ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)
ゴルフ愛好家によく多い、ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)とは?
ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)とは、手首を曲げたり、腕を内側に捻るなどの働きを持つ筋肉である「屈筋群」への過度な負担がかかると炎症や痛みを発症します。
ゴルフのスイングで負担がかかった場合に発生することから、ゴルフ肘とも呼ばれます。スポーツ以外に、日常生活や職業上での動作が原因となることも多くあります。放置していると痛みが慢性化して手術が適応となる場合もあるので、痛みを生じている場合は早めの治療やケアが重要です。
ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)
の痛みや症状は?
肘の内側の骨の突出部分を「上腕骨内側上顆」と呼び、その周りにある筋肉と腱が炎症を起こし発症します。 手首を捻る動作、肘を曲げる力が入った際に肘の内側に鋭い痛みを生じるのが特徴です。また肘を触ると熱感があったり、腫れなどが見られます。日常生活動作では、雑巾を絞る時や物を持ち上げるなどの動きで痛みを感じます。
ゴルフ肘(腕骨内側上顆炎)
の症状チェック
- 肘の内側を押すと痛みが出る
- 手首や腕を曲げたり捻ると痛い
- ゴルフスイング時に痛い
- 物を掴んで持ち上げると痛い
- 手を強く握ると痛い
上記に当てはまった方はゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)の可能性があるため、MRI検査で現在の肘の状態を確認することをおすすめいたします。
ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)
の原因は?
- 手首や肘に負担のかかる、デスクワークや重いものを運ぶ仕事
- 手首や肘を酷使するスポーツ(ゴルフ、テニス、など)
- 手首や肘に負担のかかる、家事動作(タオル・雑巾を絞る)
ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)
の検査・診断
手首を曲げる力を入れる時に肘の内側の痛みの出現をみる「手関節屈曲テスト」や、肘の内側に痛みや圧痛があるかの確認を行います。 また、X線検査で、腱の部分に石灰化した陰影があるかや、超音波検査・MRIで炎症や損傷の程度を調べることもあります。
ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)
の予防法
おすすめの予防方法
- 無理のない範囲での運動
- 正しい姿勢の習得
- 肘や手首のストレッチ
- 運動後の患部の冷却
- サポーターの装着
※サポーターの装着やストレッチ方法が間違っていたり、無理な運動をしてしまうと症状が悪化する原因になるので、医師や理学療法士に相談し、個別に適切な予防や治療を行う事が重要です。
ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)
の治療法は?
装具療法
テーピングや肘用ベルト(エルボーバンド)で固定し、患部への負担を軽減し炎症を抑えます。しかし、長時間装着すると、血流が悪くなったり、筋力が衰えてしまう可能性もあるので運動後や休憩中は外すことも必要です。
薬物療法
内服薬、ヒアルロン酸注射やステロイド注射を行います。また頻回に行うステロイド注射は、組織が脆くなったり、感染症を引き起こすリスクも高いため注意が必要です。
リハビリテーション
徒手療法や運動療法、物理療法を組み合わせて、痛みの緩和、血流改善、関節可動域の拡大、運動機能の維持・拡大などを図ります。また、正しい動作が行えるように、生活指導を行います。
体外衝撃波
圧力波を患部へ当てて、あえて組織を少し損傷させることで回復を促進し、動きの改善を図ります。治療後、一時的に腫れや炎症、痛みを生じる可能性がございます。痛みが出る場合は、患部へのアイシングをお勧め致します。