ゴルフ肘の手術の方法は?診断方法や他の治療方法についても解説

2025.09.13

普段、運動や趣味の一環でゴルフを嗜んでいる方も多いのではないでしょうか。 ゴルフをおこなう方であれば、ゴルフ肘と呼ばれる症状を見聞きした経験があるでしょう。 普段の生活における肘の痛みや違和感の原因が、実はゴルフ肘と呼ばれる症状である可能性もあります。 ゴルフ肘の治療は主に保存療法が選択されますが、症状が悪化すると最終的に手術が必要になるケースもあります。 本記事では、ゴルフ肘の手術の方法について詳しく紹介します。 また、ゴルフ肘の診断方法や、ゴルフ肘の治療方法についてもあわせて解説します。 ゴルフ肘の症状や治療法について詳しく知りたい方や、ゴルフ肘の可能性に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

ゴルフ肘とは

ゴルフ肘は、内側上顆炎と呼ばれるスポーツ障害の一つで、肘と腕をつなぐ腱と呼ばれる組織に炎症が起きている状態を指します。 ゴルフ肘の特徴は、指先や手首をひねったり曲げたりした際に、肘関節の内側に痛みが出ることです。 また、症状が軽度の場合には、手指を動かして痛みが生じても、しばらく安静にしておくと痛みが緩和します。 しかし、放置していると痛みが慢性化し、重症化すると最終的に手術が必要になるケースもあります。 ゴルフ肘は大人のみならず、子どもにも発症する可能性のある病状です。 そのため、肘周辺の痛みが続いている場合は、なるべく早めに適切な処置をおこないましょう。 また、ゴルフ肘はゴルフをおこなう方にのみ生じるものではなく、他のスポーツや仕事が原因で発症する場合もあります。 とくに、指先や手首を多用する野球やテニスなどの競技は、ゴルフ肘を発症する可能性が高い特徴があります。 その他、ハンマーやドライバーなどの工具を扱う方や、ハサミや櫛を扱う美容師の方なども手指への負担が大きいため、ゴルフ肘を発症するリスクが高い傾向にあります。

ゴルフ肘の症状

ここからは、ゴルフ肘の症状を紹介します。

痛み

ゴルフ肘の一般的な症状として、肘周辺に痛みがあらわれます。 ゴルフ肘による痛みは、肘の内側や前腕部の内側に生じる特徴があります。 とくに手首を曲げたりひねったりする動作や、手首を手のひら側に曲げたときに痛みを感じるケースが大半です。 ドアノブを回したり物を持ち上げたりした際に、肘の内側に痛みを覚える場合、ゴルフ肘が疑われます。 ゴルフ肘による痛みを軽減するためには、しばらく安静を保ち、患部を休ませてあげることが最も大切です。 痛みを悪化させないためにも、スポーツや家事などで患部に負荷のかかる動作をしばらく控えて過ごしてみてください。 また、スポーツ中のプレーによる痛みが出ている場合は、しばらくスポーツを控え、患部を冷やしながら安静に過ごしましょう。 症状が軽度の場合には痛みの程度もそれほど強くはないため、一定期間の休養を取れば痛みは徐々に改善します。 しかし、痛みがひかない場合や痛みが強まる場合には、組織の炎症が悪化している可能性が考えられるため、なるべく早めに医療機関を受診しましょう。

肘に張りを感じる

ゴルフ肘になると、肘に張りを感じるケースもあります。 突っ張ったような違和感が特徴で、指先を握り締めると腕から肘にかけて痛みが走る場合もあります。

手・手首が弱くなる

ゴルフ肘の症状として、手や手首が弱くなる感覚を覚える場合もあります。 実際に手や手首に力が入らず、脱力感により肘を曲げたり肩を上げたりする動作が困難になるケースも見受けられます。

しびれ

ゴルフ肘になると、しびれを感じる場合もあります。 しびれの原因は、ゴルフ肘による肘や腕の神経の圧迫です。 神経が圧迫されることにより、前腕部や指先にしびれを感じるケースがあります。

