腱鞘炎は、指や手首の腱鞘が炎症をおこして、痛みや腫れが現れる疾患です。
初期段階であれば安静に過ごすことで改善が期待できますが、生活習慣や間違った治療法で繰り返し発症する場合もあります。そのため、痛みが生活の支障となり、どうすればよいか悩んでいる方も多いでしょう。
そこで本記事では、腱鞘炎の原因やチェック方法、治らないときの対策について解説します。簡単なセルフケアについてもあわせて紹介しているため、腱鞘に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
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腱鞘炎(けんしょうえん)とは?
腱鞘炎(けんしょうえん)とは、筋肉と骨をつなぐ「腱(けん)」と、その腱を包んで保護する「腱鞘(けんしょう)」に炎症が起こった状態を指します。腱は筋肉の力を骨に伝えるために動きますが、その際に腱鞘というトンネル状の組織の中を滑らかに動くようになっています。ところが、使いすぎや繰り返しの動作によって腱と腱鞘の間に摩擦が生じると、腫れや炎症が発生し、動かすたびに痛みや引っかかり感が出るのが腱鞘炎です。
特に手首や指に多く発症し、日常生活や仕事でのパソコン作業、スマートフォンの長時間使用、家事や育児などがきっかけになることが多いです。代表的なものに、親指側の手首に起こる「ドケルバン病」や、指を動かすとカクンと引っかかる「ばね指」があります。症状としては、動かしたときの痛み、押さえたときの圧痛、腫れ、動きの制限などがあり、悪化すると安静時にも痛みが続き、日常動作が困難になることがあります。
腱鞘炎は、発症の早い段階で安静や負担軽減を行えば回復しやすいですが、無理を続けると慢性化し、治療期間が長引くことがあります。

腱鞘炎の主な原因
腱鞘炎になる主な原因は、次のとおりです。
- スポーツ
- 長時間の手首の使用
- 女性ホルモンの変化
- 糖尿病や関節リウマチなどの病気
とくに、手首や指をよく使用するスポーツや仕事をしている方は、腱や腱鞘に炎症が起こるリスクがあります。
また、無意識にスマートフォンやパソコンの長時間使用が習慣化して、腱鞘炎を発症する方も増えています。自覚がある方は腱鞘炎を悪化させないためにも、定期的に休憩をとり、手首や指を休めるようにしましょう。
手に負担をかけていないのに痛みを感じる場合は、女性ホルモンの変化や糖尿病、関節リウマチなどの病気により腱鞘炎を発症している可能性があります。
そのため、更年期や妊娠中、他の持病がある方はかかりつけ医に相談してみるとよいでしょう。
腱鞘炎の種類と症状

腱鞘炎には、ドケルバン病とばね指の2種類があります。それぞれ炎症のある場所や症状が異なります。自身がどちらを発症しているかは、セルフケアや治療をするうえでも見分けておきたいポイントです。
それぞれの症状について詳しく解説するので、自身がどちらに当てはまるか確認してみてください。
ドケルバン病
ドケルバン病は、親指の付け根から手首にかけて走る2本の腱(短母指伸筋腱と長母指外転筋腱)が通る腱鞘に炎症が生じ、動かすたびに痛みや違和感を引き起こす病気です。腱と腱鞘の間の滑りが悪くなることで摩擦が増し、その結果、腫れや肥厚が進んで腱の通り道が狭くなるため、動作のたびに強い痛みが出ます。主な症状は、親指を動かしたときや手首をひねったときに親指側の手首に鋭い痛みが走ることです。特に物をつかんで持ち上げる動作や、ペットボトルの蓋を開ける、フライパンを持ち上げる、赤ちゃんを抱き上げるといった動作で悪化しやすくなります。炎症が進むと、患部が赤く腫れたり熱を持ったりし、安静時でもジンジンとした鈍い痛みを感じることがあります。さらに進行すると、痛みのために親指を広げたり反らせたりする動きが制限され、日常生活での作業に大きな支障をきたすこともあります。特に育児中の女性や、更年期前後の女性、手首を酷使する職業や趣味を持つ人に多く発症する傾向があります。
ばね指
ばね指は、指を曲げ伸ばしするための腱が通る腱鞘に炎症や肥厚が起こり、腱の動きがスムーズでなくなる病気です。正式名称は狭窄性腱鞘炎ですが、指の動きが「カクン」と引っかかり、伸ばすときにバネのように弾かれることから「ばね指」と呼ばれています。初期には指を動かしたときに軽い痛みや違和感を覚える程度ですが、炎症が進むと腱が腫れて太くなり、腱鞘との摩擦が増えて腱の通り道が狭くなります。その結果、指を曲げたままにすると伸ばすときに急に弾かれるような動きが出て、強い痛みを伴うことがあります。特に朝起きたときに症状が強く、日中は少し軽くなることもありますが、悪化すると1日中症状が持続します。重症になると指が完全に伸びなくなり、関節が固まってしまうこともあります。親指、中指、薬指に多く発症し、手をよく使う仕事や趣味を持つ人、糖尿病や関節リウマチなど基礎疾患を持つ人に多い傾向があります。さらに、ホルモンバランスの変化や加齢による腱の変性も発症に関与しており、特に産後や更年期の女性では発症リスクが高まります。

