「変形性膝関節症手術をおこなえば膝の痛みは治るのか」、「そもそも変形性膝関節症手術ってどのような手術なのだろうか」膝の痛みを抱えている方のなかには、このような疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、そのような方に向け、変形性膝関節症手術について解説していきます。
手術の種類や入院期間、手術を受けるべきタイミングなども説明するため、膝に痛みを抱えている方はぜひ参考にしてみてください。
変形性膝関節症手術の種類
変形性膝関節症とは、膝関節にある軟骨の質が低下することで少しずつすり減り、歩行時に膝の痛みを伴う病気です。
保存療法で改善が見られなければ手術をおこなうことが多いです。
変形性膝関節症手術の種類は、次の3つに分類されます。
- 関節鏡視下手術
- 高位脛骨骨切り術
- 人工関節置換術
詳しく解説していきます。
関節鏡視下手術
関節鏡視下手術とは、すり減った軟骨の破片や損傷した半月板など痛んでしまった膝の組織を取り除く手術で、症状が軽い方に適応される場合が多いです。
傷んだ組織を排除することで炎症を起こりにくくさせ、痛みを緩和させる効果が期待できます。身体への負担が少なく、日常生活へ早く復帰できる点が大きなメリットです。
しかし、病気を根本からの解決はできないため注意が必要になります。費用負担は、3割で5万円程度、1割だと2万円程度かかります。入院期間は1週間程度です。
高位脛骨骨切り術
高位脛骨骨切り術とは、脛骨の一部を膝関節の近くで切り、膝の変形を整える手術です。関節鏡視下手術で症状の改善が見られない場合に適用されます。
膝関節の傾きを正常に戻すことが主な目的となっており、手術後はスポーツ競技への復帰など、活動的な動きが可能になります。
ただし、切った骨が繋がるまでの約半年間は経過観察を続けなければなりません。場合によっては、長期間のリハビリが必要になることもあるため注意が必要です。
費用負担は、3割で10~12万円程度、1割の場合は3~4万円程度になります。手術後は4週間程度で退院できます。
人工関節置換術
人工関節置換術とは、すり減って形が変わってしまった関節を、人工的な部品に差し替える手術です。
関節の一部のみを差し替える人工膝関節単顆置換術(UKA)と、全体を差し替える人工膝関節全置換術(TKA)の2種類があります。
膝の痛みを大幅に軽減させる効果が期待できる点がメリットです。しかし、手術後は正座や激しい運動が困難になるため注意が必要です。
また、身体への負担も大きく、他の手術と比べてリハビリが長期間になる可能性もあります。そのため、基本的に高齢の方が受けることが多い手術法です。
費用負担は、3割で24万円程度、1割の場合8万円程度と、3つの手術のなかで最も高額になります。入院期間は、2週間~2か月程度かかる場合があります。
人工膝関節単顆置換術(UKA)
人工膝関節単顆置換術は、膝関節の一部のみを人工的な部品に差し替える手術です。靭帯はそのまま残すため身体への負担が少なく、入院期間も短く済ませられます。
人工膝関節全置換術(TKA)
人工膝関節全置換術は、膝関節のすべてを人工的な部品に差し替える手術です。手術後は膝の変形が改善し、関節が安定します。
ただし、靭帯の切除を伴うため、手術後は膝を曲げられる範囲が制限されてしまいます。
変形性膝関節症手術を検討したいタイミング
「膝に痛みがあるけど、手術をおこなう必要があるかわからない」という悩みを持っている方も多いのではないでしょうか。
変形性膝関節症手術をおこなうかどうかは、痛みの度合いや症状、年齢などを考慮して検討されることが多いです。
一つの目安として、次に当てはまる場合は手術を検討するタイミングといえるでしょう。
- 日常生活に支障が出ている
- 保存治療を続けても膝の痛みが改善されない
- 進行度合いがグレード3以上
次で詳しく解説していきます。
日常生活に支障が出ている
膝の痛みによって日常生活に支障が出ている場合は、手術を検討するタイミングといえるでしょう。
膝を曲げる動作はもちろん、歩くこともつらい状態であるならば、すぐに病院の受診をおすすめします。
保存治療を続けても膝の痛みが改善されない
保存療法を続けても膝の痛みが改善されない場合にも、手術を検討する必要があります。
症状によって異なる場合もありますが、一般的に数か月から1年間保存療法を続けても膝の痛みが改善されないときには、手術を検討するのがいいでしょう。
進行度合いがグレード3以上
症状の進行度合いがグレード3以上の場合も、手術を検討しましょう。変形性膝関節症の重症度は、レントゲン写真を活用して判定します。
その中でも一般的な指標として利用されるものが、グレードといわれるKellgren-Lawrence(ケルグレンローレンス)分類です。
グレードは関節の隙間の広さによって1から4までに分類され、グレード2以降だと変形性膝関節症と診断されます。
