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膝に水が溜まった際は必ず整形外科で治療を!受診の必要性と治療法を解説

膝の痛みに悩まされる方によく見られる症状に「膝に水が溜まる」ということをよく耳にします。

膝に水が溜まるとさまざまな不調が起こりますが、実際に膝に水が溜まった方達が正しい治療法をおこなっているのかといえば、疑問が残ります。

膝に水が溜まった際の対処方法として、水を抜くという方法がありますが、「水を抜くと癖になりやすい」「すぐに自然とよくなる」などとさまざまな情報が溢れており、どの情報が正しいのか判断が難しいでしょう。

しかし整形外科の公式サイトを見ると、いずれの整形外科も膝に水が溜まった際の早期受診を促し、重症化を防ぐための取り組みをしています。

そこで今回の記事では、膝に水が溜まる原因や治療法などを紹介します。

膝の痛みに悩まされている方や、実際に膝に水が溜まってしまっている方は、ぜひ今後の治療の参考にしてみてください。

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目次

膝に水が溜まる原因となる病気・損傷

まず、膝に水が溜まってしまう原因となる損傷や病気などについて解説します。膝の仕組みを理解したうえで、膝の痛みを抱えている方は治療や予防に取り組みましょう。

関節液の多量分泌

そもそも膝とは、足のももとすねを繋いでおり、足を動かすには欠かすことのできない関節で、足を自由に動かすためには、膝がスムーズに動く状態でなければなりません。

そのため、関節には膝に限らず、動きをスムーズにする作用が加えられています。

たとえば、骨の先端は滑らかな組織である「軟骨」に覆われ、骨と骨の間にはクッションの役割をはたしている「半月板」が軟骨の成分で形成されています。

さらに関節全体は袋状の関節包に包まれ、間接法の内側は滑らかな滑膜で覆われており、滑膜の中は粘り気のある「関節液」で満たされています。

上記のように関節内部は、衝撃から膝を守り、滑らかな動きを可能にするために多くの仕組みが備わっています。膝に水が溜まる現象は、関節液が飽和状態である状態を表します。

本来、関節液は潤滑油の役割を主に果たしていますが、関節液の量を調節している滑膜がさまざまな要因からバランスを崩し、関節液の量を調節できなくなってしまった場合に膝に水が溜まってしまいます。

関節液は通常の量は約1ml〜約3mLとされていますが、膝に水が溜まった方は30mL以上にまで増えることがあります。

すなわち、膝に水が溜まった状態とは、本来は膝関節をスムーズに動かす役割を果たしている関節液が過剰に分泌された状態をしめすのです。

では、関節液が過剰に分泌される原因について解説します。

滑膜の炎症

まず原因として考えられることは滑膜に炎症が発生していることです。

膝関節を覆う関節包の内側に位置し、関節液の生成や古くなった関節液の回収をして関節液の量を調整する滑膜ですが、滑膜が炎症すると過剰な関節液が生成されてしまいます。

次第に古い関節液の回収が追いつかなくなり、膝に水が溜まってしまいます。

そのため、滑膜の炎症が原因で膝に水が溜まっていた場合には、滑膜の炎症が治まると膝に溜まった水も自然と少なくなります。

軟骨の損傷

膝関節に水が溜まる原因には、膝関節の軟骨が損傷している可能性もあります。

加齢や激しい運動などにより「変形性膝関節症」や「半月板損傷」などに代表される膝関節の疾患を発症すると軟骨がすり減ってしまいます。

欠けた軟骨が滑膜を刺激して炎症を起こし、過剰な関節液を生産してしまい膝に水が溜まる原因となります。

軟骨や半月板の摩耗

中年層や高齢者などになるにつれて、日常生活の動作の蓄積によって膝関節にダメージが蓄積され、膝関節に大切な部位が摩耗していってしまうことも原因となります。

若いころと同じような動作であっても、加齢により弱くなった膝の軟骨や半月板が摩耗してしまい、欠片が滑膜を刺激すると炎症を起こし、膝に水が溜まることがあります。

また、若年層であっても、激しいスポーツでの無理な動きや、負担の大きな動作によって膝に強力な負荷がかかった場合には膝の中の軟骨や半月板が摩耗していってしまうこともあるのです。

