再生医療として注目されているPRP療法は、自身の血液を用いてダメージを受けた組織の修復を促す治療法です。美容医療や歯科、整形外科など幅広い分野で活用されており、膝関節の治療にも活用されています。
しかし、PRP療法以外にも再生医療は複数存在するため、よいところのみでなく、デメリットも考慮したうえで検討が必要です。
そこで本記事では、PRP療法のデメリット・メリットや、治療の流れについて解説します。他の再生医療についてもあわせて解説するので、とくに膝の痛みで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
PRP療法とは?

PRP療法は、
自身の血液中に含まれる血小板を利用した再生医療です。血小板には、細胞の成長を促す成長因子が含まれています。
PRP療法では、血液から血小板を高濃度に抽出したPRPを患部に注入することで、自然治癒力を高め損傷部の自己再生を促すことが可能です。
PRP療法によって期待できる効果

PRP療法の効果は応用分野によって異なりますが、整形外科の分野では次のような効果が期待できます。
- 変形性膝関節症の痛み改善
- スポーツ外傷・障害の治療
それぞれの効果について詳しく解説していきます。
変形性膝関節症の痛み改善
PRP療法は、変形性膝関節症の痛みを改善する効果が期待できます。変形性膝関節症は、関節の軟骨がすり減ってしまい、骨同士が直接接触するために痛みが発生する疾患です。
50歳の男女に多くみられる疾患で、女性の場合60歳代で約40%、70歳代で約70%の方が発症するといわれています。症状が進行すると痛みで生活に支障をきたしますが、手術は年齢を重ねるほど体への負担が大きくなります。
PRP療法は、患者の自己血液から抽出したPRP(多血小板血漿)を患部に注入するのみで負担が少ないためご年配の方でも受けやすい治療です。
これにより、
膝関節の炎症を抑制し、新しい組織の形成が促進されるため、少しずつ痛みが緩和されます。
スポーツ外傷・障害の治療
PRP療法は、スポーツ外傷や障害の治療にも活用されます。
具体的には、次のようなスポーツ外傷に効果が期待できます。
- アキレス腱炎
- 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
- 腱鞘炎
- 膝蓋靭帯炎
- 肉離れ
- 足底腱膜炎
- 靭帯損傷