり
- 水がたまる
- 可動域の制限
症状が進行すると、上記の症状に加え、倦怠感、貧血、微熱、食欲不振、目や口の渇き、リンパ節の腫れなどの全身症状が現れる場合もあります。
また、関節リウマチの症状が活発になる活動期は、骨の変形も進行しやすくなるでしょう。
そのまま放置すると重症化し関節が破壊される可能性もあるため、早期治療による症状のコントロールが大切です。
関節リウマチの検査と診断
関節リウマチは、血液検査や尿検査、画像検査などをおこない診断を下します。
関節の痛みや腫れは、ほかの疾患でもみられる症状ですが、関節リウマチを見分けるためには血液検査が重要です。
血液検査でチェックする項目のなかでも、リウマトイド因子(RF)は関節リウマチ患者の70%程度に陽性がみられます。
また、次のような画像検査で関節内の骨や軟骨などの炎症、変形をチェックします。
- レントゲン検査:骨の欠損、関節の隙間の狭さなどを確認
- MRI検査:滑膜、軟骨、筋肉、靭帯など骨以外の組織の炎症や腫れも確認
- 関節超音波検査:関節内の炎症や骨の状態をリアルタイムで確認
上記のように複数の検査をおこない、ほかの疾患の可能性を排除しながら関節リウマチの診断をおこないます。
関節リウマチの運動療法の種類
関節リウマチの運動療法には、次のような種類があります。
- 運動訓練
- 温熱療法
- 関節可動域訓練
- 歩行訓練
- 筋肉強化訓練
症状に応じて、上記の治療を組み合わせる場合もあります。それぞれの内容を詳しく解説するため、関節リウマチの治療を受ける方はぜひチェックしてみてください。
運動訓練
運動訓練は低下した筋力の強化や、骨の修復、軟骨の栄養改善などを目的に適度な運動をおこないます。
ただし、激しい運動や膝に負担のかかる運動は、かえって症状を悪化させる可能性があります。
そのため、必ず医師や理学療法士の指導をうけたうえで、無理なくおこないましょう。
温熱療法
温熱療法とは、患部を温める治療法で、ほかの運動療法と併用して用いられます。
患部を温めると、関節内の血流が促進し、筋肉の緊張が緩和します。
とくに、こわばりや疼痛、腫脹などの症状がある場合に効果的です。
具体的には、ロウを溶かした液体に患部をつけるパラフィン浴や、温めたホットパックを患部にあてる方法などがあります。
また、電気療法と呼ばれる超音波やレーザーを使い患部の深層部まで温める治療もあります。
ホットパックやパラフィンは薬局でも購入できるため、自宅での温熱療法も可能です。
上記の器具が手元にない場合は、約40〜42度のお湯を10分程度患部にあてて温める方法も症状を緩和できおすすめです。
関節可動域訓練
関節可動域訓練は、炎症や骨の変形により固まった関節の可動域を改善する訓練です。
温熱療法や入浴後におこなうと、筋肉の緊張が和らぎ関節の柔軟性も向上するため、より効率的に可動域を広げられます。
ただし、運動訓練と同様に無理に関節を動かすと炎症がぶり返す可能性があります。
とくに、痛みが強い場合や、関節に変形がある場合は、指導を受けながらおこないましょう。
歩行訓練
歩行訓練は、膝や足首、股関節、骨盤など下肢にリウマチが発生した場合におこなう運動療法の一種です。
基本動作となる歩行と起立を、正しい姿勢でスムーズにおこなえるように訓練します。
具体的には、平行棒や斜面台、キャスター付き歩行器などの器具を用いながら、理学療法士のサポートのもとおこなわれます。
温水プールでの歩行は浮力で体重負荷を軽減できるため、関節に負担をかけずに歩行訓練が可能です。
また、筋力の増強や普段使えていない筋肉も鍛えられ、関節の安定性も高められます。
筋肉強化訓練
筋肉強化訓練には、筋肉を増強して歩行時の膝関節や骨盤などに加わる衝撃を和らげ、関節の安定性を改善する目的があります。
とくに関節リウマチを発症している方は、健康な同年代に比べて筋力が低下している傾向にあるため、筋肉強化訓練が重要です。
訓練の内容はリウマチを発症している部位によって異なりますが、手指の場合はゴムボールや筒などを用いて握力を鍛えます。
