前十字靭帯損傷は、膝に強い衝撃が加わり生じる損傷で、年代問わず発症する可能性があります。
とくに、スポーツ選手に多くみられ、完治までに長い時間を要します。早くスポーツに復帰するためには、早期の治療や予防対策が必要です。
しかし、自身が前十字靭帯損傷にあてはまるのかわからず、クリニックの受診を悩んでいる方も多いでしょう。
そこで本記事では、前十字靭帯損傷の症状や原因について解説します。前十字靭帯損傷を改善するためのリハビリについても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
前十字靭帯損傷とは?
前十字靭帯損傷とは、急な方向転換や強い力が加わることで、太ももと脛をつなぐ前十字靭帯が伸びたり切れたりする損傷です。
前十字靭帯は、脛骨が前へ出ないように動きを抑制する役割を果たしており、損傷すると痛みや膝が安定しないなど症状が現れ日常生活に影響をきたします。
症状が軽度である場合は、膝動揺性抑制装具やリハビリによる保存療法が一般的です。
しかし、靭帯には再生能力がなく、断裂したり切れたりして重症になると手術が必要になる場合もあります。そのまま放置すると半月板損傷や変形性関節症などの合併症が生じる可能性もあるため、早めの治療が大切です。
前十字靭帯損傷の症状
前十字靭帯損傷にみられる主な症状は次のとおりです。
- 歩けないほどの痛み
- 膝に不安定さがある
- 膝に力が入らない
- 屈伸ができない
- 膝内部に血が溜まる
とくに、膝の不安定さを放置すると周辺組織にも炎症が生じ、合併症を引き起こす可能性もあります。
それぞれの症状について詳しく解説するので、まだクリニックを受診していない方は自身に当てはまるかチェックしてみてください。
歩けないほどの痛み
前十字靭帯損傷は、歩けないほどの痛みを引き起こす場合があります。とくに、怪我の瞬間はブチッという衝撃音とともに、動けなくなるほどの激痛が膝に走ります。
1〜2週間ほど経過すると炎症がおさまり痛みも軽減しますが、靭帯の損傷自体は回復していません。そのまま放置していると、合併症を引き起こし痛みが慢性化する可能性もあるため適切な治療が必要です。
膝に不安定さがある
前十字靭帯損傷を放置すると、膝が不安定になる症状が現れます。具体的には、立ち上がりや歩行など、膝に体重をかける際にぐらついたり、膝がガクッと崩れる「膝崩れ」が生じたりします。
膝崩れが頻繁に起こると、膝関節内にある半月板や軟骨が損傷する場合もあるため、早めにクリニックを受診しましょう。
膝に力が入らない
先述したように、前十字靭帯を損傷すると膝を安定させる機能が損なわれます。そのため、膝に力が入らない症状が現れる場合もあります。とくに、立ち上がりや歩行、階段の上り下りが困難になるでしょう。
屈伸ができない
屈伸ができなくなるのも、前十字靭帯損傷の症状の1つです。損傷による痛みや不安定さにより、屈伸が困難になります。
膝の可動域が狭まるため、歩行や日常生活動作に支障をきたすこともあるでしょう。
膝内部に血が溜まる
前十字靭帯損傷には、切れた靭帯から出血し、膝関節内に血が溜まる症状もあります。血が溜まると膝が腫れ、動かしにくさや痛みなども伴うでしょう。
とくに、損傷が重度であると大量に血が溜まり膝が大きく腫れ上がるため、注射で血を抜く治療がおこなわれるケースもあります。
前十字靭帯損傷の主な原因
前十字靭帯損傷の主な原因は次のとおりです。
- スポーツによる外傷
- 急な方向転換・急停止
- 交通事故
- 激しい衝撃
- 本来曲げてはいけない角度まで膝が曲がる
上記のように、前十字靭帯損傷は外傷による原因が多く、年齢に限らず生じる可能性があります。次項ではそれぞれの原因について詳しく解説するので、自身に心当たりがないか確認してみてください。
スポーツによる外傷
前十字靭帯損傷の原因として多くみられるのは、スポーツによる外傷です。スポーツでは、人との激しい衝突やジャンプなど、膝に負担をかける動作が頻発しやすく、前十字靭帯の損傷につながる可能性があります。
前十字靭帯損傷が起こりやすいスポーツは、アメフト、サッカー、野球、バスケットボールなどが挙げられます。
急な方向転換・急停止
急な方向転換や急停止は、靭帯が断裂したり伸びたりする可能性があり、前十字靭帯損傷の原因になり得ます。
スポーツに限らず、急いでいるときや遊んでいるときなどにも急な方向転換や急停止は起こるため、症状が現れた場合は早めにクリニックを受診しましょう。
交通事故
交通事故も前十字靭帯損傷の原因の1つです。たとえば自動車に乗車している場合、衝突により座席やドア等に膝をぶつけて前十字靭帯を損傷する可能性があります。
そのほかにも、歩行時や自転車、バイクに乗っている場合に、事故で膝に大きな外力が加われば損傷する可能性は十分に考えられます。
