TFCC損傷(三角線維軟骨複合体)

TFCC損傷
(三角線維軟骨複合体)

TFCC損傷
(三角線維軟骨複合体損傷)
とは?

靭帯や線維軟骨の複合体に
炎症が起こる疾患です。

TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)は靭帯や腱、繊維軟骨などの軟部組織で構成されます。 小指側の手首の安定性や、手首に回旋する力が加わった際に、力を分散したり吸収する役割があります。
TFCC損傷とは、手関節への負担がかかり、炎症部に異常な血管が増えることで痛みが起きる疾患です。 難治性の損傷では、保存療法での改善が期待されず、手術が適応となる場合もあるので早期の治療やケアが重要です。

TFCC
TFCC損傷

TFCC損傷
(三角線維軟骨複合体損傷)
の症状は?

痛みや腫れ、可動域制限が出て手首が動かしにくくなります。

特に手首を捻る動作や、手首を小指側に曲げると、手首(小指側)に痛みが出現します。 進行すると、手首の腫れや安静時にも痛みが出たり、手首の可動域制限が出ることもあります。 日常生活では、物を持ち上げる時やドアノブを回す時、スマホ・パソコン操作で痛みを感じます。

TFCC損傷
(三角線維軟骨複合体損傷)
の症状チェック

  • 小指側の手首を押すと痛みがある
  • 手首を捻った際に痛みが出る
  • ドアノブを回す時に痛みが出る
  • パソコン操作で痛みが出る

上記に当てはまった方はTFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)の可能性があるため、整形外科などで現在の手首の状態を確認することをおすすめします。

TFCC損傷
(三角線維軟骨複合体損傷)
の原因は?

外傷や手関節への過剰な負担がかかることが原因とされています。
  • 手関節を酷使した時
  • 転んで手をついた際に強い衝撃が加わった時
  • スポーツや仕事で手関節への過剰な負担がかかった時
  • 加齢により変性し損傷が起きる
TFCC損傷

TFCC損傷
(三角線維軟骨複合体損傷)
の検査・診断

手首(小指側)の圧痛の有無や、MRI検査が有用です。また、X線検査では、尺骨突き上げ症候群(尺骨が橈骨よりも長いこと)の有無、尺骨茎状突起の剥離骨折などを確認します。

TFCC損傷
(三角線維軟骨複合体損傷)
の予防法

有効とされているのが、ストレッチやテーピング・サポーターを使用することです。
  • テーピングやサポーターで手首を固定する
  • 手首が固くならないようにストレッチを行う

※ サポーターの装着やストレッチ方法が間違っていたり、無理な運動をしてしまうと症状が悪化する原因になるので、医師や理学療法士に相談し、個別に適切な予防や治療を行う事が重要です。

TFCC損傷
(三角線維軟骨複合体損傷)
治療法は?

保存的治療によって症状の改善が難しく、重症化すると手術適応となる場合があります。

装具療法

テーピングや手首用のサポーターで固定し、患部への負担を軽減し炎症を抑えます。しかし、長時間装着すると、血流が悪くなったり、筋力が衰えてしまう可能性もあるので運動後や休憩中は外すことも必要です。

薬物療法

内服薬やステロイド注射を行います。また頻回に行うステロイド注射は、組織が脆くなったり、感染症を引き起こすリスクも高いため注意して使用していきます。

リハビリテーション

徒手療法や運動療法、物理療法を組み合わせて、痛みの緩和、血流改善、関節可動域の拡大、運動機能の維持・拡大などを図ります。また、正しい動作が行えるように、生活指導を行います。

手術療法

保存療法では改善しない強い痛みや、画像所見でTFCC損傷の剥離を認めると、手術適応となる場合があります。 主に関節鏡を使用して断裂部を縫合する手術が行われます。変性が強い場合には、尺骨短縮術という、 金属プレートやボルトでの固定が必要な手術が適応されることもあります。
この手術では、骨が癒合した後に再度、それらを取り出す手術が必要です。 手術後は2、3ヶ月のギプスや装具での固定、リハビリが必要となります。

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