膝の靭帯損傷は自然治癒できる?治療法や予防策についても解説

2025.09.13

膝の靭帯損傷について調べると「放置しても自然治癒する」「治すには治療が必要」など、さまざまな情報が出ています。 医師により意見が異なるため、結局のところ膝の靭帯損傷は自然に治るのか気になる方も多いでしょう。 膝の靭帯損傷に悩まされている方であれば、自然治癒の可能性について知ることも大切です。 本記事では膝の靭帯損傷は自然治癒するのか、あわせて治療法や予防策についても解説します。 膝の靭帯損傷について不安を抱いている方、治療法や予防策を知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

【結論】膝の靱帯損傷は自然治癒が可能!

膝の靱帯損傷はギプスやサポーターで固定すれば、自然治癒する場合が大半です。 しかし靭帯が切れていたり、損傷が2~3回以上に及んでいたりする場合は、再建手術が必要となり自然治癒は望めません。 また膝の靱帯と一括りにしても、膝関節は主に4つの靭帯で支えられています。
  • 内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい):内側にかかる動きを止める役割
  • 外側側副靭帯(がいそくそくふくじんたい):外側にかかる動きを止める役割
  • 前十字靭帯(ぜんじゅうじじんたい):中央で前後の動きをコントロールする役割
  • 後十字靭帯(こうじゅうじじんたい):中央で前後の動きをコントロールする役割
とくに、前十字靭帯は関節内にあることから、血流が乏しく自然治癒しにくいことが特徴です。 血管が乏しいと修復に必要な栄養素が運ばれにくく、自然治癒する可能性は低くなります。 後十字靭帯も関節内にある靭帯ですが、前十字靭帯と比べて靭帯が太く、血流のよい後方に位置するため自然治癒が可能です。 損傷箇所が前十字靭帯と後十字靭帯のように複数の場合、手術が必要となるケースも珍しくありません。 損傷した靭帯の種類や組み合わせにより、自然治癒が可能であるかは異なります

膝の靱帯損傷の主な原因

膝の靱帯損傷は、さまざまな原因により引き起こされます。主な原因として考えられるのは、次の4つです。
  • スポーツによる外傷
  • 急な方向転換や急停止
  • 交通事故
  • 激しい衝撃
膝の靱帯損傷はスポーツ時のみならず、日常生活のさまざまな動作で発生する可能性があります。 ここからは、それぞれの原因について詳しく解説します。

スポーツによる外傷

膝の靱帯損傷のなかでも、とくに多い原因はスポーツによる外傷です。 たとえば、ラグビーや柔道、サッカー、バスケットボールなど、相手との接触が発生するスポーツで多くみられます。 スポーツ中はジャンプや切り替えしなどの動作も多くなるため、膝に過度な負担がかかりやすい点に注意が必要です。 またスポーツ外傷による膝の靭帯損傷は、中央で前後の動きをコントロールしている前十字靭帯を痛めている場合が多い傾向にあります。 前十字靭帯は保存療法での改善が難しいことから、競技復帰を目指す場合は9割以上の確率で手術が必要となります。

急な方向転換・急停止

急な方向転換や急停止は、膝の靱帯を損傷する原因となります。 走行している状態から急に停止したり、方向を変えたりした結果、膝に大きな捻りが生じることが原因です。 また方向転換や急停止などの動作は、転倒する可能性も高くなることから、高齢者の方はとくに注意が必要です。 急な方向転換や急停止はスポーツ時に限らず、日常生活でもおこなう可能性があるため注意しましょう。

交通事故

膝の靱帯損傷はスポーツ外傷が原因となることが多いものの、交通事故でも起こります。 自転車やバイクの運転中、歩行中などに起きた交通事故の被害で多いのは足の怪我です。 足の怪我のなかでも膝の靭帯損傷はとくに多く、最悪の場合は歩行困難になる、後遺症が残るなどのケースもあります。 交通事故による靭帯損傷は重症になる可能性が高いため、手術が必要となる可能性も考えられます。