膝関節の軟骨は膝関節のスムーズな動きと荷重機能の役割を果たしています。一方、半月板は軟骨の間に内側から外側に線維性軟骨よりできているもので、クッションの役割や安定性を保つ重要な役割を担っています。

軟骨、半月板のどちらも膝関節をスムーズに動かすために大切な役割を担っていますが、外傷がなくても損傷して痛みやひっかかりを生じ、摩耗していくことがあります。

日常生活や運動に必要不可欠な部位であるからこそ、日々のダメージの蓄積が多い部位でもあり、次第に摩耗していきやすく、摩耗すると痛みや違和感を感じ膝に水が溜まる原因となり得るのです。

骨折や靭帯損傷

次に、膝に水が溜まる病気や怪我について紹介します。まず、大きな外傷から膝に水が溜まる原因となることがあります。

骨折や靭帯損傷などから内出血を引き起こし、膝に水が溜まることがあるのです。そのため、膝に溜まった水を抜いた場合には赤色の水である場合が多いとされています。

また、高齢者の場合には、大きな外傷ではなくても、内出血を引き起こしている可能性があります。

変形性膝関節症

変形性膝関節症は、膝の疾患として代表的なものです。変形性膝関節症は滑膜の炎症が原因とされ、負担の蓄積により膝関節の軟骨がすり減り、膝関節に炎症を起こすことで発症します。

高齢者の方に多い疾患ですが、激しいスポーツをしていたり、膝に負担の大きい重労働をしていたりする場合には、激しい膝関節の損傷は若い方に見られる疾患です。

変形性膝関節症の初期症状は軽い痛みから始まり、時間経過によって徐々に痛みが増し、膝を曲げ伸ばす動作ができなくなります。

痛みや曲げ伸ばしに苦痛を感じる症状は、すべて滑膜に炎症が起きている証拠です。炎症が起こる過程の中で膝に水が溜まる症例が多くあります。

変形性膝関節症の末期には、骨や膝関節全体の変形を引き起こし、手術を余儀なくされる場合が多くなります。

また、軟骨は血管が通っていない部位で、損傷を治すための細胞や栄養などがないことから軟骨が一度すり減ると、自然治癒はできません。

変形性膝関節症を治療するためには、症状を緩和させる治療のほか、膝の負担を減らしたり膝を支える筋肉を強化したりするなど進行の防止が必要な疾患です。

関節リウマチ

関節リウマチは自己免疫疾患の1つです。

細菌やウイルスなどの異物を排除するための免疫がうまく機能しなくなってしまい、今まで正常に機能していた滑膜が攻撃されることにより、痛みや腫れ、場合によっては変形などの症状を引き起こします。

関節リウマチは膝のほかにも、手足や肩などの関節へ同時に症状が発症しやすい疾患です。関節リウマチの診断が難しい面として、症状が強く現れる時期とまったくない時期があることです。

また、関節リウマチになる原因は、喫煙習慣や歯周病などの習慣的な要因や、遺伝によるものなどと考えられていますが、現代医学でも明確な原因は判明していません。

歩き出すときに膝がこわばったり思うように動かせなかったりなどの症状があらわれた場合には、関節リウマチを疑い、整形外科の受診をしましょう。

膝に水が溜まったときの症状

膝に水が溜まった場合、急に歩行が困難になったり日常生活に支障をきたしたりするほど重症化するわけではありません。

膝の疾患は時間をかけて少しずつ症状が進行していくケースが多いです。

しかし、膝の疾患は上記で紹介したように軟骨や半月板を損傷している場合が多く、一度すり減ってしまった軟骨は自然に治癒はしないため、可能な限り早期の治療開始が大切です。

膝に水が溜まった場合の主な症状を解説するので、自身の症状と照らし合わせ、早期に整形外科を受診し治療を開始しましょう。

膝が腫れぼったい

膝に何らかの原因によって炎症が発生し、水が溜まってしまうと膝に腫れぼったい感覚を覚えます。症状の進行状況の度合いでいえば、同時期には膝に熱をもったり、膝から下がむくんできたりする症状があります。