グレード3の場合だと、骨棘の形成や骨硬化がはっきりと確認できる状態となるため、手術を検討する必要が十分にあるといえます。
変形性膝関節症手術の前に気をつけること
もし、変形性膝関節症手術を受けることになった場合、手術前までに気を付けておくべきことが2つあります。
- 禁煙する
- 虫歯の治療を済ませておく
次で詳しく解説していきます。
禁煙する
喫煙している方は、変形性膝関節症手術前は禁煙してください。喫煙には肺機能を低下させたり、感染症の発症リスクを増加させたりする恐れがあります。
そのため、手術前の1か月と手術後の1か月から2か月間は禁煙するようにしましょう。
虫歯の治療を済ませておく
虫歯の治療も必ず済ませておいてください。虫歯が残ったまま変形性膝関節症の手術を受けると、手術後に感染症を発症するリスクが高まります。
変形性膝関節症手術後に気をつけること
変形性膝関節症手術後は、今までよりもさらに膝への負担を減らすよう心がけましょう。
とくに気を付けるべきポイントは次の4つです。
- 膝に負担をかける運動や動作を控える
- 膝を冷やさない
- 重い荷物を持たない
- 膝が安定する靴を履く
膝に負担をかける運動・動作を控える
手術後は、膝に負担をかける運動や動作を控えてください。とくに、しゃがんだ状態から立ち上がる動作は膝に大きな負担がかかります。
膝に負担をかける動きはできる限り避けて、なるべく安静に過ごすように心がけましょう。
膝を冷やさない
手術を終えた日常生活では、なるべく膝を冷やさないようにしてください。
膝が冷えると血の巡りが滞り、筋肉の動きが悪くなって痛みを感じる原因となる物質の排出がうまくできなくなります。
寒くなると膝が痛くなるのもこれが主な原因といわれています。手術後は膝を冷やさず、市販のサポーターや入浴で温めるようにしてください。
重い荷物を持たない
重い荷物を持つと膝に大きな負担がかかるため、できる限り持たないようにしてください。
どうしても荷物を持たなければいけないときは、車輪付きのショッピングカートやキャリーバッグを利用するのがおすすめです。
また、片手で持ち続けるのではなく、適度に持ち替えて、両膝に同じだけの負荷がかかるようバランスを調整するとなおいいでしょう。
膝が安定する靴を履く
手術後は、なるべく膝が安定する靴を履くようにしましょう。具体的には、かかとが低くてクッション性があり、足の甲まで覆うようなタイプの靴が理想です。
反対に、ヒールの高い靴やサンダルなど、足を支える部分が少ないタイプの靴は膝に負担がかかる原因となるため、使用を避けるようにしてください。
変形性膝関節症における手術以外の治療方法
メスを入れることが怖い、なるべく手術はしなくないという方は、手術以外の治療方法で、変形性膝関節症の改善を目指すことがおすすめです。
手術以外の治療方法には、保存療法と再生療法の2種類があります。
次で詳しく解説していくため、手術以外の治療を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
保存療法
保存療法とは、手術を伴わない治療方法のことです。具体的には、正しい姿勢への補正や筋力トレーニングをおこなうことで、痛みや症状の改善を目指します。
変形性膝関節症における保存療法は、次の3つに分類されます。
- 運動療法
- 装具療法
- 薬物療法
運動療法
運動療法とは、膝関節の周りにある筋肉をトレーニングで鍛える治療法です。
筋肉は、膝関節への負担や衝撃を和らげる役割を担うため、鍛えることで痛みの軽減や症状の進行を抑える効果が期待できます。
変形性膝関節症における運動療法では、下肢挙上運動やプールでの歩行など、膝に負担がかからないトレーニングをおこなうことが多いです。
装具療法
装具療法とは、専用の装具を装着し、膝の痛みの軽減や変形の矯正、負担の減少をはかる治療法です。
変形性膝関節症の治療では、サポーターやインソールなどの装具を使用することが多いです。
薬物療法
薬物療法とは、膝の関節内で起きた炎症を鎮痛剤で抑える治療法です。鎮痛剤のほかにも、湿布や軟膏を併用する場合があります。
膝の炎症や痛みを抑えることが目的のため、変形を改善する効果はありません。
再生療法
再生療法とは、変形性膝関節症に対する最新の治療法で、人間にもともと備わっている自然治癒力を利用して症状の改善をはかります。別名、APS療法やPRP療法ともよばれています。
具体的には、自身の血液から採取した細胞を膝関節内に注射し、血小板から放出される成長因子によって組織の修復を促します。
手術をすることなく変形性膝関節症を改善する効果が期待できるため、体力のない高齢の方や、手術を受けたくない方にもおすすめの治療法です。
変形性膝関節症の手術に関するよくある質問
最後に、変形性膝関節症手術についてよく寄せられる質問に回答していきます。
変形性膝関節症手術の費用はどのくらい?