激しい衝撃

膝の靱帯損傷は、激しい衝撃でも発生します。たとえば、大きく転倒して膝から地面に落ちたときや、何らかの拍子で強打したときなどです。 とくに、膝から地面に落ちたときの衝撃は後方に力が加わることから、後十字靭帯を損傷しやすいとされています。 膝の靭帯は捻りや負荷のみならず、強い衝撃でも損傷するため、日常生活のさまざまなシーンで注意しましょう。 また衝撃が強い場合、複数の靭帯が同時に損傷するケースも珍しくありません。複数の靭帯が同時に損傷すると、手術が必要となる可能性が高くなります。

膝の靱帯損傷の症状

膝の靱帯損傷で現れる症状は、痛みのみではありません。 損傷の度合いや靭帯の種類、組み合わせなどにより、腫れ(関節内血腫)、可動域制限、不安定感などの症状も現れます。 いずれの症状でも、放置すると半月板損傷や軟骨損傷などのリスクが高まるため、心当たりがある方は早めにクリニックを受診しましょう。

膝に痛みが出る

膝の靱帯損傷の代表的な症状として、痛みが挙げられます。 とくに階段の上り下りや正座など、膝を曲げる動作で痛みは顕著に現れます。 しかし、痛みは損傷後3週間程度の急性期にみられる場合が多く、時間の経過とともに落ち着く場合が大半です。 軽度の損傷であれば一時的な痛みで済むものの、靭帯が完全に断裂した状態であれば激しい痛みを伴うでしょう。 動くたびに激しい痛みが伴うことから、歩行困難となるケースも少なくありません。

屈伸状態でぐらつく

急性期を越えて痛みが落ち着いたあとは、不安定感が現れる場合もあります。 膝の不安定感は、靭帯のなかでも前十字靭帯や外側側副靭帯が損傷した場合に生じやすい点が特徴です。 前十字靭帯や外側側副靭帯は、前後左右のぐらつきを抑える役割があるため、どちらかが損傷すると必然的に膝は不安定になります。 とくに屈伸状態のときや、素早く方向転換するときなどに膝の不安定感は顕著に現れるでしょう。

膝をうまく動かせない

膝の靱帯損傷の初期には、膝をうまく動かせなくなる場合があります。 膝の動かしにくさは2~4週間程度で落ち着きますが、症状が出ている間は日常生活で不便を感じることが多くなるでしょう。 損傷部位によるものの、膝の動かしにくさのあとは不安定感や歩行障害などが起きやすくなります。 症状を放置すると慢性化する可能性があるため、膝をうまく動かせないと感じた場合は、できる限り早く治療を受けることが大切です。

関節内血腫

膝の靱帯損傷の初期症状として、痛みや動かしにくさのほかに関節内血腫も挙げられます。 膝の靱帯損傷における関節内血腫とは、膝関節内に血がたまり腫れた状態のことです。 関節内血腫を放置すると、血腫が体内に吸収されるまで激しい痛みが続くため、日常生活に支障をきたします。 また、関節内血腫は靱帯損傷を治療せず放置したあとに生じるケースもありますが、多くの場合は初期の段階で現れます。

膝の靱帯損傷の診断方法

膝の靱帯損傷の診断方法は、大きく分けて徒手検査と画像検査の2つです。 医師による徒手検査で痛みや腫れの有無、動く範囲などを確認し、画像検査でより精度の高い診断をおこないます。 ここからは、それぞれの診断方法について詳しく解説します。

徒手テスト

膝の靱帯損傷を診断する際は、まず医師による徒手テストがおこなわれます。 徒手テストとは、患部を動かしたり伸ばしたりした際の反応をチェックし、病態を把握する検査のことです。 膝の靱帯損傷に対する徒手テストでは、膝関節の不安定性や靭帯が正常に機能しているかなどを確認します。 しかし、徒手テストは痛みや腫れなどにより十分な評価ができない場合もあるため、加えてMRI検査や放射線検査などの画像検査も必要となります。