場合によっては膝の変形が進み、骨同士がコツコツと当たるような感覚を受ける症状が出現する場合もあるのです。

ほかにも、次のような症状がある場合には膝に水が溜まっている可能性があります。

  • 膝が重苦しくて違和感がある
  • 膝が突っ張ったような感覚で、曲げ伸ばしがしづらい

上記のような症状があれば、膝に水が溜まっている可能性があるため、次のセルフチェックにより膝に水が溜まっているのかを確認してみましょう。

  • 膝を伸ばして床に座り、片方の手で膝の少し上を膝の皿の向かって押さえる
  • もう片方の手で皿の骨を軽く押す

水が溜まっている場合には、膝の中に何かあるような異物感があります。確認し、あてはまるようであれば早期に整形外科を受診しましょう。

膝の曲げ伸ばしが困難

症状が進んでくると、膝の曲げ伸ばしが困難になってきます。同時期の主な症状にはほかにも次のような症状が現れます。

  • 階段の昇降が膝の痛みで困難
  • 膝の痛みがはっきりとわかるようになる
  • 膝が完全に曲がりきらない
  • 膝が伸びきらない
  • 階段の下りがとくに困難

膝の炎症により水が溜まり、膝周りが腫れたり、熱をもったりする場合もあります。膝の変形が進んでいる可能性もあるため、早期の受診をおすすめします。

正座ができない

さらに症状の進行が進むと、正座ができなくなります。同時期のほかの症状には次のような症状が現れることがあります。

  • 歩行が困難
  • 座ることが困難
  • しゃがむことが困難

今までに感じていた膝の違和感のような症状は次第に悪化していってしまいます。

膝関節の軟骨は摩耗から損傷、場合によってはなくなり始めていることもあるため、早期に治療を開始しましょう。

膝周辺の強い痛み

今まで違和感を感じていた膝の痛みが次第に強くなり、膝周辺の強い痛みが継続的に取れなくなっていきます。

同時期には、膝の痛みにより思うように社会活動ができなかったり、日常生活が困難であったりするケースが大半です。生活に支障が出ると活動範囲が狭くなり、動くこと自体が困難なためストレスも溜まってしまいます。

そのため、体重の増加やうつ病の発症にも繋がり、高齢者の方は外出できないことから刺激がない生活により、痴呆の症状にも繋がります。症状が悪化する前に、早期に整形外科を受診し治療を開始しましょう。

なぜ膝に溜まった水を抜く必要があるのか

膝に水が溜まると、長期に渡って自然治癒を待っていても症状が緩和されることはありません。

なぜなら、上記で紹介したように、何かしらの原因によって膝に炎症を起こし、水が溜まっているため、炎症の治療をおこなわない限り水が溜まり続けてしまうのです。

膝の水が溜まっていくと、次第に痛みが発症するため、まずは水を抜き膝の痛みや腫れを緩和させることが必要です。

膝の水を抜いたうえで膝の関節液の状態を確認し、状況に応じた治療をおこなうことが重要となります。

膝に溜まった水を抜く必要性について詳しく紹介します。

抜いた水の色で原因が判明する

膝に溜まった水は、炎症の原因によって水の色が異なります。そのため、抜いた水の色で炎症の原因が判断できます。

膝に溜まった水は関節液ですが、正常な関節液は粘り気があり、黄色系統の透明色です。

主な関節液の色と原因の組み合わせは次のとおりです。

  • 濃い黄色:変形性膝関節症
  • 赤色や褐色:骨折、半月板損傷、靭帯損傷などの外傷
  • 白濁色:感染症、痛風

炎症の原因が変形性膝関節症の場合、黄色が濃く、粘り気は減ります。骨折、半月板損傷、靱帯断裂などの外傷で内出血が原因である場合には、関節液の色が赤色や褐色であることが多いです。

また、白濁しているときは、感染症や痛風の疑いがあります。膝に溜まった水を抜くことで、原因が判明するため、治療方法を定めていくには非常に重要といえます。

悪化を防げる

膝に溜まった水は早期に抜いておくことで悪化を防ぐことが可能です。

膝に水が溜まっていると考えられる症状があっても放置し続けていると、次第に悪化し日常生活に困難をきたすようになる場合があります。

膝に溜まった関節液は本来は膝の潤滑油の役割を果たすものですが、炎症を引き起こす成分が含まれているため、溜まった関節液を放置すると炎症を長引かせたり、悪化させたりする原因になってしまいます。