腱鞘炎のチェック方法

腱鞘炎を発症しているのかどうかは、セルフチェックで確認が可能です。
そこで次では、腱鞘炎のセルフチェック方法をドケルバン病とばね指に分けて解説します。その場で簡単にできる方法なため、まだクリニックを受診していない方はぜひ参考にしてみてください。
ドケルバン病のチェック方法
ドケルバン病のチェック方法は、次の2とおりです。
フィンケルシュタインテスト
- 親指が天井側になるように手を前に出し、親指を手のひら側に折る
- 手のひら側に折った親指を、反対の手で掴んで小指側に引っ張る
母指側の手首に痛みがある方はドケルバン病の可能性があります。
アイヒホッフテスト
- 親指が天井側になるように手を前に出し、親指を包むように手を握る
- そのまま小指の方へ手首を傾ける
親指側の手首に痛みがある場合は、ドケルバン病の可能性があります。
上記のチェック方法でドケルバン病の疑いがある方は、早めにクリニックを受診しましょう。
ばね指のチェック方法
ばね指のチェックは次のとおりです。
- 手のひら側の指の付け根を反対の手で軽く押す
- そのまま指を曲げたり伸ばしたりする
その際に、動かしづらさや、指が弾けるような解放感、痛みがある方はバネ指である可能性が高いといえます。
また、次のチェック項目に当てはまる方もばね指の疑いがあります。
- 指が曲がったまま戻らないことがある
- 指を曲げ伸しする際にカクカクする
- 指の付け根に痛みや腫れ、熱感がある
- 起床時に指のこわばりや動かしにくさがある
ばね指とドケルバン病を併発する場合もあるため、セルフチェックで引っかかった方は早めにクリニックを受診しましょう。
腱鞘炎解消に効果的なセルフケア