ゴルフ肘の手術方法

ゴルフ肘の治療には、まず手術以外の保存療法が適用されることが一般的です。 しかし、保存療法による効果が認められない場合や、症状が長引く場合には、手術を検討する必要性が出てきます。 ここでは、ゴルフ肘の手術方法について詳しく解説します。

直視下手術

直視下手術は、患部を切開して編成した組織を切除する手術方法です。 皮膚の切開範囲が広いため、手術の際に患部を容易に確認でき、該当組織の切除を確実におこなえるメリットがあります。 一方で、術後の痛みや炎症のリスクが大きいため、術後は日帰りができず、数日間の入院が必要になるデメリットもあります。 現在における直視下手術は、ゴルフ肘の手術方法としてやや古い手法の位置付けです。 後述する関節鏡下手術や、超音波ガイド下経皮的手術が一般的であるため、直視下手術が採用されるケースは少ない現状にあります。

関節鏡下手術

関節鏡下手術は、関節鏡を患部に挿入して手術をおこなう方法です。 関節鏡の先端にはカメラが付いているため、患部の状態を細かく確認しながら組織の切除をおこなえます。 前述した直視下手術に比べて皮膚の切開範囲が狭いため、手術中の視野も比例して狭くなり、中には手術に時間がかかるケースもあります。 しかしその分、直視下手術の手術痕よりも傷跡が目立ちにくいメリットもあります。 また、関節鏡下手術も直視下手術同様、術後数日間の入院が必要となるケースが大半です。

超音波ガイド下経皮的手術

超音波ガイド下経皮的手術は、患部をエコーで確認して手術をおこなう方法です。 一番のメリットは、皮膚の切開範囲が最も少ないことです。 解像度の高い超音波エコー検査機器の採用により、広範囲の切開をおこなわずとも視野の確保が可能になりました。 そのため、編成組織の破壊と吸引をおこなう超音波吸引装置を挿入するための僅かな切開のみで、手術がおこなえます。 国内では2021年に医療機器の認可がおこなわれたため、ゴルフ肘に対する最新の手術方法であるともいえます(参照元:TENEX®超音波治療)。 また、超音波ガイド下経皮的手術は、入院の必要がなく、日帰り手術も可能であることも魅力の一つです。 手術時間も約30分と短く、局所麻酔のみでおこなえるため、他の手術方法と比較して体への負担を減らせるメリットもあります。

ゴルフ肘の手術以外の治療法

ゴルフ肘にはさまざまな治療法が存在するため、触診や診察を経て、一人一人の症状にあわせた治療が進められます。 ゴルフ肘の一般的な治療方法は、次のような保存的治療です。
  • 安静・薬物療法
  • リハビリテーション
  • 再生医療
  • 体外衝撃波治療
とくに、安静に過ごすことが重要であり、炎症を悪化させずに軽減すしながら他の治療を並行しておこないます。 次ではそれぞれの治療法について詳しく解説します。

安静・薬物療法

ゴルフ肘の治療をはじめる際には、まず安静療法や薬物療法が実施される場合が大半です。 まずは手や腕を使用する運動や仕事を控えて、ゴルフ肘の症状が改善するかどうか安静療法にて経過を観察します。 また、湿布や鎮痛剤などを使用した薬物療法が並行して実施される場合もあります。 肘の痛みや炎症が強い場合には、注射によるステロイド剤の投与をおこなうケースもあります。 ただし、ステロイド注射を頻回におこなうと、かえって組織が脆くなる可能性があるため注意が必要です。