MRI検査

MRI検査は、膝の靱帯損傷の診断に用いられる検査です。 損傷している靭帯の特定が可能であり、徒手テストよりも高度な診断ができます。 靭帯の損傷具合も把握できるため、今後の治療方針を決定する際に役立つでしょう。 またMRI検査は、靭帯のみならず半月板や軟骨、骨などの組織も同時に評価できることが特徴です。 ほかの組織にも損傷があるか確認できる点は、大きなメリットといえます。

放射線検査

放射線検査はレントゲン検査とも呼ばれており、主に靭帯の不安定性の重症度を判定する際に用いられる検査です。 また、放射線検査は骨の状態も評価できることから、剝離骨折の有無を確認する際におこなわれる場合もあります。 しかし、放射線検査で靭帯は映らないため、MRI検査と併用する場合が大半です。

膝の靱帯損傷の治療法

膝の靱帯損傷の治療法は、大きく分けて保存療法と手術療法の2つです。 保存療法を勧められる場合が多いものの、損傷部位や症状の度合いにより手術を検討する場合もあります。 膝の靱帯損傷の治療にはどのような選択肢があるのかを知り、視野を広げましょう。

保存療法

保存療法は損傷が軽度であり、日常生活に大きな支障がない場合に用いられる治療法です。 サポーターを装着して靭帯を固定したり、可動域訓練を実施したりして様子をみます。 痛みが強い場合は、痛み止めを内服する場合もあります。 保存療法による治療期間は症状により異なるものの、3〜5か月程度が目安です。

装具療法

装具療法は、保存療法のなかでも用いられることの多い治療法です。 装具療法ではサポーターやテーピングなどの装具を装着し、不安定な膝を固定します。 膝の動きを安定化させて可動域を制限するため、靭帯にかかる負担を軽減できる点もメリットです。 また、装具で靭帯を固定しながら可動域訓練をおこなう場合もあります。

リハビリ

リハビリテーションでは、膝を支えている筋肉を鍛えたり、可動域の制限を改善したりします。 リハビリテーションの際は、装具で靭帯を固定しながらおこなわれる場合が大半です。 筋力や可動域の改善をおこなうことで、日常生活やスポーツ活動の早期復帰が望めるでしょう。 しかし、リハビリテーションは靭帯に負担がかかるため、痛みや内出血がある場合には実施しません。

手術療法

保存療法での治癒が望めない場合は、手術療法を検討します。 とくに前十字靭帯や後十字靭帯を損傷している場合、競技復帰を目指すのであれば9割以上の確率で手術が必要です。 前十字靭帯や後十字靭帯の損傷に対する手術には、主に靭帯再建術が用いられます。 靭帯再建術は自身の腱を用いて新たな靭帯を作り出す手術のことであり、術後の競技復帰は半年~1年程度が目安です。 一方、内側側副靱帯や外側側副靭帯の損傷に対して手術がおこなわれることは基本的にありません。 しかし、ほかの靭帯と同時に損傷している場合は、靭帯を縫い合わせる手術がおこなわれます。

膝の靱帯損傷を防ぐ予防策

膝の靱帯損傷はスポーツ外傷や交通事故が主な原因となるため、予防できないものだと認識している方も多いのではないでしょうか。 しかし日々の努力次第では、トレーニングやストレッチなどで膝の靱帯損傷を防ぐことも可能です。 これから紹介する予防策を実践し、膝の靱帯損傷を事前に防ぎましょう。

運動する前に準備運動をおこなう

スポーツをおこなう際は、事前に準備運動をするよう心がけましょう。 準備運動は筋肉の柔軟性を高められるため、靭帯損傷をはじめとする怪我のリスクを減らせます。 さらに、準備運動は膝関節にかかる負荷を軽減できる点もメリットです。 また準備運動をおこなう際は、下半身のみならず上半身も意識しましょう。 上半身から下半身まで満遍なく動かすことにより、靭帯損傷以外の怪我の予防にもつながります。 十分な準備運動をおこない、スポーツを全力で楽しみましょう。