また膝の水を放置すると、痛みや違和感を感じながらの生活を余儀なくされることになるため、膝をかばいながら動いているうちにほかの部位に負担がかかり、症状が悪化していく可能性があります。

膝に水が溜まった状態で生活を続けていてもメリットはないため、早期に水を抜くことをおすすめします。

症状が改善する

膝に水が溜まったことによりあらわれていた症状が改善する点からも、膝の水を抜くことは大切です。

膝の水を抜くと、膝の痛みや腫れなどの症状が緩和されます。しかし、膝に水が溜まった根本的な原因の改善ではないため、注意が必要です。

膝の水を抜き、一時的に症状が改善したとしても、膝の内部に起こっている炎症を治療しなければ完治したわけではないので、膝の水を抜いた後も適切な治療を受け、根本的な改善を図りましょう。

膝に水が溜まりやすい方の特徴

膝に水が溜まる原因や水を抜く必要性について紹介してきました。

では、膝に水が溜まりやすい方にはどのような特徴があるのか解説します。自身にあてはまる場合には、膝の痛みに十分注意をしましょう。

体重が急激に増加した

膝に水が溜まりやすい方の特徴として、体重が急激に増加した方が挙げられます。膝にかかる負担は、歩行時で体重の約3倍、階段の昇り降りで約6倍の負荷がかかるとされていています。

そのため、体重の増加に比例して膝にかかる負担も大きくなり、たとえば体重が約1kg増えると歩行時の膝への負担は約3kgも増えます。

自身の体重が適正な体重を上回っているようであれば、食生活や運動習慣を見直し、膝に必要以上の負担をかけないために体重管理を心がけましょう。

膝に負担をかけるようなスポーツをしている

普段から過度に膝に負担がかかるようなスポーツをしている方も、膝に水が溜まりやすい方の特徴といえます。

膝の疾患は高齢の方に多いとされますが、スポーツでは年齢に関係なく膝を酷使しすぎると膝関節の組織に損傷が生じる可能性があります。

予防するためには、スポーツをおこなった後に酷使した部位を冷やす、いわゆるアイシングをしたり疲労回復に努めたりするなど怪我の予防が必要です。

また、膝のストレッチも膝関節の柔軟性向上や、膝の負担軽減に効果があり、膝に水が溜まることを予防できます。

しかし、激しいストレッチは負担が増し、逆効果になる場合があるため、ゆっくりと適度にストレッチをおこなうことが重要です。

ストレッチは隙間時間でもおこなえる手軽な予防方法です。とくに膝に負担のかかる激しいスポーツを普段からしている方は、少しずつ日常生活に取り入れ、予防に努めましょう。

(参照元:膝関節症・関節痛ガイド 膝に水が溜まる原因

関節リウマチや痛風と診断された

関節リウマチや痛風などの疾患にかかると、膝に水が溜まりやすくなります。疾患にかかることで、滑膜に炎症が起こり、関節液が過剰分泌され、水が溜まりやすくなってしまいます。

疾患によって異なりますが主な症状には、足指の付け根や足の甲、足関節などの痛みが挙げられます。

とくに次のような症状がある方は、早期の受診をおすすめします。

  • 痛みが2~3日以上続いている
  • 歩くたびに膝に痛みが出る
  • 膝が腫れて、熱を持っている

痛みが続く場合には、膝の炎症が悪化している可能性もあり、放置すると万が一の場合には症状が悪化して歩けなくなったり、人工関節になったりするなどの恐れがあります。

発病の原因ははっきりとはしていませんが、代表的な原因にあげられる要因には、食生活の乱れや運動不足、遺伝的要因などとされています。

予防するためには、日頃から規則正しい生活を心がけ、運動やバランスのよい食生活を送りましょう。

【放置厳禁】膝に水が溜まったら整形外科での治療がおすすめ

膝に水が溜まったとしても根本的な原因はさまざまです。

原因を特定して適切な治療をおこなわなければ、原因となっている膝の内部の炎症は収まらないため、何度水を抜いても再び水が溜まってしまう可能性があります。

整形外科を受診し、適切な治療を受ければ、原因の判明や膝の状態の説明、今後の治療方針についても相談可能です。

膝の水や痛みと長年付き合いながら生活している方や、膝に違和感を感じている方は決して放置せずに専門的な治療から根本的な完治を目指せる整形外科での治療をおすすめします。

