変形性膝関節症はひざの痛みを伴う病気で、悪化すると脚が変形することがあります。
ひざが痛いと普段の生活に支障が出たり、変形性膝関節症が悪化すると歩くことも難しくなったりするため、治療しなければなりません。
変形性膝関節症は、年齢を重ねた方が発症する病気だというイメージがありますが、実際には20代、30代と若い年代でも発症します。
そこで、20代で変形性膝関節症を発症する主な原因や、痛みを軽減させる方法を紹介します。
変形性膝関節症の可能性が考えられる方や、ひざの痛みに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
20代で変形性膝関節症になる原因
ひざの痛みに悩む方の多くは変形性膝関節症だとされています。
20代で変形性膝関節症になる原因は、ひざの使いすぎや激しいスポーツによるものです。
さらに、近年では遺伝で変形性膝関節症を発症することもわかっています。まずは、20代で変形性膝関節症になる主な原因を紹介します。
ひざの使いすぎ
20代でもひざを使いすぎると変形性膝関節症を発症します。
変形性膝関節症は、ひざの軟骨がすり減り、動かしにくくなったり、痛みを感じたりする病気です。
年齢とともに軟骨は弾力がなくなり、すり減り、ひざの痛みを感じやすいです。
しかし、年齢が若くてもひざを曲げ伸ばしする動作が多いと変形性膝関節症を発症することがあります。
また、適度に運動するためにエスカレーターを使用せず階段の上り下りを習慣化している方は多いです。
軽い運動であっても、体重が重い、やり方を間違えるなどでひざを痛める可能性があるため注意しましょう。
スポーツでの衝撃
ひざに負担がかかる運動や筋トレをしていると変形性膝関節症になりやすいです。
とくに、体重が重い方はスポーツでひざに大きな衝撃が加わるため、変形性膝関節症を発症しやすくなります。
さらに、あまり運動をしない方が急に運動する際には注意が必要です。
たとえば、長時間のウォーキングやハイキングなど急に大きな負担をかけると、軟骨がすり減って炎症が起こり、強い痛みを感じることがあります。
炎症によってひざが腫れたり水が溜まったりと、痛み以外の症状が起こる場合もあるでしょう。
天気や気温の変化
天気が悪い日や気温の変化が大きい日は、ひざの痛みを感じる方が多いです。
気圧が下がると、人間の身体は変化に対応するために心拍数と血圧を上げます。
心拍数や血圧が上がると交感神経が優位になります。
血管が収縮したり、アドレナリンが出たりして神経が刺激されるため、変形性膝関節症の症状を実感することがあります。
天気や気温の変化でひざの痛みを感じる場合、気候に大きな変化がなければ、心拍数と血圧が安定して痛みを感じなくなることが特徴です。
遺伝
近年、変形性膝関節症に関連する遺伝子が発見され、遺伝で発症することがわかっています。
該当する遺伝子を持っている方は、持っていない方と比較して変形性膝関節症の発症確率が1.6倍です。
なお、遺伝のみならず、日常の運動や動作なども影響します。
O脚
O脚の方は、太ももの内側の骨とスネの骨の距離が近いことが特徴です。
そのため、ひざの内側に体重がかかりやすく、軟骨がすり減るほか、骨が変形しやすいです。
さらに、太ももの骨とスネの骨が近いため、軟骨がすり減り、変形性膝関節症を発症します。
また、O脚の方は、歩く際に脚が横に揺れて、よりひざに負担がかかります。そのため、変形性膝関節症になる可能性が高いです。
変形性膝関節症になると更にひざに負担がかかり、ひざの内側の軟骨がすり減って骨も変形するため、O脚が目立ちます。
O脚で変形性膝関節症の場合、ひざが曲げ伸ばしが困難で正座もできなくなり、日常生活に支障が出るでしょう。
肥満
20代で変形性膝関節症を発症する原因のひとつに、肥満が挙げられます。
