人工膝関節置換術は、病気によって損傷した膝関節の痛みや、機能障害を改善するためにおこなわれる手術です。
痛みの軽減や歩行能力の改善など多くのメリットをもたらしますが、一方でリスクや副作用も存在します。そのため、本当に人工膝関節置換術を選択してよいのか悩んでいる方も多いでしょう。
そこで本記事では、人工膝関節置換術の種類やメリット・デメリットについて解説していきます。施術がどのような流れでおこなわれるかもわかるため、人工膝関節置換術を検討している方はぜひ最後までチェックしてみてください。
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人工膝関節置換術とは?

人工膝関節置換術とは、膝関節に異常がある場合に、損傷部を切除し、代わりに金属やプラスチックなどで作られた人工の膝関節を埋め込む手術のことです。
膝関節は、太もも骨とすね骨の間にある滑車のような関節で、膝をスムーズに動作したり、体重を支えたりする役割を果たしています。
しかし、変形性膝関節症や関節リウマチなどの病気によって、関節表面や軟骨、骨などに損傷が生じると、強い痛みや機能障害を引き起こすことがあります。
人工膝関節置換術では、損傷部を取り除き人工の膝関節に置き換えられるため、つらい痛みを和らげ、膝の機能の回復が可能です。ただし、膝の疾患を治療する最終的な方法であり、軽症である場合には他の治療法が適用となります。
人工膝単顆置換術(UKA)
人工膝単顆置換術は、膝関節の内側または外側、いずれか一方のみに限局した関節の損傷がある場合に選択される手術です。膝関節は通常、内側、外側、膝蓋骨の裏面(膝蓋大腿関節)の3つの区画に分けられますが、そのうち1つだけが傷んでいる場合に、損傷部分だけを人工の部品に置き換えます。手術範囲が小さく、周囲の靱帯や筋肉を温存できるため、手術時間が短く出血量も少ないのが利点です。術後の回復が早く、早期に日常生活に復帰しやすい点も特徴です。自然な膝の動きを保ちやすく、階段昇降などの動作もスムーズになります。ただし、膝関節の他の部分にも損傷が進行している場合や、靱帯の不安定性がある場合には、この手術法は適応外となります。
人工膝関節全置換術(TKA)
人工膝関節全置換術は、膝関節の複数の部位(内側、外側、膝蓋骨の裏側)にわたって関節の損傷や変形が進行している場合に行われます。関節軟骨のすり減りが広範囲に及んでいたり、関節リウマチなどで強い炎症や破壊がある場合に適応されます。手術では、損傷した関節表面を骨ごと削り取り、金属やプラスチック製の人工関節に置き換えます。これにより、関節の痛みが大幅に軽減し、O脚やX脚などの変形も矯正されることがあります。術後はリハビリを通じて膝の可動域や筋力を回復させる必要がありますが、長期的な機能改善が期待でき、多くの患者が歩行や階段昇降、日常の動作をスムーズに行えるようになります。人工関節の耐用年数は15〜20年とされており、適切な管理を行えば長く良好な状態を保つことが可能です。

人工膝関節置換術が必要な疾患

人工膝関節置換術が必要になるのは、主に次の疾患が挙げられます。
- 変形性膝関節症
- 慢性関節リウマチ
上記の疾患は軽度であれば温存療法が行われますが、重症化した場合に検討します。人工関節に置き換える手術は最終的な手段になるため、それぞれの疾患について詳しく理解したうえで治療法を決めましょう。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減ってしまうことによって関節の変形や炎症が起き、痛みや腫れ、可動域の制限などが現れる病気です。加齢や肥満、長年の膝への負担、過去のけが(靭帯損傷や半月板損傷など)が原因となって発症します。初期の段階では、関節内の炎症を抑えるための内服薬やヒアルロン酸注射、リハビリテーションなどの保存療法が中心となります。しかし、病状が進行してくると、関節の変形が進み、軟骨だけでなく骨そのものにもダメージが及び、骨同士がこすれ合って強い痛みを感じるようになります。歩く、階段を昇り降りする、正座をする、といった日常的な動作が困難になることもあります。このような状態になった場合、人工膝関節置換術が選択肢となります。手術により損傷した関節部分を人工関節に置き換えることで、痛みを取り除き、歩行能力や関節の可動域を改善し、生活の質(QOL)を大きく向上させることが期待されます。