腱鞘炎は、初期段階であればセルフケアで解消できる場合があります。
そこで次では、腱鞘炎解消に効果的な次のセルフケアについて詳しく解説します。
- 安静
- ストレッチ
- ツボ押し
- テーピング・サポーター
- 市販薬
症状が軽く、まだクリニックを受診していない方は、セルフケアから初めてみるとよいでしょう。
安静
腱鞘炎の改善において、安静は治療の第一歩であり、炎症を悪化させないための基本です。腱や腱鞘は、繰り返しの動作や長時間の使用によって摩擦が増し、その結果として腫れや炎症が起こります。この状態のまま使い続けると、炎症がさらに悪化し、回復までの期間が長くなるだけでなく、慢性化してしまう恐れもあります。そのため、痛みや腫れが出たらまず患部をしっかり休ませることが大切です。家事や仕事、趣味などで手を使う時間をできるだけ減らし、必要に応じて作業を一時中断しましょう。パソコン作業ではキーボードやマウスの操作時間を短くし、スマートフォンは片手で長時間持たないよう意識します。また、患部を固定するために専用のサポーターや簡易的な包帯を使うと、動きが制限されて自然に安静を保ちやすくなります。炎症が強く熱感がある場合は、冷却パックや氷嚢をタオルで包み、1回10〜15分程度を1日数回行うと炎症や腫れを抑える効果が期待できます。
ストレッチ
腱鞘炎は安静だけでなく、炎症が落ち着いたあとの適切なストレッチも回復を促す重要な要素です。長期間安静にしすぎると、腱や腱鞘、周囲の筋肉が硬くなり、再び動かしたときに痛みが出やすくなるため、痛みが軽減してきたタイミングで徐々にストレッチを取り入れます。ドケルバン病では、親指を手のひらに入れて拳を作り、手首をゆっくり小指側に倒すストレッチ(フィンケルシュタイン動作)が代表的です。このとき痛みが強く出ない範囲で行うことが重要で、反動をつけたり勢いをつけたりするのは避けます。ばね指の場合は、指を1本ずつ優しく反らして伸ばす運動や、指の付け根からゆっくり曲げ伸ばしする屈伸運動が有効です。お風呂上がりや手を温めた後に行うと、筋肉や腱が柔らかくなり動かしやすくなります。ストレッチは1日数回、短時間でも継続することが大切で、無理をせず少しずつ可動域を広げるよう意識しましょう。
ツボ押し
ツボ押しは、腱鞘炎による痛みやこわばりの緩和に役立つ補助的な方法として知られています。手首や手の甲、前腕には血流を促進し、筋肉の緊張を和らげるツボがいくつもあります。代表的なものとして、手首のシワの親指側にある「陽谿(ようけい)」は手首や親指の疲れをほぐす効果が期待できます。また、手の甲側で親指と人差し指の骨が交わるくぼみにある「合谷(ごうこく)」は、手全体の血行促進や鎮痛作用があるとされます。ツボ押しは、親指や人差し指の腹でゆっくりと押し、5〜10秒程度キープしてからゆっくり離す方法を1回3〜5セット繰り返します。あくまで気持ちよいと感じる程度の圧で行い、強く押しすぎて痛みが出る場合はすぐに中止します。ツボ押しは単独での治療というより、ストレッチや温熱療法と併用することで効果が高まりやすいです。
テーピング・サポーター
テーピングやサポーターは、腱鞘炎の患部を適度に固定して余分な動きを制限し、炎症の悪化を防ぐために用いられます。テーピングは関節や腱の動きをある程度制御しながらも、日常生活に必要な可動域は確保できるのが特徴です。例えばドケルバン病では、親指の付け根と手首を安定させるように貼ることで、親指の広げすぎや手首の過剰な動きを防ぎます。ばね指では、指の付け根部分にリング状のテープを巻くことで、腱が腫れた部分の摩擦を減らせます。一方、サポーターは着脱が簡単で、長時間の装着や外出時にも便利です。いずれも正しい巻き方やサイズの選択が重要で、きつすぎると血行不良やしびれの原因になるため注意が必要です。また、テーピングやサポーターは常時着けっぱなしにするのではなく、手を使うときだけ着用するなど、メリハリをつけて使うと筋力低下を防げます。
市販薬
腱鞘炎による痛みや炎症が強い場合には、市販薬を活用して症状を和らげることが可能です。外用薬では、消炎鎮痛作用のある湿布、塗り薬、ジェルタイプの薬があり、患部に直接作用して炎症や痛みを抑えます。メントールやカプサイシンを配合したタイプは血行促進効果もあり、慢性的なこわばりや鈍痛の緩和に適しています。内服薬では、イブプロフェンやロキソプロフェンを含む非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)がよく用いられ、痛みと炎症を全身的に抑える効果があります。ただし、胃腸への負担や腎機能への影響など副作用のリスクがあるため、長期間の連用は避け、持病のある方や妊娠中の方は医師や薬剤師に相談してから使用します。市販薬はあくまで症状を一時的に緩和するものであり、使いながらも安静やストレッチ、患部の保護などの基本的なセルフケアを並行して行うことが重要です。

