半月板損傷

半月板は膝関節の大腿骨と脛骨の間にある線維軟骨です。ひざの内側と外側にそれぞれあり、膝に加わる負荷を分散したり、衝撃を吸収するクッションのような役割があります。半月板損傷は、ひざに強い衝撃が加わることで、膝関節内にある半月板に亀裂が生じたり、欠けたりした状態です。若年者から高齢者まで発症し、慢性化すると変形性膝関節症を引き起こす可能性もあるため、適切な診断と治療が重要です。

半月板の構造

右膝を正面から見た場合

半月板を損傷すると痛みが生じ、膝を曲げ伸ばしした際の引っかかり感といった症状が出現します。重度の場合は、痛み以外に膝が動かなくなるロッキング現象という症状が現れる可能性があります。

半月板損傷症状のチェック

• ひざが熱を持ち、こわばりを感じる
• ひざが伸び切らない
• 歩く時に痛みが出る
• 正座することが辛い
• 階段の上り下り、膝の屈伸で音がする

上記に当てはまった方は半月板損傷の可能性があるため、MRI検査で、現在の膝の状態を確認することをおすすめします。

診察で半月板損傷の症状があれば、MRI検査を行います。MRIは非侵襲性の検査で半月板損傷の病態や合併する靭帯損傷の診断の確定にも有用です。

保存療法

安静、抗炎症薬などの薬物療法、リハビリなどを行います。保存療法で効果が得られない場合は、手術療法が検討されます。

手術療法

断裂部位の幅が1cm以上と大きい場合や保存療法で効果が得られない場合は、手術療法が検討されます。手術には、損傷した部分を切り取る切除術と、損傷した部分を縫い合わせる縫合術の2種類があります。
どちらの手術もリハビリが必須で、スポーツの復帰には半月板手術では 約3ヶ月、半月板縫合術では約6ヶ月程度とされています。

手術以外の新しい選択肢「再生医療」

保存療法では効果がないが、手術は避けたい。
そのような方は是非再生医療を検討してみてください。
自分自身の細胞を利用する再生医療では、損傷した部位の修復が期待できます。