手首の小指側の痛みは、TFCC損傷を発症している可能性があります。
しかし、手首が痛んでも「湿布で我慢すればよい」「クリニックに行くほどでもない」と考える方が多いのではないでしょうか。実は、TFCC損傷を自身でチェックする方法があります。
MRI検査の方が確実ですが、クリニックに行くハードルが高いと感じる方は、一度セルフチェックしてみるとよいでしょう。
本記事では、TFCC損傷の簡単なチェック方法を紹介します。原因や症状、治療法についてもあわせて解説するため、TFCC損傷の疑いがある方のみならず、すでに発症している方もぜひ参考にしてみてください。
TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)とは?
TFCC損傷とは、手首の小指側に痛みが出る病気です。TFCCは手首の小指側にある靭帯で、ハンモックのような構造をしており、クッションのように衝撃を和らげる働きがあります。
しかし、TFCCと繊維軟骨である複合体が何らかの原因で損傷すると、手首に痛みを感じるようになります。
TFCC損傷は、日常動作やスポーツなどで手の甲が反れたり、強く捻じれたりして損傷するケースが大半です。たとえば、転倒時に手をついたとき、ラケットを使用したスポーツで手首が捻じれたときなどが挙げられます。
またTFCC損傷は加齢が原因となるケースもあるものの、若い世代の方でも十分発症する可能性がある病気です。無症状の方に手首のMRI検査をしたところ、35歳の50%の方にTFCCの変化がみられたと報告されています。
TFCC損傷を放置すると、手首の痛みのみならず、腫れや可動域の制限などが生じる場合もあります。そのため、TFCC損傷が疑われる場合はクリニックを受診し、早い段階で治療を受けることが大切です。
TFCC損傷の症状
TFCC損傷の症状として、手首の小指側の痛みや不安定感などが挙げられます。たとえばドアノブを回したり、重いものを持ち上げたり、パソコンを操作したりなど、手首を使用する動作で症状が現れることが特徴です。
症状が進行すると、手首を動かしていないときにも痛みを感じはじめます。なかには腫れや握力の低下、動作開始時の手が抜ける感覚、可動域制限などの症状が現れる方も珍しくありません。
手首に違和感を抱きはじめたら、早急にクリニックを受診しましょう。
TFCC損傷の主な原因
TFCC損傷は、外傷が主な原因です。さらに、スポーツや使いすぎによる手首へのストレスも原因となります。手首は体の中でも複雑な構造をしているため、損傷しやすい部位です。
事故や転倒による外傷、スポーツ時の強い衝撃、日常動作で繰り返しかかる負担などによりTFCCは損傷します。
とくに損傷しやすいスポーツは、野球やテニス、バドミントン、ゴルフなどのラケット競技です。手首を使用するラケット競技は、強い衝撃や負担がかかりやすい傾向にあります。
一方で日常動作はドアノブを回したり、重いものを持ち上げたり、パソコンを操作したりなど、知らぬ間に手首への負荷が繰り返されています。
また加齢による変形もTFCC損傷の原因の一つです。加齢が原因の場合、症状が出ないケースもあります。
TFCC損傷のチェック方法
TFCC損傷のセルフチェック方法は、次の2つです。
- 痛みのある手首の小指側を押す
- 痛みのある手首を小指側に曲げて捻る
2つのセルフチェックを実施し、痛みを感じるようであれば、TFCC損傷の疑いがあります。痛みは放置せず、クリニックでMRI検査を受けましょう。
TFCC損傷の検査と診断方法
TFCC損傷の検査と診断方法は、触診、レントゲン検査、MRI検査、手関節造影です。
触診では手首に圧を加えたり、回したりした際に痛みがあるかをチェックします。
また、レントゲンは手関節の形状を評価するほか、尺骨突き上げ症候群の有無をチェックする目的でおこなわれます。尺骨突き上げ症候群とは、手関節の親指側にある橈骨よりも小指側にある尺骨の方が長い病気のことです。
TFCC損傷ではなく、ほかの疾患が原因で痛みが出ている可能性もあるため、レントゲンで識別する必要があります。
レントゲンでの識別が難しい場合は、MRI検査や手関節造影が用いられます。MRI検査や手関節造影であれば、TFCCの損傷程度を正確に診断可能です。
TFCC損傷の治し方・治療方法