とくに、急に体重が増えた方は、ひざの痛みを感じやすいため注意しましょう。
ひざへの負担は歩行時に体重の約3倍、階段を上り下りする際には約7倍です。
体重が1kg増えれば、歩行時の負担は約3kg、階段の上り下りでは約7kg増えるため、肥満は変形性膝関節症の大きな原因になることがわかります。
急に体重が増えた後、ひざが痛いと感じるようになった方は、無理のないダイエットをしましょう。
体重が増えて変形性膝関節症になると、運動を避けるようになります。しかし、運動不足になると更に体重が増えるケースは珍しくありません。
ただし、ウォーキングや散歩など軽い運動もできないほど、ひざの痛みを感じるときは早めに病院を受診しましょう。
20代によくある変形性膝関節症の症状
20代で変形性膝関節症になると、歩行時のひざの痛みや正座ができないなど、日常生活に支障が出ることも多いです。
20代によくある変形性膝関節症の主な症状を紹介します。
歩くとひざが痛い
20代で変形性膝関節症を発症すると、起きて身体を動かしたり歩いたりするとひざに痛みを感じることが多いです。
歩き出す瞬間や起き上がる動作で、ひざが動かしにくい、足が重いなど、我慢できる程度の痛みを感じます。
しかし、少しの時間身体を動かしていればひざの痛みが治るため、変形性膝関節症だと思わず、気にしない方が多いです。
変形性膝関節症の症状が進行すると、階段の上り下りや正座、方向転換をする際に、ひざに痛みを感じるようになります。
正座ができない
20代で変形性膝関節症になると、ひざの内側が痛くて正座やあぐらをかく仕草、しゃがむ、走るなどの動きができなくなります。
また、長時間立ったままで過ごしていると、ひざに強い痛みを感じるでしょう。
長時間歩くとひざが痛くなる、立ったままでいられないなど、行動が制限されることもあります。
階段の上り下りがつらい
階段の上り下りをする際には、平坦な道を歩くときよりもひざに大きな負担がかかります。
ひざを曲げ、上の段に反対の足を踏みきる際には、ひざに負荷をかけて登ることが一般的です。
階段を上り下りし始めた際に痛みを感じる程度だった方でも、変形性膝関節症の悪化によって強い痛みや、足の変形が起こることがあります。
20代の変形性膝関節症の痛みが軽減する方法
20代で変形性膝関節症になっても、痛みを軽減できるケースがあります。サポーターの使用やストレッチなど、すぐに実践できる方法を紹介します。
サポーターを使用20代で
変形性膝関節症の痛みが強い方は、サポーターを巻く方法がおすすめです。
ひざにサポーターをつけることで、痛みを軽減する効果が期待できます。
サポーターは、ひざが左右に動かないように安定させるための固定タイプと、血流が悪いことによってひざが痛くなる場合に使用する温感タイプがあります。
固定タイプのサポーターはどのような症状にも使用でき、温めるサポーターはひざの痛みが続いている方におすすめです。
なお、ひざ用サポーターで固定すると痛みを軽減できますが、あくまでもサポーターで支えているからです。
サポーターをつけているとひざに痛みを感じないという理由で激しい運動すると、変形性膝関節症が悪化するため注意しましょう。
ひざのストレッチ
ひざのストレッチで関節を柔らかくすることで、痛みを軽減させられます。
ストレッチはひざ周辺の筋肉が縮んで痛みを感じているときにも効果的です。
初心者でも簡単におこなえるため、立ち上がる際や家事をするついでにおこないましょう。
- 椅子に浅く座り、片脚を伸ばす
- 両手を膝の上に手を置いて、膝を伸ばす
- 背筋が曲がらないように注意しながら、同時につま先を上に反らす
- 15~30秒キープ
- 反対の脚も同じようにおこなう
ストレッチを定期的におこなうと、可動域を維持したり改善したりする効果が期待できます。
さらに、筋力トレーニングも変形性膝関節症の痛みを和らげるのにおすすめです。
