
母指CM関節症
母指CM関節症とは?
母指CM関節は親指の付け根と手首の間にある関節です。また親指を曲げる、伸ばす、開く、閉じる、廻すなど幅広い動きのコントロールを行い、
物を掴む・握る動作を可能にしている関節です。
母指CM関節症は女性に多い疾患です。手や指の使い過ぎ、加齢に伴い関節を支持している靭帯が緩んだり、
関節の摩耗や骨同士がぶつかることで炎症を起こしたり、痛みや関節の変形を生じます。
進行すると関節が腫れたり、母指の変形や亜脱臼が起こります。また手術が適応となる場合もあるので、早期の治療やケアが重要です。

母指CM関節症の症状は?
変形が起こります。
初期では、握る、摘むといった動作で、親指の付け根付近に痛みを生じます。 中期では、親指の付け根が膨らんで親指が開きにくくなってしまいます。 さらに進行すると亜脱臼や、指先の関節が曲がり、付け根側の関節が反る「スワンネック変形(白鳥の首変形)」という関節の変形を起こします。
母指CM関節症の
症状チェック
- 親指の付け根を押すと痛みが出る
- ドアノブを回す際に痛みが出る
- ビンのフタを開ける際に痛みが出る
- ボタンをかける際に痛みが出る
- 親指の付け根が膨らんできた
- 親指が開きにくくなった
母指CM関節症の
原因は?
- 加齢により骨同士がぶつかりやすくなり、関節軟骨がすり減ることで炎症を起こす
- 妊娠中や産後、更年期では、腱や関節を柔軟に保つホルモンの低下で、関節の炎症を起こしやすくなる
- 親指・手首付近の怪我や骨折など過去の外傷によるもの
- 親指に強い負荷のかかるスポーツや仕事によるもの

母指CM関節症の
検査・診断
親指の付け根の圧痛や腫れ、親指を握ると強い痛みが出るかなどの症状を確認します。また、X線検査で、手首の親指側の腱鞘炎や、リウマチによる関節炎との判別を行います。
母指CM関節症の
予防法
- 大豆製品の摂取は、母指CM関節症の発症を予防するとされるホルモンに似た作用が含まれており有効とされています
- 関節を支える靭帯や筋肉のストレッチを行う
- 親指と他の指を合わせる「母指対立」のエクササイズを行う
※症状が悪化する前に正しい方法でストレッチやエクササイズを行い予防することが大切です。 また無理な運動をしてしまうと、症状が悪化する原因になるので、医師や理学療法士に相談し、個別に適切な予防や治療を行う事が重要です。
母指CM関節症の
治療法は?
装具療法
テーピングや手首用のサポーターで固定し、患部への負担を軽減し炎症を抑えます。しかし、長時間装着すると、血流が悪くなったり、筋力が衰えてしまう可能性もあるので運動後や休憩中は外すことも必要です。
薬物療法
内服薬やステロイド注射を行います。また頻回に行うステロイド注射は、組織が脆くなったり、感染症を引き起こすリスクも高いため注意が必要です。
リハビリテーション
徒手療法や運動療法、物理療法を組み合わせて、痛みの緩和、血流改善、関節可動域の拡大、運動機能の維持・拡大などを図ります。また、正しい動作が行えるように、生活指導を行います。