骨粗鬆症外来について
当院で導入している
測定機器についてと
紹介します
骨粗鬆症とは
骨粗鬆症とは、骨の新陳代謝(骨吸収と骨形成)がうまくいかなくなることで、骨の密度や質が低下して骨が弱くなり、骨折をしやすくなる病気です。
日本では1000万人以上の骨粗鬆症患者がいると言われており、高齢化に伴ってその数は増加傾向にあります。65歳以上の方の3人に1人に骨粗鬆症患者がいると推定されていますが、治療を受けているのはおよそ20%に過ぎないと言われています。
骨粗鬆症という病気は、初期段階では自覚症状が少ないので、知らないうちに進行してしまい、実際に骨折を起こしてから発見されるケースも少なくありません。
正常な骨と骨粗鬆の骨
正常な骨
骨粗鬆症の骨
画像出典:NIH Consensus Statement17(1):1-45,March27-29 2000
骨粗鬆症になると、骨がスカスカでもろくなるため、
転倒やくしゃみなどで骨折を起こしてしまうリスクが上がります。
骨粗鬆症になると
骨折しやすい部位
◆ 背骨の骨折(脊椎椎体骨折)
何らかの衝撃を受けて背骨(脊椎)が潰れてしまい圧迫骨折を起こします。
激しい痛みが起こり、背中の変形や身長の低下、円背姿勢の原因となります。
◆ 手首の骨折(橈骨遠位端骨折)
主に転んだ際に手をついて骨折をすることが多く、骨粗鬆症による骨折の初発部位として多い骨折部位となっています。
◆ 腕の付け根の骨折(上腕骨近位部骨折)
転んで肩を直接打ったり、肘や手をついた時に骨折しやすく、複雑な変形を起こしやすい部位です。変形を残したままでは、肩関節の機能に大きな障害が残ることが多いです。
◆ 脚の付け根の骨折(大腿骨近位部骨折)
大腿骨近位部は、骨折すると人工股関節の手術をするケースも多く、歩行が困難になり要介護状態になるリスクが高くなる骨折部位です。
大腿骨近位部骨折の約85%は、転倒が直接の原因となっており骨粗鬆症の治療や転倒予防が重要です。
骨粗鬆症の主な原因
1加齢
年齢を重ねることで骨量が減少し、骨密度が低下していきます。
2女性ホルモンの低下
更年期に入ると、女性ホルモンの分泌が減少し、骨吸収が増加して骨密度が低下します。
3栄養不足
カルシウムやビタミンD、たんぱく質、マグネシウムなど栄養素不足によって、骨形成や骨強化が低下します。
4運動不足
運動不足より、骨の刺激が少なくなり、骨形成が減少します。
5喫煙
タバコに含まれるニコチンによって骨吸収が促進されます。
6遺伝的要因
家族に骨粗鬆症の人がいる場合、自分自身も発症するリスクが高くなる可能性があります。
当院の骨粗鬆症
検査について
最新の骨密度検査
DEXA法
当院では、最新のDEXA(デキサ)法のX線骨密度測定器を導入して骨密度検査を行っております。
DEXA(Dual-energy X-ray absorptiometry)法とは、微量な2種類のX線を照射して骨密度を測定する検査で、
従来の骨密度検査(超音波法・MD法・CT法など)と比べて測定精度が非常に高い方法とされています。
日本骨粗鬆学会ガイドラインや世界中の骨粗鬆症ガイドラインでも、基準測定器として推奨されている優れた検査方法です。
特に骨折するリスクの高い腰椎や大腿骨頸部が基本的な測定部位となります。
骨粗鬆症にて骨折しやすい腰の骨(腰椎)や股関節の骨(大腿骨)を直接測定し骨折のリスクを正確に評価することができます。 検査は、撮影台に横になるだけですので、痛みもなく短時間で終了します。
骨密度検査法の比較
当院で導入しているDEXA法は、従来の骨密度検査(超音波法・MD法など)と比べて非常に測定精度の高く、骨粗鬆症の精密検査や治療効果の経過観察、また骨折の危険性予測に有用です。
検査内容 | 当院検査法 DEXA法 |
超音波法 | MD法 |
---|---|---|---|
測定精度 | ◎ | △ | ○ |
骨粗鬆症の診断 | ◎ | △ | ○ |
治療効果の判定 | ◎ | △ | △ |
測定時間 | 10分〜15分程度 | 5分程度 | 5分程度 |
放射線被ばく量 | 少ない | 無し | 少ない |
主な検査部位 | 腰椎・大腿骨 | 踵・脛 | 手指 |
骨粗鬆症の予防と治療法
食事療法
運動療法
薬物療法
骨粗鬆症を予防・改善するためには、適切な栄養素を摂取し、運動習慣を身につけることが大切です。 カルシウムやビタミンDをはじめとする栄養素をバランス良く摂取することで、骨の健康維持に繋がります。 また、有酸素運動や筋力トレーニングなどの運動は、骨密度を改善するだけでなく、転倒や骨折の予防にも繋がります。 骨粗鬆症が進行しないためにも、定期的な医師の診察と適切な治療を受けることが重要です。に文言修正願います。