腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板とは?
腰椎は5つの骨「椎骨」から構成され、椎骨と椎骨の間に「椎間板」が挟まっています。 椎間板の中心部にはゲル状の「髄核」、その周りには強固な軟骨「線維輪」があり、二重構造で脊柱を支えています。椎間板はクッション機能のような、衝撃を和らげる働きを果たしています。
腰椎椎間板ヘルニアとは?
椎間板が変性し断裂したり、椎間板の中心部にある、髄核や線維輪の一部が出てきて神経を圧迫して、痛みや痺れ、運動障害などを引き起こす疾患です。
腰椎椎間板ヘルニア
の症状は?
腰やお尻に痛みが出たり、下肢に痛みや痺れが放散したり、足の力が入りにくくなったりします。また、背骨が横に曲がる「疼痛性側弯」や、日常生活では、重い物を持ったりすると痛みが強くなったりします。
腰椎椎間板ヘルニア
の原因は?
加齢により、椎間板が弾力性を失い傷付きやすくなったり、中腰や悪い姿勢での動作や作業で、椎間板の消耗を早め、変性を促進することが原因となります。 また、タバコに含まれるニコチンにより、椎間板に栄養が届きにくくなるため、喫煙者の方はリスクが高まることが報告されています。
腰椎椎間板ヘルニア
の検査・診断
膝を伸ばしたまま下肢を挙上し、坐骨神経痛の出現をみる「下肢伸展挙上試験」や、下肢の感覚の鈍さ、足の力が弱くなっていないかなどで診断します。さらに、X線やMRIなどで検査を行い診断を確定します。
(画像引用)日本整形外科学会|腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニア
の治療法は?
薬物療法
湿布や消炎鎮痛剤、神経の血流改善のための内服薬、筋肉の緊張を和らげることで痛みの緩和に繋がる筋弛緩剤、末梢神経の痺れの改善に繋がるビタミンB剤などを使用します。
装具療法
腰椎コルセットを装着すると、姿勢が安定し痛みが減ることが期待されます。長時間の装着はインナーマッスルが低下してしまう原因となるため、注意が必要です。
神経ブロック注射
薬物療法だけでは症状の緩和が不十分な場合に、神経ブロック注射で神経の周りの痛みや炎症を抑えることがあります。
リハビリテーション
徒手療法、運動療法、牽引療法、物理療法などを組み合わせて、痛みの緩和、血流改善、関節可動域の拡大、運動機能の維持・拡大などを図ります。 また、下半身を中心に、姿勢・動作の改善、腹筋・背筋などの筋肉を鍛えたり、腰への負担の軽減を図ります。
手術療法
保存療法で改善が見込めず、下肢の脱力や排尿障害がある場合には、手術が適応となることがあります。