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半月板損傷の気になる手術費用は?入院期間についても詳しく解説

半月板が損傷すると、日常の生活動作でも痛みを感じるようになり、歩くことが億劫になる方もいます。

温存治療で効果が感じられない場合、手術を検討する方もいるでしょう。事前に費用の目安や、利用できる助成制度を知っておくと、安心して治療に臨めます。

本記事では、半月板損傷手術の費用相場や入院期間、半月板損傷手術で受けられる医療助成制度などを解説します。

半月板損傷手術について知識を深めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

半月板損傷の症状とは

半月板損傷とは膝関節内にある半月板に亀裂が生じたり、欠けたりした状態で、膝の曲げ伸ばしの際に痛みやひっかかり、膝がずれるような違和感を覚えます。

半月板は膝関節内の大腿骨と脛骨の間に位置する線維軟骨で、アルファベットのCのような形をしており、膝の内側と外側にそれぞれ一つずつあります。

半月板は膝にかかる体重の負荷を分散させたり、関節の位置を安定させたりする働きを持つ器官です。

半月板損傷は、激しいスポーツや交通事故で膝に負荷がかかることが原因で起こることが多いです。

外的ショックがなくとも、加齢により半月板が衰えている場合は、日常動作で半月板が損傷するケースがあります。

ひどい場合は、急に膝が動かなくなるロッキングと呼ばれる状態になり、歩けないほどの激痛が走ることもあります。

半月板損傷の治療方法

半月板損傷の治療方法で手術が選択されるのは、損傷部位が大きかったり、自然治癒が期待できなかったりする場合です。

半月板損傷の治療法について、詳しく解説します。

半月板損傷の手術

半月板損傷の手術は、損傷した部分を切り取る切除術と、損傷した部分を縫い合わせる縫合術の2種類があります。

半月板損傷の手術は、内視鏡の一種である関節鏡を用いておこなわれます。

半月板切除術

半月板切除術は、半月板の損傷した部分を切り取る手術です。

半月板の中央部分は血管が存在せず、一度損傷を受けると修復されにくいため、中央部分を損傷した場合は切除術が多く選択されます。

また損傷の種類では、横断裂や水平断裂は切除術が選択される場合が多いです。

半月板縫合術

半月板縫合術は、半月板の損傷した部分を縫い合わせる手術です。半月板の辺縁部分は中央部分と異なり血管があり、自然治癒が期待できます。

そのため辺縁から約3分の1部分の損傷は、縫合術で治療する場合が多いです。

手術をしない新しい治療法

幹細胞による再生治療によって、手術をしない半月板損傷の新しい治療方法が広まっています。

半月板はクッションの役目を持っているため、手術で切除すると軟骨がすり減り、将来的に変形性膝関節症になりやすくなるデメリットがありました。

また縫合術でもリハビリが長期間にわたり、早期の仕事復帰は難しくなります。

手術をしない新しい治療法では半月板が温存できるため、変形性膝関節症になりにくく、入院の必要もない点がメリットです。

幹細胞治療

半月板損傷の幹細胞治療とは、自身の脂肪から幹細胞を取り出し、培養したのちに膝関節に注射で投与する治療法のことです。

幹細胞を投与すると、すり減った軟骨や傷ついた組織を修復、再生して痛みを軽減させることが期待できます。

自身の脂肪から培養された細胞を投与するため、拒絶反応やアレルギー反応が起きにくく、安全性が高い治療法です。

半月板損傷の幹細胞治療の一般的な順序は、次のとおりです。

  1. 下腹部周辺を切開し、米粒2~3粒程度の脂肪を採取する
  2. 採取した脂肪を培養する(約4~6週間)
  3. 培養した幹細胞を膝関節に注射する

手術と異なり、幹細胞治療は入院の必要がありません。

PRP治療

PRPとは「多血小板血漿」のことで、自身の血液の中から傷を治す働きを持つ血小板と、血小板から出る成長因子のみを抽出したものです。

PRP治療は、PRPを注射して細胞がもともと持っている修復力をサポートさせる治療ですが、半月板を再生させることはできません。

そのため、半月板損傷にPRP治療をおこなっても、ヒアルロン酸注射やステロイド注射のように、膝の炎症を抑える効果しか得られません。

根本的に半月板損傷を治療したい場合は、幹細胞治療を選択するとよいでしょう。

半月板損傷の手術費用相場

半月板損傷の手術費用の相場を紹介します。

損傷の程度や治療内容で金額が大きく変わることがあるため、あくまでも目安として確認してみてください。

半月板切除術

半月板切除術の手術費用の相場は、約7~15万円です。

なお差額ベッド代や食費、病衣代などは上記に含まれていないため、それぞれ別途必要になります。

半月板切除術の入院期間

半月板切除術の入院期間は3日程度かかることが多いようです。手術翌日から歩行可能ですが、中にはリハビリを含め10日間の入院を必要とするクリニックもあります。

半月板縫合術

半月板縫合術の手術費用の相場は、約9~20万円です。

上記に加え、差額ベッド代や食費、病衣代が別途かかります。クリニックによって差はありますが、切除術より高額になりやすい傾向があります。

半月板縫合術の入院期間