セルフケアで腱鞘炎が治らない場合は病院へ

ここまで腱鞘炎のセルフケアについて紹介しましたが、それでも症状がおさまらない方はクリニックの受診をおすすめします。
症状が進行している方や、どうしても手を使用しなくてはいけない方は、セルフケアのみでは改善できない場合があります。
そのため、セルフケアを続けても改善しない、痛みが強くなる方は早めに専門医に相談しましょう。次では、腱鞘炎の診療をおこなう科目や、検査・治療方法について詳しく解説します。
腱鞘炎の診察は整形外科か手外科へ
腱鞘炎の診察は、整形外科か手外科で受けましょう。手外科は、腱鞘炎や骨折、関節リウマチなど、手に関わるさまざまな疾患を専門的に治療している科目です。
専門的な治療を受けられるうえ、腱鞘炎以外の疾患が隠れている場合も適切な処置が可能です。そのため、クリニックを探す際は、手外科を優先的にチェックしてみるとよいでしょう。
腱鞘炎の検査と診断方法
腱鞘炎の診察は、はじめに問診と触診、視診をおこない、痛みや腫れ、症状がある部位を確認します。
また、セルフチェックでも紹介した、フィンケルシュタインテストをおこなうクリニックも少なくありません。その後、必要に応じてレントゲンやMRI、超音波検査などもおこない、最終的な診断をくだします。
腱鞘炎以外の疾患が隠れている可能性もあるため、専門的な検査をおこなうクリニックを選ぶとよいでしょう。
腱鞘炎の治療方法

腱鞘炎の治療方法は、安静と炎症を抑える外用薬、痛みを抑える内服薬の処方が一般的です。あわせてセルフケアにも取り組むことで、効率的に改善が期待できます。
ただし、症状が進行している方は、ステロイド注射や手術が必要になる場合もあります。2つの治療方法について詳しく解説するので、治療に関して不安がある方は事前にチェックしておきましょう。
ステロイド注射
ステロイド注射は、炎症を抑える作用のあるステロイドを腱鞘内にステロイドを注射する治療法です。治療後2〜3週間ほどで痛みが引いていき、3か月〜半年程度効果が続くと考えられます。
ステロイドによる治療は、ばね指で70〜80%、ドケルバン病で70〜90%の有効率があるという結果があります。手術に比べると体にかかる負担も抑えられるため、仕事や学校に通いながらの治療が可能です。
ただし、ステロイドは血糖値を上昇させる可能性があり、糖尿病患者は受けられません。
手術
腱鞘炎の手術は、重症度が高い方や、他の治療で改善がみられない方におこなわれます。また、何度も腱鞘炎を繰り返す患者にも適応となります。
具体的な手術の流れは次のとおりです。
- 局所麻酔をかける
- 皮膚を1cm程度切開する
- 腫れて厚くなった腱鞘を切り開く
- 腱がスムーズに動くことを確認し縫合する
手術は10〜20分程度で終了し、日帰りも可能です。また、切り口も小さく目立ちにくいため、傷が気になる女性も受けやすいでしょう。
手術直後から手を動かせ、少しずつ指や手首の動きがスムーズになり、生活も快適になります。
ただし、指の関節が伸びにくくなる、新たな痛みが出るなどのリスクや副作用もあるため、手術前にはデメリットに関しても確認しておきましょう。

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シン整形外科の腱鞘炎の治療は、以下の理由でおすすめです。
・専門的な知識と経験
・一連の症例への対応
・最新の医療技術の利用
・患者中心のアプローチ
・継続的なケアとフォローアップ
専門的な知識と経験
シン整形外科が腱鞘炎の治療におすすめな理由として、その専門的な知識と経験が挙げられます。整形外科は骨や関節の疾患に特化した分野であり、シン整形外科は関節の異常や障害に対する専門的なアプローチをしています。
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シン整形外科が腱鞘炎の治療におすすめされる理由として、様々な関節の症状や疾患に対応できることが挙げられます。関節炎、捻挫、骨折など、指にはさまざまな問題があり、その一連の症例に対して適切な治療を提供しています。
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シン整形外科は患者のニーズや状態に合わせた個別の治療計画を提供しています。関節の症状は個人差が大きいため、患者中心のアプローチが効果的な治療が求められます。
継続的なケアとフォローアップ
腱鞘炎の治療は手術後のリハビリテーションやフォローアップが重要です。シン整形外科は継続的なケアとフォローアップを提供しており、患者の回復をサポートしています。
まとめ

腱鞘炎は手首や指に、痛みを引き起こす厄介な病気ですが、初期段階であれば次のようなセルフケアで改善が期待できます。
- 安静
- ストレッチ
- ツボ押し
- テーピング・サポーター
- 市販薬
ただし、症状が進んでいる場合や生活習慣により、専門医のサポートが必要になるため、早めにクリニックを受診するのもおすすめです。
腱鞘炎の診療は、整形外科もしくは手外科で受けられるため、痛みが強い方や早く治したい方はぜひ相談してみてください。