診療内容 - 部位別疾患 - 頚椎（首） - 頚椎症 | 綱島の駅チカ整形外科ならシン・整形外科綱島【公式】

頚椎の構造

首の骨「頚椎」は、７つの骨「椎骨」から構成され、椎骨の後ろには、脳から繋がる神経である「脊髄」が通る「脊柱管」があります。また、椎骨と椎骨の間にはクッション機能のような衝撃を吸収する「椎間板」が挟まっています。頚椎は、通常やや前方に緩やかにカーブしており、頭の重さを支える役割を果たしています。

頚椎に骨棘や椎間板の変性、靭帯の石灰化・骨化などが起こり、神経を圧迫することで引き起こされる疾患です。圧迫される神経によって「神経根症」か「脊髄症」に分類され、症状が変わります。

手足の痺れが出たり、手先を使う細かい動作が難しくなります。日常生活では、ボタンのつけ外し、箸の使用、書字動作などが不自由になります。また、歩行で足がもつれたり、階段の昇り降りに手すりが必要になったりします。重症化すると、下半身にまで影響を及ぼし、歩行障害や排尿障害が起こります。

加齢に伴う椎間板の膨隆・骨の棘の形成などの変化により、頚椎の脊柱管の中にある「脊髄」が圧迫されたり、刺激されることで症状が起こります。

（画像引用）日本整形外科学会｜頚椎症性神経根症

診察で、手足の痺れや四肢の反射の亢進などの所見があり、X線検査で頚椎症性の変化を認め、MRIで脊髄の圧迫を認めることで診断します。中年以降では、X線検査での頚椎症性の変化はほとんどの人に見られますので、検査所見だけで診断することはできません。

肩から腕にかけての痛みや痺れ、上肢の筋力低下や感覚障害が起こります。痛みは軽いものから、耐えられないような痛みを生じる場合もあります。首を後ろに反らせると、痛みが強まるのが特徴です。日常生活では上を見上げたり、うがいをすることが不自由になります。

（画像引用）日本整形外科学会｜頚椎症性神経根症

まずは、保存療法が第一選択となります。当院では症状の改善だけでなく、症状の悪化・再発防止のために、医師と理学療法士が連携し、患者様一人一人の症状に合わせて適切な治療を行います。

湿布、消炎鎮痛剤などで痛みや炎症の緩和を図ります。細かな作業が行いにくいなど、巧緻性運動障害がある場合には、ビタミンB剤を処方することもあります。

痛みが強い時期には、首の安静保持を心掛け、頚椎カラー（ネックカラー）による固定を行います。

頚椎症性神経根症で、薬物療法だけでは症状の緩和が不十分な場合に、神経ブロック注射で神経の周りの痛みや炎症を抑えます。

首に負担がかからない形で、徒手療法や運動療法、牽引療法や物理療法を組み合わせて、痛みの緩和、血流改善、関節可動域の拡大、運動機能の維持・拡大などを図ります。また、正しい姿勢・動作が行えるように、生活指導を行います。

保存療法で改善が見込めず、母指球の筋肉が痩せている、神経伝達速度が低下している場合には、手術が適応される場合があります。