慢性関節リウマチ
慢性関節リウマチは、自己免疫疾患の一種で、免疫システムが自分自身の関節を異物とみなして攻撃してしまう病気です。関節の内側を覆う滑膜に炎症が生じ、時間をかけて軟骨や骨が破壊されていきます。膝に発症すると、腫れや熱感、痛みが慢性的に続き、関節の変形や可動域の制限が進行します。現在では、生物学的製剤やJAK阻害薬などの登場により、病気の進行をある程度食い止めることができるようになりましたが、すでに変形や関節破壊が進んでいる場合には、薬だけでは改善が難しいケースもあります。そのようなときに行われるのが人工膝関節置換術です。この手術では、破壊された関節の表面を削り、金属やポリエチレンでできた人工関節に置き換えます。これにより、痛みが軽減され、歩行や立ち上がり、階段の昇降といった日常動作が楽になります。リウマチ患者の場合は、全身の関節に病変がある可能性があるため、手術のタイミングや術後のリハビリも個々の状態に合わせて慎重に計画されます。
人工膝関節置換術のメリット
人工膝関節置換術には、次のようなメリットがあります。
- 痛みを大幅に軽減できる
- スムーズな歩行ができるようになる
- 他の関節への負担が減らせる
とくに、痛みを軽減できる点は、日常生活に支障が出るほど苦しんでいる方にとって魅力的なメリットです。それぞれのメリットについて詳しく解説するので、手術を受けるか悩んでいる方はチェックしてみてください。
痛みを大幅に軽減できる
人工膝関節置換術の最大の目的は、膝関節の痛みを取り除くことにあります。変形性膝関節症や関節リウマチでは、関節軟骨がすり減ったり破壊されたりして、骨同士がこすれ合うことで強い痛みが生じます。この状態が長く続くと、安静時や夜間にも痛みを感じるようになり、生活全体の質が低下します。人工関節に置き換えることで、摩耗した関節表面がなくなり、骨同士がこすれることがなくなるため、炎症や痛みの原因そのものが解消されます。多くの患者さんが、術後には長年悩まされていた痛みから解放され、日常動作が格段に楽になったと感じています。
スムーズな歩行ができるようになる
手術によって痛みが減るだけでなく、関節の動きが安定し、膝の曲げ伸ばしがしやすくなります。これにより、歩行時のぎこちなさや不安定感が改善され、階段の上り下りや外出が苦にならなくなります。変形によってO脚やX脚が進行していた場合でも、手術で関節の軸がまっすぐに矯正されることで、正しい歩行姿勢を取り戻すことができます。また、痛みの軽減により活動量が自然と増えるため、体力や筋力の維持・回復にもつながります。歩行器や杖などの補助具が不要になるケースも多く、自由な行動範囲が広がることが期待されます。
他の関節への負担が減らせる
膝に痛みがあると、無意識にかばうような歩き方をしてしまい、それによって股関節や腰、反対側の膝、足首などに余計な負担がかかります。これは「代償動作」と呼ばれ、長期的には膝以外の関節にも痛みや変形を引き起こす原因となります。人工膝関節置換術によって膝が安定し、正しい姿勢と動作を取り戻せるようになると、こうした連鎖的な負担が軽減されます。特に高齢者にとっては、複数の関節障害が同時に進行するのを防ぐことが、将来の自立した生活を守るうえで重要なポイントになります。

人工膝関節置換術のデメリット

人工膝関節置換術には、先述したメリットがある一方で、次のようなデメリットもあります。
- 正座ができないなど一定の行動制限が残る
- 合併症を引き起こすことがある
- 器具の緩みや破損により再手術が必要な場合がある
とくに、合併症のリスクは、手術を受けることでかえって症状が悪くなることもあります。
人工膝関節置換術は、これらのデメリットも理解したうえでの検討が大切です。それぞれ詳しく解説するので、あわせてチェックしておきましょう。
正座ができないなど一定の行動制限が残る
人工膝関節置換術は、一定の行動制限が残り、正座や激しい運動などが術後もできない場合があります。
人工関節の屈曲角度は種類によって異なりますが、多くは120〜130度が最大で、正座をするためには150度程度の屈曲角度が必要になります。
このように、一部の動作に必要な膝の可動域に制限ができるため、痛みは改善しても不自由さを感じる場合があります。
病気になる前の状態に戻りたい方にとっては、デメリットに感じられるでしょう。無理に膝を曲げようとすると、人工関節が破損したり、ゆるんだりする可能性もあるため注意が必要です。
合併症を引き起こすことがある
人工膝関節置換術によく見られる合併症は、次のとおりです。
- 感染症:手術後に発生する感染症で、約1%の患者に発生するとされています。感染が深刻化すると、場合によっては人工膝関節の再手術や治療が必要です。
- 血栓症:術後の安静な状態や膝関節の動きの制限によって、血栓が発生することがあります。血栓が肺塞栓症を引き起こす場合があるため、予防措置が必要です。
- 脱臼:転倒によって人工膝関節が外れることがあります。脱臼が起こると、人工膝関節の修復や交換が必要です。
- 神経障害:手術中に神経が損傷し、手術後に痛みや知覚障害、筋肉の弱さが残る場合があります。
せっかく治療を受けても、合併症を引き起こすとかえって、状況が悪くなる可能性もあります。
これらの合併症を予防するためには、衛生管理や手術前の検査など、病院がどのような対策をとっているのかを確認しておくとよいでしょう。また、自身でも術後の過ごし方で注意すべきことを知り、実践することが大切です。
器具の緩みや破損により再手術が必要な場合がある
人工膝関節置換術では、耐久性が高い金属やプラスチックの器具を使用しますが、器具が緩んだり、破損したりする可能性も0ではありません。
器具の破損は、強い痛みや歩行不能などの深刻な問題を引き起こすことがあり、再手術が必要になる場合があります。再手術は、一般的に元の手術よりも複雑で、先述したような合併症のリスクも高い傾向があります。
また、手術を受ける患者にとっては、再度入院や手術後に長期間のリハビリテーションが必要となり、大きな負担になるでしょう。器具を長持ちさせるためには、術後も膝に負担をかけないような生活を心がける必要があります。