ひざ周辺の筋肉をつけることでひざの動きが安定し、関節の曲げ伸ばしの動きでひざがこわばりにくくなります。
急な痛みがあるときは冷やす
変形性膝関節症は痛みのみならず、腫れや熱を持った感覚を覚えることがあります。
また、ひざが赤く腫れている、膨らんでいるのであれば、熱を持っているため冷やす必要があります。
水で濡らしたタオルを使用して、30分ほど冷やしましょう。ひざの痛みが強い場合は1日に3回、数日間、痛みがなくなるまで冷やし続けます。
ひざの痛みがあるときには運動は控えなければなりませんが、ひざを冷やして痛みがなくなったら再開しても問題はありません。
杖を使用する
杖は年配の方が使用するイメージがあるため、20代では抵抗がある方もいるでしょう。
しかし、変形性膝関節症が痛いときには、杖を使用するのもおすすめです。
杖は、痛くない方の足と同じ手で持ちます。たとえば、左のひざに痛みがあり右のひざが痛くないときには、右手で杖を持ちましょう。
20代の変形性膝関節症における日常生活での注意点
20代で変形性膝関節症になった場合、それ以上に悪化させないことが大切です。
ここでは、変形性膝関節症になった際に、日常生活で注意しなければならないことを紹介します。
体重を増やしすぎない
変形性膝関節症は、体重が増えると痛みが強くなり、症状が悪化します。
変形性膝関節症だと診断されたら、毎日しっかりと体重測定をして、体重を増やしすぎないことが大切です。
肥満になるとメタボリック症候群、高血圧、動脈硬化などにつながり、変形性膝関節症以外の病気にかかる可能性もあります。
しかし、体重は簡単に減らせるものではありません。
健康を維持しながら減量するためには、食べる量は腹八分目にして、おやつを食べないこと、毎日軽い運動と体重測定を習慣化することがポイントです。
ひざが痛いときは無理に歩かない
ひざが痛いときには、無理に運動しないことが大切です。
しかし、一切動いてはいけないわけではありません。日常的な階段の上り下りや歩く動作はおこなえます。
ただし、激しい運動や重い物を持つ、長時間立ったままなどの動きは避けましょう。
日頃からスポーツをしている方は数日間安静にして、痛みがなくなってから運動を再開しましょう。
階段では手すりを使用する
階段や玄関、浴槽など段差がある場所では、手すりを使用するとよいでしょう。
まず、痛みがない方の脚を先に出します。階段を降りる際にひざに痛みを感じる場合、上りは痛くない方が足を先に出し、下る際には痛い方の脚を先に出します。
このような手順でおこなうことで、ひざの痛みを軽減できます。
変形性膝関節症の治療方法
変形性膝関節症の治療方法には、保存療法と手術療法があります。
変形性膝関節症の症状が重くない場合、まずは保存療法からおこなうことが一般的です。変形性膝関節症の治療方法について、くわしく紹介します。
保存療法
変形性膝関節症は、基本的に手術以外の保存療法からおこないます。
ひざの炎症を抑えて痛みを抑制する湿布や内服薬の処方、ひざ関節のヒアルロン酸注射、ひざの水を抜く治療や、インソール、サポーターを使用します。
また、筋力トレーニングでひざの可動域を改善するほか、リハビリを並行しておこなうことが多いです。
【ヒアルロン酸注射】
変形性膝関節症は、関節内にある滑液が減少するため、滑液の主成分のヒアルロン酸を注射します。
ヒアルロン酸によって関節の滑りがよくなり、スムーズにひざが動く効果が期待できるでしょう。
【サポーター・インソール】
保存療法では、ひざを安定させて負担を軽減するサポーターや、靴の中にインソールを入れることもあります。
靴の中に、小指側が高くなるように作られた中敷きを入れてO脚を矯正して、ひざの負担を軽減します。
【リハビリ】
リハビリは、筋力が低下して動かしにくくなったひざの可動域を改善し、症状の悪化を防ぐ効果が期待できます。