半月板縫合術の入院期間は3日程度です。中には10~14日の入院が必要になるクリニックもあります。

半月板損傷手術で受けられる医療制度や助成

半月板損傷の手術にかかる費用は安いものではありません。

ここでは半月板損傷の手術で受けられる医療制度や助成を紹介します。

高額医療制度

高額医療費制度とは、同じ月(1日から月末まで)に医療機関で支払った自己負担額が限度額を超えた場合に、超過分があとで払い戻される制度です。

自己負担限度額は、年齢や所得状況などで変わります。

69歳以下の方の自己負担限度額は次のように設定されています。

適用区分ひと月の上限額(世帯ごと)
年収約1,160万円~252,600+(医療費-842,000)×1%
年収約770~約1,160万円167,400+(医療費-558,000)×1%
年収約370~約770万円80,100+(医療費-267,000)×1%
~年収約370万円57,600円
住民税非課税者35,400円
(引用元:高額療養費制度を利用される皆さまへ P5

70歳以上の方の自己負担限度額は次のとおりです。

適用区分ひと月の上限額(世帯ごと)
外来(個人ごと)
現役並みⅢ年収約1,160万円~252,600+(医療費-842,000)×1%
Ⅱ年収約770万円~約1,160万円167,400+(医療費-558,000)×1%
Ⅰ年収約370万円~約770万円80,100+(医療費-267,000)×1%
一般年収156~約370万円18,000円
(年14万4千円)
57,600円
住民税非課税等Ⅱ住民税非課税世帯8,000円24,600円
Ⅰ住民税非課税世帯
(年金収入80万円以下)
15,000円
(引用元:高額療養費制度を利用される皆さまへ P4)

高額医療費制度は、払い戻しを受けるまで医療費を立て替えておく必要があります。

しかし事前に「限度額適用認定証」の交付を受けておくことで、窓口での支払いを自己負担限度額までで済ませられます。

更生医療

更生医療とは身体障がいを持つ方が障がいを除去したり、軽減したりする治療を受けるときに、自立支援医療費が支給されるものです。

しかしながら新鮮外傷による半月板損傷に対する手術は、更生医療の対象外であるため、半月板損傷の手術で更生医療の適用を受けることはできません。

障害年金

半月板損傷が重症化し、変形性膝関節症になった場合は障害年金の対象となる可能性があります。

障害年金を受給するためには、次の3つの要件を満たしている必要があります。

  1. 初診日要件
  2. 保険料納付要件
  3. 障害状態該当要件

初診日要件とは、障がいの原因となった傷病の初診日時点で、国民年金または厚生年金のどちらかに加入していることです。

保険料納付要件は、一定以上の年金保険料を納めていなければならないことで、障害状態該当要件は、厚生労働省が定めた障害認定基準を満たしているかどうかです。

下肢についての障害認定基準は次のように定められています。

3つの要件をすべて満たしている場合、障害年金を受給できる可能性があります。

傷病手当金

傷病手当金とは、病気やケガで会社を休み、その期間給与が支払われなかった場合に支給されるものです。

傷病手当金は、次の4つの要件をすべて満たしたときに支給されます。

  1. 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
  2. 仕事に就くことができないこと
  3. 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
  4. 休業した期間について給与の支払いがないこと
    (引用元:病気やケガで会社を休んだとき | こんな時に健保 | 全国健康保険協会

傷病手当金が支給されるのは、支給を開始した日から通算して1年6か月です。

傷病手当金は1日あたり次の金額が支給されます。

支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準月額を平均した額÷30日×2/3

(引用元:病気やケガで会社を休んだとき | こんな時に健保 | 全国健康保険協会

介護保険

介護保険とは、65歳以上で要介護、要支援認定を受けた方が、1~3割の自己負担で介護保険サービスを受けられる公的制度です。

要介護認定は各市区町村がおこないますが、要介護と要支援を分ける基準の一つは認知能力であるとされています。

半月板損傷により自由に歩くことが難しい方は、認知能力に問題がなければ要支援段階であると考えられ、介護予防サービスを受けられる可能性があります。

介護保険サービスを希望する場合は、各市区町村の担当窓口に要介護認定を申請しましょう。

また40~64歳であっても、特定疾病で介護が必要な状態になったと認定された方は介護保険サービスを受けられます。

半月板損傷手術後のリハビリ方法

半月板損傷の手術後のリハビリは状態によって異なりますが、一般的に切除術であれば約2~3か月、縫合術であれば約3~6か月の通院リハビリが必要です。

どのようなリハビリを実施するのか解説します。

関節可動域訓練

膝関節の可動域(膝を曲げ伸ばしできる角度)を回復させる運動です。関節は筋肉や靱帯に支えられて動いているため、筋肉や人体の緊張を緩めることで膝を動かしやすくなります。