リハビリテーション

ゴルフ肘を発症した場合、医師や理学療法士の指示に従い、リハビリテーションをおこなう場合もあります。 リハビリテーションは運動療法とも呼ばれており、腕の筋肉の緊張を緩和するストレットや、関節を安定させる筋力トレーニングで、関節の拘縮を改善、予防します。 しかし、すぐに効果を得ることは難しいため、長期的なリハビリテーションが必要になるケースが大半です。 また、リハビリテーションと並行して、日常生活の運動指導がおこなわれる場合もあります。 日常生活の運動指導では、日常動作で注意したほうがよいことや、自宅でできるストレッチやトレーニングなどを提案してもらえます。

再生療法

再生医療とは、身体が持つ自己治癒力を引き出し、損傷した組織を修復する治療法です。 ほかの保存的治療では改善が見られない痛みでも、原因となる炎症を抑制し、長期的な軽減が期待できます。 再生医療にはさまざま治療法がありますが、ゴルフ肘ではPRP療法が代表的です。 PRP療法は、自己多血小板血漿注入療法とも呼ばれており、自身の血液中に含まれる血漿と血小板を抽出し、PRPと呼ばれる多血小板血漿を作成して患部への注射をおこないます。 組織の修復をサポートする血漿と、止血作用を有している血小板の働きをうまく活用した治療法であるため、組織の修復を促し、痛みや炎症の改善に期待が持てます。 また、自身の血液を使用するため、拒絶反応やアレルギー反応などのリスクを低減できるメリットもあります。

体外衝撃波治療

体外衝撃波治療は、専用機器を用いて患部に衝撃波を与える治療法です。 まず、ゴルフ肘を発症している内側上顆、筋肉の付着部などに衝撃波を与えて、故意的な炎症反応を生じさせます。 炎症反応により、痛みがある部位周辺の代謝活性を増加させ、新しい血管の形成を促進し、損傷組織の再生を促すメカニズムです。 体外衝撃波治療は、ゴルフ肘をはじめ、各種スポーツによる足や肘の痛み、慢性的な肩こりや五十肩の改善などにも効果が期待されている治療法です。

ゴルフ肘の診断方法

ゴルフ肘が疑われる場合、医療機関ではさまざまな方法で診断がおこなわれています。 ここでは、ゴルフ肘の主な診断方法を3つ紹介します。

圧痛

圧痛は、肘の内側の骨付近を押さえた際の痛みの有無を調べ、ゴルフ肘を診断する方法です。 ゴルフ肘の場合、肘を伸ばした状態で、肘の内側に存在する内側上顆を押さえると痛みを生じます。 また、肘を軽く曲げた状態で、肘の外側に存在する上腕骨外側上顆と呼ばれる骨を押さえたときにも、痛みが認められます。

Thomsenテスト

Thomsen(トムセン)テストは、手指に特定の負荷を与えた状態における痛みの有無を調べる診断方法です。 まず肘をまっすぐに伸ばし、かつ手首を上に反らせた状態で、医師が手首に逆向きの力を加えます。 また、肘から指先までをまっすぐに伸ばした状態で、医師が中指を上下に動かします。 いずれの方法も、医師が手首や指先に力を加えて痛みを感じる場合、ゴルフ肘の可能性が高いと考えられます。

手関節屈曲テスト

手関節屈曲テストは、手首に力を入れた際の痛みの有無を調べてゴルフ肘を診断する方法です。 肘をまっすぐに伸ばした状態で、手のひら側に手首を曲げるように力を加えます。 手首を手のひら側に曲げて力を入れた際に、肘の内側に痛みが走る場合、ゴルフ肘の可能性が疑われます。

ゴルフ肘を治療するならシン・整形外科がおすすめ

ゴルフ肘治療のクリニックを探している方には、再生医療が受けられるシン・整形外科がおすすめです。 シン・整形外科には、次のような特徴があります。
  • 再生医療によるリスクの少ない治療
  • オーダーメイドのリハビリテーション
  • 治療保証制度あり
それぞれの特徴を解説するため、ゴルフ肘を早く治療したい方はぜひ検討してみてください。