また、ひざへの負担を軽減するためには、太ももの前にある筋肉を鍛えることが重要です。
太ももの筋肉をメインに、脚全体の筋肉や体幹を鍛える訓練をおこないます。
【生活指導】
変形性膝関節症になると、ひざをまっすぐ伸ばす、深く曲げるなどの動きが困難になります。
リハビリやトレーニングのみではなく、生活指導や動作に関するアドバイスも大切な治療のひとつです。
変形性膝関節症は、ひざに負担がかかる動きを避けなければなりません。普段の生活で、ひざに負担をかけない動作を理解する必要があります。
また、体重の増加によって変形性膝関節症を引き起こしている方は、減量の指導も受ける必要があるでしょう。
手術療法
ひざの保存治療をしても変形性膝関節症がよくならない場合には、外科的治療として手術療法を用います。
変形性膝関節症の痛みが強い方や、症状が長期間続いている方、重症な方は手術が必要です。
ほかにも、接骨院に通って症状が緩和しない、リハビリやヒアルロン酸注射、水を抜く治療の効果がない方も、手術療法を検討することがあります。
保存治療を長時間継続しても変形性膝関節症が治らないのは、ひざの痛みの原因が根本から改善できていないためです。
脚の外側から保存治療を続けていても、変形性膝関節症が治らない可能性が高いです。
手術療法は、内視鏡を使用すればメスを使用せずに治療できます。傷口は1cmほどで、入院期間も短いため、日常生活に支障が出にくいでしょう。
20代の変形性膝関節症に関するよくある質問
20代で変形性膝関節症になった場合、手術を受けられるのか、いつ病院に行くべきかなど、不安や疑問を抱くことも多いでしょう。
最後に、変形性膝関節症に関するよくある質問を紹介します。
20代でも変形性膝関節症の手術を受けても問題ない?
20代でも、変形性膝関節症の手術を受けられます。ひざの関節に負担がかかり続けると、靭帯損傷や半月板損傷につながるため注意が必要です。
1回の損傷は小さなものであったとしても、繰り返されると慢性的な炎症により変形性膝関節症が進行します。
手術療法が適していると判断された場合は、手術を検討しましょう。
どのくらいの痛みから病院へ行くべき?
ひざの痛みが強くない場合でも、6週間以上痛みが続いている方は病院で検査を受けましょう。
ひざの痛みの原因を明確にして、適切な治療法を提案してもらう必要があります。
ただし、ひざが腫れていたり、動かなくても強い痛みを感じたりする場合は、6週間以上待たず、早めに病院へ行くことをおすすめします。
変形性膝関節症は完治する?
変形性膝関節症を完治させる方法はありません。変形性膝関節症の痛みを緩和させ、症状によっては痛みが一時的になくなることはあります。
変形性膝関節症は「完治する=痛みがなくなる」わけではありません。変形性膝関節症は、完治しなくても痛みを取り除けます。
そのため、適切な治療を受ければ日常生活に支障なく過ごすことができます。
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まとめ
20代でも生活習慣によっては変形性膝関節症になる可能性はあります。とくに、スポーツをする方は変形性膝関節症になりやすいです。
ひざの軟骨がすり減ると元に戻りませんが、ひざの痛みは緩和できることがあります。専門医の指導を受け、正しい治療を進めることが大切です。
症状によりますが、保存療法でリハビリや筋力トレーニング、減量など日常生活のなかで自身でおこなえることから始めましょう。
膝の痛みや違和感を覚えた場合や変形性膝関節症の可能性がある方は、病院で検査を受け、治療法を提案してもらいましょう。
※本記事の情報は2023年1月時点のものです。
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