また関節が固まったり、変形したりしてしまわないためにも、可動域を大きくしていく訓練が必要です。

太もも前側を伸ばすストレッチ

太もも前側を伸ばすストレッチは次のようにおこないます。

  1. 片膝を曲げて床に座る
  2. 上半身を後ろに徐々に倒す

膝関節を支える最も大きな筋肉である大腿四頭筋を伸ばせるため、効果的です。

股関節のストレッチ

股関節のストレッチは次のようにおこないます。

  1. 床に座り、両足の足裏を合わせる
  2. かかとを体に近づける
  3. 手のひらで足の甲を押さえながら、肘で脚を押し広げる

膝関節以外に股関節のストレッチも実施すると、股関節が柔らかくなり、膝への負担を少なくできます。

筋力トレーニング

関節可動域訓練のあと、または同時並行で膝周辺の筋力トレーニングをおこないましょう。半月板には体重を支えて体を安定させる働きがありますが、損傷すると役割を果たせなくなります。

そのため、半月板以外の器官で体を安定させられるように、膝周辺の筋力を強化する方法があります。筋力トレーニングは、半月板損傷を再発させないためにも重要です。

筋力トレーニングの方法は、次のような「枕つぶし」が代表的です。

  1. 床に足を伸ばして座る
  2. 痛む方の膝の下に枕や丸めたバスタオルなどを置く
  3. 膝の裏で枕を押しつぶして5秒キープする

そのほかにもさまざまな筋力トレーニングがあります。医師の指示にしたがって、無理のないようにおこなってください。

半月板損傷の手術費用についてよくある質問

半月板損傷の手術費用について、よくある質問をまとめました。

手術後の高額医療費制度を申請する方法は?

手術後に高額医療費制度の申請を実施する方法は、加入している健康保険によって異なるため、自身が加入している健康保険組合のWebサイトで申請方法を確認しましょう。

会社員が加入する組合健保や協会けんぽなどの健康保険では、加入する健康保険組合に「高額療養費支給申請書」を提出します。

それぞれ申請様式や方法が異なり、添付書類が必要になるケースもあります。自身が加入している健康保険組合がわからない場合は、健康保険証を確認してみてください。

また申請してから払い戻しを受けるまでに3か月以上かかる場合が多く、さらに申請できる期限が決められているため、早めに手続きをした方がよいでしょう。

自営業者が加入する国民健康保険では、市区町村の担当窓口に「高額療養費支給申請書」を提出します。

市区町村によっては自己負担限度額を超えた月の3~4か月後に、申請書が自宅に郵送されてくる場合もあります。

申請書とともに本人確認書類や健康保険証、マイナンバーカード、医療機関の領収書などの添付書類が必要です。

必要な書類については、お住まいの市区町村のWebサイトで確認してみてください。

限度額適用認定はどのようにしたら手に入れられますか?

限度額適用認定証は、自身が加入する健康保険組合に「限度額適用認定申請書」を提出すると取得できます。

限度額適用認定申請書は、各健康保険組合のWebサイトでダウンロードし、記入して郵送する方法が一般的です。

郵送する際に、保険証のコピーを同封する必要があるケースが多いため、よく申請方法を確認しておきましょう。

国民健康保険に加入している場合は、お住まいの市区町村の担当窓口やWebサイトで限度額適用認定申請書を入手し、直接または郵送で提出します。

本人確認書類やマイナンバーカードなどが必要になるため、事前に市区町村のWebサイトで必要書類を確認しておくとスムーズに手続きできます。

半月板損傷の治療にはシン・整形外科がおすすめ

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シン整形外科の半月板損傷の治療は、以下の理由からおすすめです。

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シン整形外科は専門知識を持つ医師がいるため、患者の症状や状態について本質的な診断や治療プランを提供しています。

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まとめ

半月板が損傷すると、膝を曲げ伸ばしする際に痛みやひっかかりを感じ、ひどい場合は急に膝が動かなくなる場合もあります。

半月板損傷の治療方法は、切除術や縫合術の手術が一般的でしたが、幹細胞による再生医療で手術をせずに損傷部位を再生できるようになりました。

半月板切除術の費用相場は7~15万円、半月板縫合術の費用相場は9~20万円です。医療費が高額になった場合、自己負担限度額を超えた分が払い戻される高額医療費制度があります。

事前に限度額適用認定証を申請し交付を受ければ、窓口での支払いが限度額までで済みます。

手術を受けることが決まったら早めに申請しておきましょう。

※本記事の情報は2023年2月時点のものです。
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