受ける手術によって費用は異なります。費用負担の大まかな相場をまとているため、ぜひ参考にしてください。
手術の種類 | 費用負担(3割) | 費用負担(1割) |
---|---|---|
関節鏡視下手術 | 約5万円 | 約2万円 |
高位脛骨骨切り術 | 約10~12万円 | 約3~4万円 |
人工関節置換術 | 約24万円 | 約8万円 |
変形性膝関節症手術で膝の痛みは治る?
変形性膝関節症手術をおこなうと膝の痛みは治ります。
しかし、痛みがなくなったからといって膝を全く気にせず、膝関節に負担がかかるような動作ばかりしていると、痛みの再発や、再手術が必要になるほど悪化する可能性もあるため注意が必要です。
変形性膝関節症手術の入院期間中に動いてもいい?
変形性膝関節症手術の入院期間中は、なるべく安静に過ごすようにしましょう。
無理に動いてしまうと痛みや腫れが悪化し、最悪の場合、入院期間が延びてしまう恐れもあります。
変形性膝関節症手術のリハビリ期間はどれくらい?
リハビリの期間は手術後の状態や生活環境によって異なりますが、3か月程度が目安となります。
関節鏡視下手術の場合リハビリは大抵必要ありませんが、高位脛骨骨切り術の場合は最低3か月、人工関節置換術の場合は1か月~3か月程度見ておくといいでしょう。
一般的には、階段昇降ができるようになるとリハビリが完了したと判断され、退院となる病院が多いようです。
変形性膝関節症の手術後は何日で歩けるようになる?
変形性膝関節症の手術後に何日で歩けるようになるかは、手術方法によって異なります。
関節鏡視下手術の場合は手術の翌日から2日後には歩けるようになりますが、手術前と同じような生活を送るようになるまでは、2~3週間程度かかります。
高位脛骨骨切り術の場合は、4週間程度で歩けるようになります。ただ、長時間の立ち仕事は腫れやむくみを起こす原因になるため、3か月は避けた方がいいでしょう。
人工関節置換術の場合は、1~2か月程度で歩けるようになります。身体への負担が大きい手術のため、人によっては歩けるようになるまでさらに時間を要する場合もあります。
変形性膝関節症の手術にリスクはある?
変形性膝関節症の手術には、合併症のリスクが伴います。手術の際に患部に細菌が侵入して感染し、腫れや痛み、発熱などの症状を引き起こします。
なお、合併症はどの手術にも起こりうるリスクのため、完全になくすことはできません。
合併症を引き起こしてしまった場合には、再手術をおこない、細菌を死滅させる必要があります。
変形性膝関節症の手術後はスポーツや運動は可能?
変形性膝関節症の手術後すぐは、スポーツや運動をおこなうことは控えましょう。
どうしても身体を動かしたい場合は、膝に負担がかからない程度の軽い運動なら問題ありません。
ジョギングやウォーキングよりも、膝関節に負担がかからない自転車や水中ウォーキングがおすすめです。
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まとめ
本記事では、変形性膝関節症手術について、種類や入院期間、手術を受けた方がいいタイミングも解説しました。
変形性膝関節症は、症状の程度によって受けるべき手術が異なります。
自身にはどの手術が向いているのか、そもそも手術を受けるべきなのかを確認するためにも、まずは一度、病院へ診察を受けに行くことをおすすめします。
※本記事の情報は2022年12月時点のものです。
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