人工膝関節置換術の手術の流れ

人工膝関節置換術の手術の流れは、病院や症状によって異なりますが、大まかな流れは次のとおりです。
- 麻酔
- 膝を切開
- 器具にあわせて形を整える
- 人工関節を骨に固定
- 縫合
それぞれの工程を詳しく解説するので、手術に不安がある方は、事前に確認しておきましょう。
1:麻酔
手術中に痛みを感じないように、局所麻酔または全身麻酔をおこないます。麻酔が効いていることを確認できたら、消毒液で患部周辺の皮膚を入念に消毒します。
2:膝を切開
消毒が完了したら膝をしっかり固定し、皮膚を切開します。切開する長さは約10〜15cmで、損傷の状態や肥満の程度によって変動します。
3:器具にあわせて形を整える
皮膚を切開して関節の骨を露出したら、専用の器具を使用して損傷部を切除し、人工関節の形にあわせて骨の形を整えます。
4:人工関節を骨に固定
骨の形を整えたら、骨のサイズに合う人工関節を挿入し、固定します。人工関節の固定には特殊なセメントを使用する場合もあります。
5:縫合
人工関節が固定されたら、切開部を丁寧に縫合して軟部組織を元の位置に戻します。病院によっては、切開口にチューブを挿入し、切開部に貯まる液体を排出させる場合もあります。
以上が、人工膝関節置換術の主な手術の流れです。手術時間は、患者の状態や手術の複雑さによって異なりますが、一般的には2〜3時間かかることがあります。手術後は、正常な膝関節機能を回復させるためリハビリをおこないます。
人工膝関節置換術の手術後に気をつけること

人工膝関節置換術の手術後は、膝に負担をかけないために、次のようなことに気をつけて過ごすことが大切です。
- 人工関節に負担をかける運動・動作を控える
- 重い荷物は持たない
- 着替えは座って実施する
主に、日常生活の中で気をつけるべきポイントで、意識することで膝への負担を抑えられます。人工関節を長持ちさせるために、それぞれしっかり意識しながら過ごしましょう。
人工関節に負担をかける運動・動作を控える
先述したように、人工膝関節置換術に使用される器具は緩んだり破損する可能性があるため、術後は人工関節に負担をかける運動・動作は控えてください。
具体的には、ジャンプしたり、膝を深く曲げたりするスポーツは、人工膝関節のゆるみや破損に繋がりやすくなります。とくに、テニスやバスケットボール、サッカー、バレーボールなどは膝に負担がかかりやすいためNGです。
人工関節が破損すると、関節周囲の痛みや不快感を引き起こし、関節周囲の組織や骨にも損傷を与えることがあります。手術によって改善されたにもかかわらず、再び治療が必要になる可能性があるため十分に注意しましょう。
重い荷物は持たない
重い荷物を持つことも膝の負担になりやすいため、できる限り控えましょう。荷物が重くなりがちな買い物に出かける際は、背負うタイプや、キャスターがついた鞄がおすすめです。
もし、手で荷物を持たなくてはいけない場合は、手術を受けた方の手で持つ方が人工関節への負担を抑えられるため、意識してみてください。
着替えは座って実施する
人工膝関節置換術の手術後は、衣服の着替えをできる限り座った状態でおこないましょう。
立ち上がったり座ったりする動作は日常の中で欠かせませんが、膝に負荷がかかるため回数を減らすことが望ましいといえます。
そのため、着替える際は椅子に座り、片方の脚を前に出し、もう片方の脚を上げて着替えるなど、膝に負担をかけない工夫が必要です。また、履物を履く際も、椅子に座って足を前に出し、履物を履くようにすると負荷をかけずに着脱できます。
手術後は、日常生活の中で手術部位に負荷をかけないように気をつけましょう。