また、下肢のリウマチには、大腿四頭筋や中殿筋、大殿筋などを鍛える方法が一般的です。
自宅でできる!おすすめリウマチ体操
効率的に関節の機能を回復させるなら、リウマチ体操を自宅で毎日おこなうのもおすすめです。
そこで次項では、手指、手首、足指、首や肩にわけて体操の方法を解説します。
入浴後におこなうと効率的に運動できるため、体調の変化に気を配りながら取り入れてみてください。
手指の体操
手指のリウマチ体操は、次の手順でおこないます。
- グーの形になるように手指を握り、開く
- パーの形で手指を閉じ、開く
- パーの形で人差し指から小指を開いたり、閉じたりする
手指にリウマチがある方は、上記の体操を無理のない程度で繰り返しましょう。
手首の体操
手首のリウマチ体操の手順は次のとおりです。
- 肘を90度に曲げて手指を前に出し、手首を内側に曲げたり、外側に開いたりする
- 前ならえの形で腕を前に伸ばし、手のひらが正面になるように手首を90度曲げたあと、手の甲が正面を向くように手首を90度曲げる
手首にリウマチがある方は、上記の体操を無理のない程度で繰り返しましょう。
足指の体操
足指のリウマチ体操の手順は次のとおりです。
- 椅子に座り、膝を曲げた状態で両足を交互に上げる
- 椅子に座り、片方の膝を少し上げ、そのままの状態で足がまっすぐになるよう足先を伸ばす
- 立った状態で壁や椅子の背などに手を置き、片足をゆっくり横に上げ、ゆっくりと元に戻す
- 足の指を開いて閉じる
- 座った状態でかかとを床につけ、つま先を上げて下げる
足の指にリウマチがある方は、上記の体操を無理のない範囲でおこないましょう。
首や肩の体操
首や肩のリウマチ体操の手順は次のとおりです。
- 椅子に座りながら背筋を伸ばし、首を前後、左右に傾ける
- 首を左右、時計回り、反時計回りに回す
- 肩を前後、上下に動かす
- 肩甲骨を意識しながら肩を回す
首や肩にリウマチがある方は、上記の体操を無理のない範囲でおこないましょう。
関節リウマチその他の治療法
関節リウマチには、次のような治療法があります。
- 薬物治療
- 手術治療
- リハビリテーション治療
また、リハビリテーションには理学療法、作業療法、補助具を使用した療法などがあります。
それぞれ詳しく解説するため、これからクリニックを受診する方は、ぜひチェックしてみてください。
薬物治療
薬物治療では、痛みや炎症を抑えるのみでなく、関節の破壊が進行するのを食い止める効果も期待できます。
関節の破壊が進めば手術が必要になりますが、薬物治療やリハビリテーションなどを組み合わせて早期に治療をはじめれば、少ない負担で改善が可能です。
関節リウマチに使用される主な治療薬は次のとおりです。
非ステロイド性抗炎症薬 | 炎症や痛みを抑える |
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ステロイド薬 | 炎症や痛みを抑える |
抗リウマチ薬 | 免疫異常を改善し関節の炎症を抑制する |
生物学的製剤 | 炎症や免疫システムに関与する物質の活動を抑制し、関節破壊や炎症を抑える |
JAK阻害剤 | 細胞にあるJAKと呼ばれる酵素の活動を抑制し、関節破壊や炎症を抑える |
炎症や痛みを抑える非ステロイド性抗炎症薬とステロイド薬は、関節リウマチによって低下した生活の質の改善をはかるための治療薬です。
リウマチを改善する治療薬と併用され、関節炎が沈静化するまでの補助薬としての役割があります。
また、抗リウマチ薬や生物学的製剤、JAK阻害剤は免疫異常を抑制し、寛解も期待できます。
ただし、どの治療薬を使用するかは症状によって異なり、入院が必要なものもあるため、まずは医師の診察を受けてよく相談しましょう。
手術治療
症状が進行し、関節が変形、破壊されている場合は手術治療も検討します。
関節リウマチの手術治療には、次のような種類があります。
- 滑膜切除術 炎症した関節の滑膜を切除し、可動域の制限や疼痛を取り除く手術で、軽度~中等度の患者におこないます。