膝に水が溜まった際の治療法

では、膝に水が溜まった際にはどのような治療方法があるのかを詳しく解説していきます。

膝に水が溜まる原因には、変形性膝関節症や半月板の損傷などさまざまですが、代表的な治療方法を紹介します。

原因を特定するために、水を抜いたり、各種検査を受けたりして原因を探り悪化する前に症状にあった最適な治療方法を医師に相談の元で選択しましょう。

MRI検査

膝に水が溜まった原因を探る検査方法として代表的な検査がMRI検査です。MRI検査を受けることによって、膝組織の状態を把握できるため、膝に水が溜まる原因が判明する可能性が高まります。

MRI検査の検査時間は約30分〜1時間で、即日診断が可能です。早めに診断をするためには適した検査方法といえます。

注射で水を抜く

注射を用いて膝に溜まった水を抜くことは、膝の痛みや腫れを和らげるために有効です。

膝に溜まった水を放置すると、溜まった水の中に含まれる成分によって膝の炎症や痛みを悪化させる恐れがあります。とはいえ、膝の水を抜いても根本的な膝の炎症の治療ではありません。

そのため、膝に水が溜まってしまった場合には、早めに水を抜くことと同時に膝に水が溜まった原因を探ることが重要といえます。

運動療法

膝に水が溜まった際におこなわれる治療方法として、運動療法により筋肉の強化や変形した部位の改善を図ることで痛みの緩和や予防に繋げる効果が期待できます。

ただし、痛みが慢性化していたり、膝に痛みが出やすかったりする方は無理して運動療法を続けることで悪化する恐れがあります。

運動療法をおこなう際には、医師の指導の元で痛みのない運動を取り入れることがおすすめです。

運動療法のみでは早期に痛みの緩和に繋がらないことも多いため、ほかの治療方法と組み合わせたり、改善されない場合には治療方法を変えたりするなど、柔軟に対応していきましょう。

また、運動が不安な方は膝にサポーターや装具を着け、安定させておこなうこともおすすめです。

薬物療法

膝に水が溜まった際に薬物療法に使用される主な内服薬は次のとおりです。

  • 解熱鎮痛薬:アセトアミノフェン
  • 非ステロイド性消炎鎮痛薬:NSAIDs
  • 痛みに作用する薬:オピオイド

などが一般的な内服薬です。内服薬以外の薬物療法には次の方法があります。

  • 外用剤の服用
  • 関節内注射
  • ヒアルロン酸の注入

などが挙げられます。薬物療法の結果、痛みや腫れなどの緩和が期待できますが、痛みがなくなると完治したと勘違いしてしまい継続すべき治療に取り組まなくなってしまうことがあります。

しかし、薬物療法は対症療法であるため、膝の炎症を完治させる治療法ではありません。薬物療法と並行してほかの治療に取り組むことで完治を目指すことが重要になります。

外科手術

ほかの治療方法をおこなっても改善が見られない場合や、症状が重度の場合には外科手術も選択肢の1つになります。

膝の水を抜くことで、痛みや腫れの改善が図れますが、根本的な原因である膝の炎症の治療をおこなわなければ膝の水や痛みは再発します。

膝の手術方法は疾患の程度によって異なり、入院期間やリハビリ期間も異なりますが、膝の根本的な治療が可能です。

手術と聞くとなかなか踏み切れないものですが、膝の痛みが続けば苦しい時間も長引くため、繰り返される痛みに苦労されている方は、医師に相談をおすすめします。

再生医療

膝の疾患により治療をおこなってもなかなか進行が止まらない方には、再生医療により進行を遅らせる効果が期待できます。

再生医療の概要やメリット、デメリットは次のとおりです。

概要ほかの療法では止めることのできない膝の疾患の進行を遅らせる療法。主にPRP療法と培養幹細胞治療の2種類の注射で進行を遅らせる治療方法
メリット
  • 痛みの緩和
  • 膝の疾患の進行を遅らせる
  • 入院が不要な治療法もある
  • 手術ができない高齢者も可能
デメリット
  • 比較的新しい治療方法
  • 効果に差がある
  • 保険適用外