人工膝関節置換術に関するよくある質問

人工膝関節置換術に関するよくある質問は次のとおりです。
- 人工膝関節置換術は保険適用できる?
- 人工膝関節置換術の入院期間はどのくらい?
- 人工膝関節置換術の術後リハビリは必要?
とくに、手術は高額になる傾向があり生活を圧迫する可能性もあるため、保険適用になるかどうかは事前に知っておきたいポイントです。それぞれの質問に詳しく回答するため、事前に確認しておきましょう。
人工膝関節置換術は保険適用できる?
人工膝関節置換術は、ベッド代や食事代を除く費用が保険適用になります。また、手術にかかる費用は報酬診療によって全国どの病院でも同じ額です。
万が一、自己負担額が高額になった場合、自己負担限度額を超えた金額を払い戻してもらえる高額療養費制度の利用も可能です。具体的な保険適用の詳細については、医療機関や保険制度の担当窓口にお問い合わせください。
人工膝関節置換術の入院期間はどのくらい?
人工膝関節置換術の入院期間は、膝の状態や手術法などによって異なりますが、一般的にはリハビリも含めて2〜3週間程度です。両足の手術を実施する場合や、高齢者の場合は3〜4週間程度かかります。
最終的な退院のタイミングは、手術後の状態や合併症の有無、身体的なリハビリテーションの進み具合によって決まります。
体力があり、術後の経過が良ければ早く退院できる場合もあるため、担当医と相談しながら、最適な入院期間を決めるとよいでしょう。
人工膝関節置換術の術後リハビリは必要?
人工膝関節置換術の術後にはリハビリが必要です。リハビリは、患部の筋力や可動域、日常生活動作の回復を促すことを目的としておこないます。
具体的なリハビリの内容は、歩行訓練や筋力増強訓練、関節可動域訓練、生活動作指導などがあり、必要に応じて組み合わせて実施します。
リハビリの期間には個人差がありますが、一般的には手術後6週間から3か月程度です。術後の経過やリハビリの進み具合によって、期間が変わる場合もあります。
膝関節の病気は手術をしたら治療が完治するわけではないため、術後のリハビリにしっかり取り組むことが大切です。
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まとめ

人工膝関節置換術とは、変形性膝関節症や関節リウマチなどによって損傷・変形した膝関節の表面を人工の部品に置き換える手術です。関節の痛みを和らげ、歩行能力や日常生活動作を改善することを目的として行われます。保存療法では効果が不十分な場合や、関節の変形が進行している場合に適応されます。
手術には主に2種類があります。ひとつは「人工膝単顆置換術(UKA)」で、膝の内側または外側の一部の損傷に限定されている場合に行われます。関節全体ではなく一部のみを人工部品に置き換えるため、術後の回復が早く、関節の自然な動きを残せるという特徴があります。もうひとつは「人工膝関節全置換術(TKA)」で、膝関節の広範囲にわたる損傷がある場合に行います。関節のすべての接触面を人工関節に置き換えるため、痛みの大幅な軽減と変形の矯正が可能です。
手術の流れとしては、事前検査と術前リハビリを経て、全身または下半身麻酔のもと手術を実施します。手術後は数日間の入院とリハビリが必要となり、膝の可動域の改善と筋力回復を目指します。通常、術後数週間で歩行が安定し、3〜6か月ほどで日常生活の多くの動作がスムーズに行えるようになります。
メリットとしては、まず痛みを大きく軽減できることが挙げられます。さらに、スムーズな歩行が可能になり、膝をかばうことで起こる他の関節への負担も軽減されます。手術によってO脚やX脚といった変形が矯正される場合もあります。
一方で、デメリットとしては、人工関節には耐用年数(およそ15〜20年)があり、若い年齢で受けると再置換術が必要になる可能性があること、術後しばらくはリハビリが必要であること、感染症や血栓などの術後合併症のリスクがあることなどが挙げられます。
人工膝関節置換術は、膝の痛みによって生活の質が著しく低下している方にとって、機能回復と痛みの緩和を得るための有効な手段です。ただし、術後のリハビリや生活習慣の見直しも成功の鍵となるため、医師と相談しながら総合的に判断することが大切です。