TFCC損傷の治療法は、主に4つあります。
- ストレッチ、マッサージ
- テーピング、サポーター
- 手術
- 再生医療
TFCC損傷の初期段階であれば、ストレッチやマッサージなどの運動療法に加えて、テーピングやサポーターなどの装具療法をおこないます。
しかし、ストレッチやテーピングなどの保存療法で改善されない場合、手術や再生医療が必要となるケースが大半です。ここからは、それぞれの治療法について解説します。
ストレッチ・マッサージ
ストレッチやマッサージは、手関節の小指側のストレスを軽減できる治療法です。前腕の筋肉や手のひらを優しく揉むことで、手首周辺の柔軟性を向上させます。
ただし強く押したり、痛みのあるところを揉んだりすると、症状が悪化する場合もあるため注意が必要です。ストレッチやマッサージは自宅でも簡単におこなえる反面、正しい方法でおこなわないと手関節を痛めるリスクがあります。
医師から指導を受け、正しい方法でおこないましょう。
テーピング・サポーター
テーピングやサポーターは、手首を固定する目的で用いられる治療法です。患部を安静にできるほか、安定性が高まることで手関節にかかるストレスを軽減できます。
またテーピングやサポーターを装着すると、手首を小指側に曲げられなくなるため、動作時の痛みを防止できる点もメリットです。
テーピングやサポーターでの固定期間は、約1〜3か月必要となります。個人差はあるものの、装具での固定により症状が改善する方は多い傾向にあります。
手術
手術は、ストレッチやテーピングなどの保存療法で改善されない場合に検討します。TFCC損傷の手術は、大きく分けて直視下手術と鏡視下手術の2種類です。
直視下手術は皮膚をメスで大きく切開します。一方で鏡視下手術は、小さく開けた穴にビデオカメラを挿れることで手術痕が小さく済むため、用いられることの多い術式です。
再生医療
再生医療は、手術以外の選択肢として挙げられる方法です。再生医療は、自身の脂肪細胞や血液細胞で作成した治療薬を手関節内に注射します。
治療薬の修復作用により、損傷したTFCCの機能を回復させる効果が期待できます。体にメスを入れることに抵抗がある方は、再生医療も検討してみてください。
TFCC損傷に関するよくある質問
TFCC損傷の治療期間や、症状を放置した場合どうなるのかなど、疑問や不安がある方も多いでしょう。
最後に、TFCC損傷に関するよくある質問に回答します。その他にもわからないことがある方は、担当の医師に聞いてみましょう。
TFCC損傷はどのくらいで治る?
TFCC損傷が治るまでの期間は、1〜3か月程度が目安です。テーピングやサポーターなどの固定により、大半の方が数か月程度で治癒します。
しかし、保存療法で症状が改善されない場合、手術や再生医療による治療が必要です。手術や再生医療の場合は、術後3週間からリハビリテーションを実施し、徐々に改善されていきます。
TFCC損傷を放置したらどうなる?
TFCC損傷を治療せずに放置すると、安静時でも痛みを感じるようになるほか、痛みが増して手首を動かせなくなる場合があります。
放置すると症状が悪化し、日常動作が難しくなる可能性があるため、早い段階で治療を受けることが大切です。
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・一連の症例への対応
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・患者中心のアプローチ
・継続的なケアとフォローアップ
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まとめ
TFCC損傷は一時的な痛みと勘違いされやすく、症状を放置する方も多い病気です。
クリニックへの受診が最も望ましいですが、時間がない方やハードルが高いと感じる方は、まずセルフチェックをおこないましょう。セルフチェックをして痛みや違和感を抱いた場合は、早急に検査を受ける必要があります。
TFCC損傷を放置すると症状が悪化する可能性もあるため、できる限り早く治療を受けることが大切です。軽症の段階で治療を受ければ、テーピングやサポーターなどの保存療法での治癒も期待できます。
<参考>
まえだ整形外科・手のクリニック