「ブシャール結節とリウマチは似ているけど違いはあるのか」「それぞれの症状と治療法について知りたい」
指の関節に痛みや腫れを感じている方は、上記のような悩みを抱えているかもしれません。
ブシャール結節とは、指の第二関節の軟骨が摩耗し、指が変形したり腫れたりする症状です。一方リウマチは、関節が炎症を起こして軟骨や骨が破壊され、悪化すると関節が変形する病気です。
ブシャール結節とリウマチは、似ているようで、症状の原因や発生方法に違いがあるといえます。
今回は、ブシャール結節とリウマチの違いについて詳しく解説します。それぞれの症状と治療法についても紹介するため、指の関節に痛みや腫れがある方はぜひ参考にしてみてください。
ブシャール結節とリウマチの違い
ブシャール結節とリウマチはどちらも指関節の腫れやこわばり、痛みなどの自覚症状や、40代以降の女性が患いやすいなど、共通する点が多い病気です。
大きな違いとしては、ブシャール結節は指の第2関節にしか発生しない症状であるのに対し、リウマチは指関節のみでなく全身の関節に症状が出ます。
またリウマチは朝に患部のこわばりが強くなる点も特徴的です。指を動かそうとしても動かしづらい症状が30分以上続くこともあります。
ブシャール結節かリウマチかを自信で判断するのは難しいですが、病院で診断を受ければすぐにわかります。
レントゲンで患部を撮影し、関節が破壊されている場合はリウマチ、摩耗によって骨がトゲになっている状態が見られればブシャール結節と判断可能です。
そのほかに問診や触診、血液検査でも診断できます。症状の出始めでも判断できるため、専門医のところで診察を受けてください。
ブシャール結節の特徴
ブシャール結節は指の第2関節に変形や腫れなどの症状が出る病気です。痛みは必ず生じるわけではないため、痛みを全く感じない方もいます。
ブシャール結節と似た症状を持つ病気にヘバーデン結節があります。ヘバーデン結節もブシャール結節と同様に指の変形性関節症ですが、こちらは指の第1関節に症状が出る病気です。
とくに40代以降の女性に多く見られるブシャール結節の特徴を詳しく解説します。
ブシャール結節の原因
ブシャール結節の原因は、はっきりとわかっていません。ただし、次のようなことが原因ではないかといわれています。
- 遺伝
- 加齢
- 更年期
- 腎臓機能の低下
- 手先の使いすぎ
- 妊娠や出産時のホルモンバランスの乱れ
ブシャール結節の原因は明らかになっていませんが、40歳以降の女性や、手をよく使用している方に見られやすい傾向があります。遺伝性は証明されていませんが、親戚のなかにブシャール結節やヘバーデン結節になった方がいる場合は注意しましょう。
主な症状
人差し指から小指の第2関節に次のような症状が出ます。
- 痛み
- 腫れ
- 屈曲
- 変形
- ミューカシスト(手指の関節にできる腫瘍)など
疾病の進行とともに指の動きが悪くなり、関節の痛みが強く出ます。そのため、手指を強く握れずに雑巾を絞れなかったり、箸やペンをうまく使用できなくなったりするなど、日常生活に支障をきたす恐れがあるのです。
リウマチの特徴
リウマチは関節が腫れ、放置しておくと関節が変形する病気です。関節が炎症した結果、軟骨や骨が破壊されてしまい、関節が変形します。腫れや痛みを伴うことも特徴です。手を動かしていなくても痛みを感じることもあります。
リウマチは、30〜50代の女性に多く見られる病気です。なかには60歳以降に発症する方もいます。リウマチの原因や主な症状を解説します。
リウマチの原因
リウマチの原因はすべて明らかになっているわけではありませんが、免疫の働きに異常が生じた場合に起きると考えられています。免疫は通常、外部から体内に侵入してきたウイルスを攻撃し、破壊して排除します。
しかし、免疫に異常が起きた場合、誤って自身の細胞や組織を攻撃してしまい、炎症が起こって関節の痛みや腫れなどの症状があらわれるのです。