交通事故は前十字靭帯損傷以外の外傷を引き起こす可能性があるため、クリニックで検査を受けましょう。
激しい衝撃
激しい衝撃が膝に加わる場合も、前十字靭帯損傷を引き起こす場合があります。激しい衝撃が前十字靭帯にかかる状況は、先述したスポーツや交通事故以外にもいくつか考えられます。
たとえば、転倒や高所からの転落などの突然の出来事により、生じる場合もあるでしょう。
本来曲げてはいけない角度まで膝が曲がる
膝が本来曲げてはいけない角度まで曲がることにより、前十字靭帯は伸びたり断裂したりし、膝の安定性が低下します。
膝が上記のような状態になると、骨折や他の靭帯を損傷する可能性もあるため、早めにクリニックを受診しましょう。
前十字靭帯損傷の治療方法
前十字靭帯損傷の治療方法には、大きく保存療法と手術療法の2種類あります。症状により適用となる治療方法は変わるため、まずはクリニックで詳しい検査と診断を受けることが大切です。
それぞれの治療法について詳しく解説するので、クリニックでの治療を検討している方はぜひチェックしてみてください。
保存療法
保存療法とは、組織を温存しながら症状を改善させる治療方法です。前十字靭帯損傷の保存療法には、サポーターとも呼ばれる膝動揺性抑制装具や、リハビリなどがあります。
具体的には、炎症が悪化しないようにサポーターで膝の負担を軽減しつつ、膝周辺の筋力低下を防ぐために無理のない範囲でリハビリをおこないます。
ただし、保存療法では前十字靭帯の損傷自体は回復しにくいため、膝崩れが頻発する場合や、損傷が重度である場合は手術療法が一般的です。
手術療法
前十字靭帯損傷の手術療法にはいくつか種類がありますが、代表的な方法は自家腱移植です。自家腱移植では、自身の体内から膝屈筋腱や膝蓋腱などの腱を採取し、損傷した靭帯に置き換えて移植します。
基本的には全身麻酔を使用し関節鏡視下でおこなうため、切開部分が小さく合併症のリスクも軽減できる点が特徴です。
術後はリハビリテーションをおこない、受傷前の状態まで回復を目指します。アスリートや選手がスポーツ復帰するためには、1年程度かかるでしょう。
前十字靭帯再建術後のリハビリ方法
前十字靭帯再建術後のリハビリ方法は、次のような期間で段階分けされています。
- 0〜3か月
- 3〜6か月
- 6か月以降
詳しいリハビリ方法は術後の経過や状況ごとに異なります。そこで次では各段階のリハビリ内容を大まかに紹介するので、手術を検討している方はあらかじめ確認しておきましょう。
0〜3か月
術後0〜3か月は、低下した筋力の強化と膝の可動域の回復を目的とした歩行訓練やトレーニングをおこないます。術後は靭帯が安定していないため、患部に過度な負担は禁物です。
そのため、サポーターや松葉杖を使用しながら、無理のない範囲でリハビリテーションをおこなう必要があります。
3〜6か月
個人差はありますが、3か月を過ぎるころには膝が安定しはじめます。そのため、さらなる安定性の向上を目的とし、ジョギングやランニングなどの日常的な動作を取り入れたリハビリテーションを段階的におこないます。
スポーツ選手の場合、復帰に向けて負荷をかけた筋力トレーニングをおこなうのも一般的です。
6か月以降
術後6か月以降は、靭帯の再断裂を予防するための訓練をおこないます。具体的には、靭帯を損傷しやすい動きの癖の修正や、復帰する種目の動きを想定したリハビリテーションなどもおこないます。
なかには、靭帯を損傷しやすい動きが癖づいている方も多く、術後に再発するケースも少なくありません。とくに、スポーツ選手が2年半以内に再断裂を経験する確率は20%強といわれています。
そのため、適切なリハビリプログラムを立て、最善の状態で日常生活やスポーツに復帰できるように取り組むことが重要です。
前十字靭帯損傷を事前に防ぐにはストレッチがおすすめ!
前十字靭帯損傷を防ぐためには、日頃からストレッチをおこなうとよいでしょう。ストレッチ方法はさまざまですが、ここでは大腿四頭筋の筋力を向上し、膝を安定させるストレッチを紹介します。
具体的なストレッチの流れは次のとおりです。
- 両膝を肩幅に開き、膝とつま先を正面に向ける
- 片足を前に出し、膝と股関節を曲げる
- 前に出した足で地面をけるように元の体勢に戻る
- 左右あわせて20回を1セットとし、合計3セットおこなう
上記のストレッチを取り入れれば、方向転換やジャンプをする際に膝が内側に崩れたり深く曲がり過ぎたりする外傷の予防が期待できます。
体幹が傾かないように気をつけながら、痛みがでない程度におこないましょう。
前十字靭帯損傷に関するよくある質問
ここでは、前十字靭帯損傷に関するよくある質問を紹介します。より前十字靭帯損傷について知りたい方はあわせてチェックしてみてください。
前十字靭帯損傷は手術が必要?