再生医療によるリスクの少ない治療

シン・整形外科では、再生医療を中心とした関節の痛み治療を専門に扱っています。 ゴルフ肘が重症化すると手術が必要になるケースもありますが、再生医療であれば体への負担を抑えつつ痛みの根本的な治療が可能です。 さまざまな再生医療のなかでも、シン・整形外科はより高い効果が期待できる次の治療法を採用しています。
種類 特徴
幹細胞培養治療 自身の皮下脂肪から採取した幹細胞を培養し、患部に注入する治療法
PRP-PRO治療 自身の血液を厚労省が認可した専門施設で調製し患部に注入する治療法
PRP-FD治療 自身の血液から血小板を抽出し濃縮、フリーズドライなどの加工を施し注入する治療法
とくに、PRP-PRO治療やPRP-FD治療は通常のPRP治療よりも多くの成長因子を含んでおり、効率的な改善が見込めます。 いずれも日帰りで受けられるうえ、副作用や拒絶反応などのリスクも低いため、保存療法では改善できなかったゴルフ肘を日帰りで手軽に治療したい方におすすめです。

オーダーメイドのリハビリテーション

シン・整形外科では、経験豊富な理学療法士によるオーダーメイドのリハビリテーションが受けられます。 ゴルフ肘を改善するためには、損傷や痛みに対する治療のみでなく、筋力強化や柔軟性を回復するリハビリテーションも必要です。 そこで、患者一人一人の症状にあわせたオーダーメイドのリハビリテーションを月4回の頻度で継続することで、再生医療による治療の効率化が図れます。 また、自宅でおこなう運動の指導やアドバイスも受けられるため、痛みが永続的に発生しない体づくりも期待できます。

治療保証制度あり

シン・整形外科は、万が一に備えた次の治療保証制度を設けています。
保証制度 保証内容
再治療保証 幹細胞培養治療を2回以上、リハビリスタンダードコースを6ヶ月以上継続した方で、十分な効果が現れなかった場合に無料で1回分の再治療を受けられる ※保証期間:最初の治療から1年
リスク保証 再生医療の施術により健康被害を被った場合に、再生医療サポート保険を利用できる
どのような治療でも効果が現れる回数には個人差がありますが、再治療保証があれば費用の負担を軽減しつつ再生医療に取り組めます。 また、リスクの少ないといわれる再生医療も副作用が現れる可能性はゼロではないため、リスク保証があれば安心して治療を受けられるでしょう。 ゴルフ肘の治療に不安を感じている方は、ぜひ一度シン・整形外科を受診してみてください。

まとめ

今回紹介したように、普段の生活やスポーツ中に感じる肘の痛みや違和感の原因が、ゴルフ肘の症状である可能性もあります。 ゴルフ肘はゴルフをおこなう方にのみ生じるものではなく、指や手首を多用する他のスポーツや仕事に従事する方も発症するリスクの高い病気です。 ゴルフ肘になると、痛みや肘の張りをはじめ、手指の脱力感やしびれなどが症状として現れる場合があります。 ゴルフ肘の治療には、まずは手術以外の保存療法が適用されることが一般的です。 しかし、保存療法による効果が認められない場合や、症状が長引く場合には、手術を検討する必要性が出てきます。 一人一人の症状にあわせ、直視下手術や関節鏡下手術、超音波ガイド下経皮的手術が主に実施されています。 手術はゴルフ肘の治療における最終手段でもあるため、症状が軽度の場合には、まずは安静療法や薬物療法などをはじめとした保存療法で改善に向けた治療をおこないましょう。 ゴルフ肘が疑われる症状がある場合、医療機関では圧痛テストやThomsenテスト、手関節屈曲テストなどによる診断がおこなわれています。 ゴルフ肘の症状が続く場合は、クリニックで診断を受けた後に、適切な治療を受けることをおすすめします。 自己判断で放置したり誤った処置をおこなったりすると症状の悪化を招くリスクもあるため、まずは専門医による診断を受けてみてください。
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