体内で炎症が起きると、サイトカインと呼ばれる低分子のタンパク質が過剰に分泌され、炎症を悪化させます。炎症を悪化させるサイトカインの種類は「IL-6」「TNFα」などです。
炎症が続くと関節周囲の骨膜が腫れ上がり、さらに炎症が悪化して骨や軟骨を破壊します。
主な症状
リウマチの主な症状は次のとおりです。
- 朝のこわばり
- 関節の痛みや腫れ
- 微熱や倦怠感、食欲不振
最初は手指や足指の関節が対象的に腫れ、とくに朝にこわばるようになります。朝指が動かしづらい状態が30分以上続く場合、リウマチの可能性を疑った方がよいでしょう。
また人によっては膝関節や股関節などの大きな関節にも症状が出るようになり、水が溜まったり動きにくかったり、日常生活に困難を覚えるようになります。
軽症で済む方もいれば重症になる方もいるうえ、症状もさまざまなため、早めの診断や治療が必要です。レントゲンですぐに判断ができるため、気になる症状が出ている場合は早めにクリニックの診察を受けてください。
ブシャール結節の治療法
ブシャール結節の治療法は次のとおりです。
- 消炎鎮痛薬
- 人工関節置換術
- 温熱療法
- エクオール含有食品
- 末梢循環改善剤
それぞれ詳しく解説します。
消炎鎮痛薬
消炎鎮痛薬は、痛み止めの効果がある薬です。痛みや炎症を起こす物質の産生を抑えることにより、消炎や鎮痛効果を発揮します。
痛みが強い場合に用いる治療法で、主に内服薬や湿布、塗り薬として使用します。長期間の使用は副作用がでる心配もあるため、あまり推奨されていません。
人工関節置換術
人関節置換術は傷ついた関節の損傷面を取り除き、人工の関節に置き換える治療法です。人工関節のデザインや材質はさまざまで、クリニックによって異なります。
手のひら側の皮膚を切除して神経や腱を避け、関節を露出してから傷んだ関節の骨や軟骨を除去し、代わりに人工関節を挿入します。1つの関節につき30〜40分程度の局所麻酔を使用した手術となるため、入院の必要はありません。
ただし、人工関節置換術を受けても指が元通りに動くようになるわけではない点に注意しましょう。
温熱療法
温熱療法は患部を温めて血流をよくし、筋肉の緊張を取り、痛みやこわばりを和らげる治療法です。痛みを緩和したいときや、筋肉をほぐしたいときに用いる治療法で、次のような方法があります。
- 赤外線
- 低周波
- レーザー
- ホットパックなど
患部を蒸しタオルや入浴などで温めることで自宅でもケアできます。サポーターを使用して保温するなど、日頃から患部を冷やさないように工夫しましょう。
エクオール含有食品
エクオールが含まれた食品を積極的に摂取するのもおすすめです。エクオールとは、女性ホルモンの1つであるエストロゲンと似た性質を持つ物質です。
エクオールは、体内で作れる人と、作れない人がいるといわれています。腸の中にエクオール産生菌がいる方は、大豆を食べることにより、腸内細菌の力を借りてエクオールを作り出せます。
一方で腸の中にエクオール産生菌がいない方は、エクオールを作り出すことできません。
先ほど説明したようにブシャール結節の原因ははっきりわかっていませんが、更年期に進行するケースが多く、女性ホルモンとの関係に注目が集まっています。
エクオールを取り入れることは、ブシャール結節の治療に役立つと考えられているのです。エクオールを取り入れるサプリメントも発売されているため、チェックしてみるとよいでしょう。
末梢循環改善剤
末梢循環改善剤は血流の障害を改善して神経細胞に血液が行き渡るようにし、神経の働きを助ける作用のある薬です。ブシャール結節は血行を促すことが効果的なため、日頃から血流をよくする行動を心がけましょう。
リウマチの治療法
リウマチは症状や進行度によって「薬物療法」「手術療法」「リハビリテーション」などで治療します。
ここでは薬物療法で用いられる薬を3つ紹介します。
- 消炎鎮痛薬
- 抗リウマチ薬
- ステロイド
それぞれ詳しく解説します。
消炎鎮痛薬