- 人工関節置換術 関節を人工関節に置き換える手術で、関節破壊が著しく、痛みも強い場合に用いられます。
- 関節固定術 人工関節置換術ができない場合に、痛みのある部分を切除し使いやすい角度で固定する手術です。
症状のグレードにより適用となる手術は異なりますが、いずれも痛みや可動域の制限を取り除き、安定性の回復が期待できます。
ただし、手術は合併症のリスクや体への負担もあるため、メリット、デメリットをよく理解したうえで医師と相談し、最適な方法を選択しましょう。
リハビリテーション治療
関節リウマチの治療には、次のようなリハビリテーション治療も用いられます。
- 理学療法
- 作業療法
- 補助具を使用した療法
それぞれ詳しく解説します。
理学療法
理学療法は、主に先述した運動療法と物理療法にわけられます。
運動療法は筋力や関節可動域などの身体機能の回復を目的としています。
一方、物理療法は水、温熱、超音波、光などを用いて疼痛、循環障害などの改善が目的です。
作業療法
作業療法は、衣服の着脱や食事などの基本的な日常動作や、手芸や料理などの複雑な動作を訓練し社会復帰をはかります。
治療は主に上肢を中心におこない、関節の動きの改善や筋力の強化で、物をつまんだり腕を伸ばしたりする動作を訓練します。
補助具を使用した療法
患部の炎症が強い場合には、補助具を使用した治療もおこないます。
炎症を抑えるためには、薬物治療のみでなく患部を安静に保つことも大切です。
装具は、炎症や変形のある関節を固定して支え安静を保ちます。
また、関節を固定すると力が入りやすくなったり、動きやすくなったりする効果もあります。
ただし、自身の体にあわない装具では十分な役割を果たせない可能性があるため、固定性や矯正力などをよく確認したうえで選ぶことが大切です。
また、日常生活で使用するうえで、着脱のしやすさや、水仕事にも使用できるかなどの使いやすさもチェックしておきましょう。
患者にあわせたオーダーメイドのリハビリテーション治療を受けたいならシン・整形外科がおすすめ!
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- 再生医療とリハビリテーションを組みあわせた治療が受けられる
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それぞれの特徴を詳しく解説するため、保存療法では関節リウマチの改善がみられなかった方は、ぜひチェックしてみてください。
再生医療とリハビリテーションを組みあわせた治療が受けられる
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そもそも再生医療とは、人体に備わる自己再生能力を引き出し、損傷した組織を修復させる治療法です。
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整形外科の専門医による診療体制
シン・整形外科は、整形外科の専門医による診療体制が整っています。
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---|---|---|
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とくに、薬物治療やリハビリテーションなどの保存療法ではまったく改善されなかった方に嬉しい保証です。
再生医療は自身の細胞や血液を使用するため、比較的低リスクな治療法ですが、リスク保証で万が一に備えられるのは安心できるポイントでしょう。
まとめ
関節リウマチの治療において、運動療法は重要な役割をはたします。
運動療法には、可動域訓練や歩行訓練、筋肉強化訓練などさまざまな種類があり、症状にあわせて選ぶことが大切です。
また、自宅でできるリウマチ体操も効果的なため、通院をしながら毎日おこなうとよいでしょう。
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