膝・ハムストリングを鍛える

靭帯損傷の予防には、大腿四頭筋やハムストリングスなどの膝を支える筋肉を鍛えることも大切です。 大腿四頭筋は太ももの前にある筋肉で、主に膝関節を伸ばす役割があります。 一方でハムストリングスは太ももの裏にあり、膝を曲げる動作で使用する筋肉です。 大腿四頭筋とハムストリングスは、どちらも膝関節を支える重要な筋肉のため、鍛えることで膝の動きを安定させられます。 下半身のトレーニングにより膝関節の安定感を高めて、怪我をしにくい体づくりをおこないましょう。

ストレッチをおこなう

日常生活にストレッチを取り入れることも、靭帯損傷を予防する手段の一つです。 ストレッチは筋肉の柔軟性を高めたり、膝関節の可動域を広げたりする効果があるため、怪我をしにくい状態が作れます。 ストレッチを毎日おこなえば、体の柔軟性を維持できるでしょう。 とくに、運動をおこなう日はストレッチを積極的に取り入れてみてください。

膝の靭帯損傷の治療はシン・整形外科がおすすめ

膝の靭帯損傷を治療するなら、関節の痛み治療に特化したシン・整形外科がおすすめです。 シン・整形外科には、次のような特徴があります。
  • 再生医療を専門に扱うクリニック
  • 痛みを再発させいないリハビリ
  • 安心の保証制度を用意
それぞれの特徴について詳しく解説するため、膝の靭帯損傷を根本的に治療したい方はぜひ検討してみてください。

再生医療を専門に扱うクリニック

シン・整形外科では、再生医療を用いて関節の痛みを治療します。 再生医療とは、人体に備わる自己再生能力を活かし、損傷した組織を修復する治療法です。 手術に代わる新たな治療法として注目されており、自身から採取した細胞や血液を加工し患部に注入するのみで損傷の改善が期待できます。 手術不要で日帰り治療が可能なため体への負担が少なく、自身の細胞や血液を使用することで感染症、副作用などのリスクも抑えられます。 とくに、仕事を休めない方や、体力があまりない方も受けやすいでしょう。 シン・整形外科が扱う再生医療は3つあり、整形外科の専門医が丁寧な検査と診察で症状にあった治療法の提案が可能です。

痛みを再発させいないリハビリ

シン・整形外科では、再生医療の効果を最大化し、痛みを再発させないリハビリにも力を入れています。 靭帯損傷を繰り返さないためには、日常生活やスポーツなどで靭帯が損傷しやすい動作をしないように意識することも大切です。 シン・整形外科のリハビリは、経験豊富な理学療法士によるオーダーメイドのメニューを月4回の頻度で継続し、痛みの再発防止をサポートします。 また、自宅でおこなう運動の指導も受けられるため、治療が終了しても痛みがぶり返さない体づくりが可能です。

安心の保証制度を用意

シン・整形外科には、万が一に備えた次の保証制度が用意されています。
  • 再治療保証
  • リスク保証
再治療保証は、1回分の追加治療が無料で受けられる保証で、初回治療から1年間適用となります。 具体的には、2回以上の幹細胞培養治療と、6か月以上のリハビリスタンダードコースを受けても効果が得られなかった場合に利用できます。 効果が現れる回数には個人差がありますが、上記の保証があれば費用に不安がある方も検討しやすいでしょう。 一方、リスク保証は、再生医療による健康被害を受けた場合に、再生医療サポート保険を活用できます。 このように、シン・整形外科の保証は効果や副作用など、治療における不安点をサポートしているため、はじめて再生医療を受ける方にもおすすめです。

まとめ

損傷具合によるものの、膝の靭帯損傷は自然治癒が可能です。 しかし、靭帯が完全に切れている場合や、過去に損傷した経験がある場合は自然治癒が難しくなります。 自然治癒が困難な場合は、装具療法やリハビリテーションなどの保存療法を実施して改善を図ります。 また膝の靭帯損傷は一度治癒しても再発する可能性があるため、トレーニングやストレッチなどで防ぐことが大切です。 本記事で紹介した予防策を実践し、再発防止に取り組んでみてください。
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