消炎鎮痛薬(NSAIDs)は関節の痛みや腫れを和らげる薬です。有名な消炎鎮痛薬として「ロキソニン」や「セレコックス」が挙げられます。
即効性があるため、痛みや腫れに困っている場合に役立ちますが、炎症を根底から取り除けるわけではありません。痛みや腫れが長時間続く場合は、継続的に服用する必要があります。
消炎鎮痛薬を長期的に服用すると、腎機能に影響を及ぼす可能性があり、胃潰瘍や腸閉塞の原因となるため注意が必要です。胃薬と併用しての服用をおすすめされる場合があります。
抗リウマチ薬
リウマチ治療の第一選択薬である抗リウマチ薬は、免疫の異常に作用してリウマチの進行を抑える働きがある薬です。効果が出るまでにかかる期間は1か月から半年程度なため、消炎鎮痛薬と併用するケースもあります。
抗リウマチ薬には次の例があります。
- アラバ:作用発現が4週間ほどと早い
- シオゾール:2週間に1回、月に1〜2回ほど筋肉内に注射する
- コルベット・ケアラム:2012年発売と比較的新しい
- アザルフィジン:作用発現までに1〜3か月ほどかかる
- リマチル:日本製で関節破壊抑制作用がある
- プログラフ:日本製の免疫抑制剤
- プレディニン:比較的副作用の少ない免疫抑制剤
- リウマトレックス:関節破壊の進行抑制作用がある
なかでも国際的な標準薬として用いられているものは「リウマトレックス(メトトレキサート)」です。
十分な効果を感じない場合は他の抗リウマチ薬に切り替えることや、複数の抗リウマチ薬を併用するケースもあります。
ステロイド
ステロイドは関節の痛みや腫れを和らげる薬です。
主に用いられている薬は次のとおりです。
- デカドロン
- プレドニン
- プレドニゾロン
炎症を抑える作用が強力なため、消炎鎮痛薬や抗リウマチ薬でも炎症を抑えられない場合に用いられます。ステロイドの服用をやめると治まっていた関節の痛みや腫れが再発する可能性があります。
そのため、一度使用するとなかなかやめられません。ステロイドには感染症や糖尿病、骨粗鬆症などを引き起こす可能性があるため、継続して服用する場合は注意が必要です。
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シン整形外科の指の治療は、以下の理由でおすすめです。
・専門的な知識と経験
・一連の症例への対応
・最新の医療技術の利用
・患者中心のアプローチ
・継続的なケアとフォローアップ
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シン整形外科が指の治療におすすめな理由として、その専門的な知識と経験が挙げられます。整形外科は骨や関節の疾患に特化した分野であり、シン整形外科は指の異常や障害に対する専門的なアプローチをしています。
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患者中心のアプローチ
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継続的なケアとフォローアップ
指の治療は手術後のリハビリテーションやフォローアップが重要です。シン整形外科は継続的なケアとフォローアップを提供しており、患者の回復をサポートしています。
まとめ
今回はブシャール結節とリウマチの違いについて解説しました。ブシャール結節は第2関節のみに痛みを生じますが、リウマチは指の関節以外の部位にも症状が出ます。
また、朝のこわばりや発熱、倦怠感などの症状はリウマチ特有のものです。どちらの症状による痛みかわからない場合は、レントゲン検査をおこなうことがおすすめです。
ブシャール結節もリウマチも、薬物療法や手術療法などによって治療します。指の関節に痛みや腫れを感じたら、我慢せずにかかりつけのクリニックを受診してください。
※本記事の情報は2023年4月時点のものです。
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