前十字靭帯損傷を修復するためには、手術が一般的です。症状が軽度の場合は、保存療法で痛みや腫れを軽減できます。
しかし靭帯には自己修復しにくい性質があるため、そのまま放置すると症状が悪化したり、合併症を引き起こしたりする可能性があります。
そのため、とくに膝崩れが頻発する場合や、重度の損傷がある場合は手術が必要です。前十字靭帯損傷の手術で一般的な自家腱移植は、関節鏡視下でおこなわれ体への負担を抑えられます。
もう一度スポーツすることは可能?
手術を受ければ、スポーツに復帰できる可能性が高められます。ただし、靭帯がスポーツできる状態になるまでには、1年程度のリハビリテーションが必要です。
早くても6か月以上のリハビリが必要となりますが、受傷前のスポーツレベルまで回復する確率も高いといえます。
なお前十字靭帯損傷を起こしやすい走り方や動きが癖づいていると、再発する可能性もあります。そのため、再発しないように動きを修正するリハビリテーションも必要です。
歩けるまで完治するのにどのくらいかかる?
術後に歩けるようになるためには、1週間程度の時間がかかります。リハビリテーションは手術の翌日から開始し、松葉杖やサポートを使用しておこないます。
無理のない範囲で少しずつ体重をかけ、1週間ほどすると装具や杖なしで歩行できるようになるでしょう。また、長時間の歩行や段差の上り下りなどの日常レベルの活動は、7〜10日前後で可能です。
前十字靭帯損傷を治療するなら再生医療のシン・整形外科がおすすめ
- 再生医療で痛みを根本解決
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施術費用 | ■初診 3,300円 ■MRI検査 8,000円〜12,000円 ■注入治療 198,000円〜1,078,000円※1 ■リハビリ 29,800円〜49,800円 |
診療時間 | ■受付 9時〜18時 ■MRI診断予約 24時間受付 |
支払い方法 | 現金 クレジットカード 電子マネー バーコード決済 |
アクセス | 〒104-0061 東京都中央区銀座5丁目9-15 銀座清月堂ビル5F |
シン・整形外科は、手術に代わる新たな治療法として注目されている再生医療に特化したクリニックです。
前十字靭帯損傷の治療で、シン・整形外科をおすすめするポイントは次の3つです。
- 再生医療による関節痛治療を受けられる
- 整形外科の専門医が担当
- 安心の保証制度を用意
それぞれのポイントについて詳しく解説するため、前十字靭帯損傷を効率的に治療したい方はぜひ検討してみてください。
再生医療による関節痛治療を受けられる
シン・整形外科では、痛みを根本的に治療できる再生医療を専門的に扱っています。
そもそも再生医療とは、人体に備わる自己再生能力を活用し、損傷した組織を修正する治療法です。自身の細胞や血液を加工して使用するため、体への負担、リスクが少なく日帰りで受けられます。
再生医療にはさまざまな種類がありますが、シン・整形外科ではより高い効果が期待できる次の治療法を採用しています。
- 幹細胞培養治療
- PRP-PRO治療
- PRP-FD治療
とくに、手術に抵抗がある方や、効率的に前十字靭帯損傷を治療したい方は、シン・整形外科の再生医療を検討してみるとよいでしょう。
整形外科の専門医が担当
シン・整形外科では、整形外科の専門医が治療の提案をおこないます。
関節治療における専門的な知識と再生医療の豊富な経験があり、丁寧な診察と検査から患者の症状にあった治療法の提案が可能です。
もちろん、再生医療が必要ない場合はほかの治療法も提案できるため、自身にあった方法で前十字靭帯損傷を治療したい方にもおすすめです。
安心の保証制度を用意
シン・整形外科では、次の2つの保証制度を設けています。
保証制度 | 保証内容 |
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再治療保証 | 幹細胞培養治療を2回以上、リハビリスタンダードコースを6ヶ月以上継続した方で、十分な効果が現れなかった場合に無料で1回分の再治療を受けられる ※保証期間:最初の治療から1年 |
リスク保証 | 再生医療の施術により健康被害を被った場合に、再生医療サポート保険を利用できる |
シン・整形外科が採用している再生医療は、体への負担が少なく、損傷した組織の修復に高い効果が期待できますが、いずれも個人差があります。
しかし、上記の保証制度があれば万が一に備えられるため、効果やリスクに不安がある方も再生医療を検討しやすいでしょう。
シン・整形外科では電話無料相談をおこなっているため、保証制度や再生医療などについて気になる点があれば、ぜひ利用してみてください。
まとめ
前十字靭帯損傷は急激な方向転換や急停止、強い衝撃が膝に加わり生じる損傷です。損傷の瞬間には動けないほどの激しい痛みが生じ、腫れや膝の不安定さなどの症状が現れ、日常生活やスポーツ活動に支障がでます。
また、靭帯には修復機能がなく、そのまま放置すると切れた状態が長期間続き、重症化や合併症のリスクが高まります。
重症化するほど回復までに時間がかかる可能性もあるため、症状が思いあたる方は早めにクリニックに相談しましょう。