再生医療は比較的新しい治療法として注目されています。体への負担が少ないものとされていますが、保険適用外であるため、高額になることもあります。

検討される方は医師に相談してみましょう。主な再生医療であるPRP療法と培養幹細胞治療について解説します。

PRP療法

再生医療の1つであるPRP療法は、自身の血液を採取して血小板を加工した後、再度自身に注射する治療方法です。

PRP療法の概要やメリット、デメリットは次のとおりです。

概要自身の血液を採取し、自然治癒力を向上させる働きがあるとされる血小板を加工する。加工したものを自身に再度注射をおこなうことで治癒力をより向上させ、膝関節の機能改善を目指した治療方法
メリット
  • 入院が不要
  • 手術が不要
  • 手術が困難な高齢者でも可能な場合がある
  • 自然治癒力の向上により、膝関節の機能改善が期待できる
デメリット
  • 効果に個人差があり、効果がでにくい場合がある
  • 保険適用外のため高額
  • 効果が出るまでに時間がかかることがある

PRP療法の治療効果には個人差があり、効果が出るまでに1年程度と長期の時間を要する場合もあります。

また、保険適用外であることから高額になる可能性もあるため、事前に医師や周囲と相談したうえでの決定をおすすめします。

培養幹細胞治療

もう1つの再生医療として培養幹細胞治療があげられます。培養幹細胞治療は複製する能力と、さまざまな細胞にわかれる特殊な能力を持つ幹細胞を採取し、培養後に自身の体内へ注入する治療方法です。

培養幹細胞治療の概要やメリットなどは次のとおりです。

概要複製する能力と、さまざまな細胞にわかれる特殊な能力を持った幹細胞を採取する。
採取した幹細胞を体外で培養した後に、自身に注入され、膝関節の機能の修復や改善を目指す治療方法
メリット膝の炎症を抑える効果
膝の痛みの改善
膝の機能を改善
損傷した膝の修復作用に期待
デメリット効果に個人差があり、効果がでにくい場合がある
保険適用外のため高額効果が出るまでに時間がかかることがある

培養幹細胞治療は、自身の少量の脂肪から幹細胞を採取しておこなわれます。幹細胞は特殊な能力により、膝の軟骨にも分化できるとされているため、痛めた組織の修復や機能改善に期待が持てます。

しかし、効果には個人差があるため、ほかの治療方法と併行しておこなうことがおすすめです。

膝に水が溜まった際によくある質問

膝に水が溜まる原因や治療方法などを紹介してきました。

では、膝に水が溜まった際によくある質問を4点まとめました。治療をおこなう際には、不安を少しでも取り除くために事前に確認しておきましょう。

整形外科での治療は保険適用されますか?

膝に水が溜まった際に整形外科でおこなわれる治療は、手術を含め、保険が適用されます。

また、保険内診療で定められている金額を超えてしまった場合には、「高額療養費制度」の適用によって費用を軽減できるため利用しましょう。

ただし、手術の際に用いられる費用の一部は保険適応外診療であるものもあるため注意が必要です。

高額療養費制度を含み、保険内診療が適用される主な費用は次のとおりです。

  • 注射料
  • 再診療
  • 入院料
  • 技術料
  • 検査料
  • 画像診断料
  • リハビリ料
  • 輸血料
  • 麻酔料
  • 材料費

などが保険内診療に適用されます。また、保険外診療費となり得る費用は次のとおりです。

  • ベッド代
  • 食事代

などがあたります。そのため、入院が不要な治療は保険適用されるといえますが、再生医療の治療は、保険適用外になるので、注意しましょう。

自然治癒の可能性は?

膝に水が溜まった場合、放置しておいても自然治癒はしません。一時的に痛みが緩和されたとしても、根本的な膝の炎症を改善しなければ、痛みを繰り返し、水は溜まり続けてしまいます。

膝の炎症の根本的な治療を念頭に置き、まずは膝に溜まった水を抜いて痛みの緩和を図りましょう。痛みの緩和後は膝の炎症の原因を把握し、根本的な改善に向けた治療をおこなうことが大切です。

膝に溜まった水を放置するとどうなる?

膝に水が溜まっていると考えられる症状があり、放置を続けていると、日常生活に困難をきたすほどに悪化する可能性があります。

膝に溜まった水は関節液であり、本来は膝の潤滑油の役割を果たしていますが、関節液には炎症を引き起こす成分が含まれているため、放置すると炎症を長引かせたり悪化させたりする原因になります。

また膝に溜まった水を放置すると、痛みや腫れから膝をかばうような動作をしてしまいがちなことから、ほかの部位に負担がかかってしまい痛めてしまう可能性もあります。膝に水が溜まっている場合には、整形外科を受診し、水を抜いてもらうことをおすすめします。

膝の水を抜くと癖になる?

インターネット上で膝の痛みについて検索をすると、「膝の水を抜くと癖になる」とされる情報が出てくることがあります。

しかし、情報として正しいものではなく、膝に溜まった水を抜いたことから再発するわけではありません。膝の水を抜いたのに再度水が溜まってしまう原因は、膝の炎症が続いているためです。

膝に溜まった水を抜かずに放置していると、炎症を長引かせ、悪化していってしまう可能性があるため、放置せずに整形外科を受診しましょう。

また、膝の水を抜いた際には、再度水が溜まらないように、根本的な膝の炎症の治療をおこなうことをおすすめします。

膝の治療にはシン・整形外科がおすすめ

出典:シン・整形外科(旧東京ひざクリニック)
おすすめポイント
  • 再生医療で痛みを根本解決
  • 手術不要・日帰り治療OK!
  • 安心の保証制度あり
施術費用■初診
3,300円
■MRI検査
8,000円〜12,000円
■注入治療
198,000円〜1,078,000円※1
■リハビリ
29,800円〜49,800円
診療時間■受付
9時〜18時
■MRI診断予約
24時間受付
支払い方法現金
クレジットカード
電子マネー
バーコード決済
アクセス〒104-0061
東京都中央区銀座5丁目9-15
銀座清月堂ビル5F
※料金は税込表示です※1:注入箇所・回数などで料金は変動します

シン整形外科の膝の治療は、以下の理由からおすすめです。

・専門知識と経験豊富な医師陣

・最新の医療技術

・安心の手術

・パーソナライズされたケア

専門知識と経験豊富な医師陣

シン整形外科は専門知識を持つ医師がいるため、患者の症状や状態について本質的な診断や治療プランを提供しています。

最新の医療技術

シン整形外科は常に最新の医療技術を導入し、最良の治療を提供しています。物理療法、関節内注射、手術など、幅広い治療オプションを取り入れることで、患者様の症状に合わせた効果的なアプローチを実現します。

安心の手術

必要な場合、シン整形外科では最新の外科手術技術を駆使して、最小限の侵襲で手術を行います。安全性と効果を重視し、患者様の健康と安心を第一に考えた手術を提供します。

パーソナライズされたケア

シン整形外科は、患者様の信頼と満足を最優先に考えています。親切で丁寧なスタッフが、あなたの質問や不安に対応し、治療プロセスをサポートします。あなたの声に耳を傾け、共に健康な未来を築いていきます。

まとめ

膝に水が溜まる原因や治療の必要性などを紹介してきました。膝に溜まった水は放置しておくと痛みや腫れが続き、悪化に繋がります。

膝に違和感を感じた場合には、悪化を防ぐためにも早期に医療機関を受診しましょう。

また、膝に水が溜まっている場合には、膝関節内の組織である軟骨、靭帯、半月板などの状態を把握し、原因を明らかにして治療をおこなうことが大切です。

原因の解明にはMRI検査が有効とされ、症状によっては手術の検討も必要になります。個々の症状に応じた治療を受けるためには、さまざまな治療に適応可能な整形外科の受診をおすすめします。

健康な膝を取り戻し、いきいきとした生活を送りましょう。

※本記事の情報は2023年1月時点のものです。
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