母指CM関節症は、医師による治療が必要な関節症の一つです。物をつまんだり握ったりする際に親指の付け根が痛む場合、母指CM関節症の可能性があります。
母指CM関節症を発症すると進行とともに痛みが増し、親指を動かすのみで痛みが生じる場合も少なくありません。症状の悪化を防ぐため、早めに治療をはじめましょう。
本記事では母指CM関節症の症状や原因について、解説します。また母指CM関節症の診断方法や治療方法についてもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
母指CM関節症とは
母指CM関節症とは親指の付け根の関節であるCM関節の軟骨がすり減り、違和感や痛みにつながる関節症です。物を握る動作やつまむ動作などをおこなうと、付け根に痛みを伴います。
進行して骨と骨が当たるようになるとさらに強い痛みが生じるため、早期に治療をはじめましょう。
自身の判断で放置すると、手術が必要な状態となる可能性があります。母指CM関節症の症状に当てはまる方は、すぐに医師に相談しましょう。
母指CM関節症の症状
母指CM関節症の症状は、次のとおりです。
- 握る・つまむ動作で親指の付け根に痛みが生じる
- 親指の指先にある関節が曲がる
- 親指が開きにくくなる
思い当たる症状があれば、医師に相談してみてください。
握る・つまむ動作で親指の付け根に痛みが生じる
母指CM関節症になると、握る動作やつまむ動作で手首付近の親指の付け根に痛みが生じます。具体的には瓶やペットボトルの蓋を開ける際やドアノブを回す際など、日常的な動作でも痛みが生じやすいとされています。
しかし母指CM関節症では重度でも痛みがないケースもあり、自覚のない方も少なくありません。親指の可動域が狭くなったと感じる方や、動かす際に違和感がある方は医師に相談してみてください。
親指の指先にある関節が曲がる
母指CM関節症の後期症状では、付け根の関節が反ることで指先の関節が曲がり伸ばしにくい状態になります。この状態はスワンネック変形と呼ばれており、薬物療法による痛みの改善がみられなければ手術を要します。
母指CM関節症は、ほかの変形性関節症と同様に女性の方に多くみられる症状です。とくに更年期以降の女性は、ホルモンのバランスにより痛みが生じやすくなります。
なるべく親指を使用する作業をやめ、負担をかけないように過ごしましょう。
親指が開きにくくなる
母指CM関節症が進行すると親指の付け根付近が膨らみ、親指が開きにくくなります。付け根部分の関節に突出するような変形が見られる場合、母指CM関節症の可能性が高いでしょう。
CM関節は親指の動きの多くを担う関節であり、親指が開きにくくなるのは代表的な症状です。親指の動きがいつもと異なると感じたら、医師に相談してみてください。
母指CM関節症の原因
母指CM関節症になる主な原因は、次のとおりです。
- 親指の使い過ぎ
- 加齢
それぞれの原因について、詳細にみていきます。
親指の使い過ぎ
母指CM関節症の主な原因は、親指の使い過ぎです。関節に負担がかかり過ぎることで関節軟骨の摩耗が起こり、痛みを伴うようになります。
とくに男性の場合、力仕事やデスクワークなどが母指CM関節症の原因とされています。日常生活以外で親指の使用頻度が高い方は、とくに注意が必要です。
加齢
母指CM関節症は更年期以上の女性に多い疾患であることから、加齢による原因が考えられています。
そもそも性別を問わず、加齢とともにCM関節への負担は蓄積します。そのため加齢とともに母指CM関節症のリスクは高まるといえます。
さらに女性は更年期を過ぎると女性ホルモンのエストロゲンが減少し、滑膜の炎症や腫れを抑えることが難しくなります。
加齢がほかの変形性関節症の引き金になることは少なくありません。手指に違和感が生じていないか、普段から注意しておく必要があるでしょう。
母指CM関節症の診断方法
母指CM関節症は、主に次の方法で診断されます。
- 圧痛部位の確認
- 疼痛誘発試験
- レントゲン検査
診断方法について疑問がある場合は、専門の医師に確認してみてください。
圧痛部位の確認
母指CM関節症のもっとも代表的な症状は、親指の付け根部分の痛みです。そのためまずは実際に親指の付け根を推して、痛みがある部位を確認します。
押されて痛みがある部位を明確に医師に伝えましょう。
疼痛誘発試験
母指CM関節症の診断における有効な方法の一つに、疼痛誘発試験が挙げられます。疼痛誘発試験では手をついた状態で、親指を内側に捻りながら背面に上げることで痛みが生じるか確認します。
疼痛誘発試験は非常に有効な診断方法として、多くの病院で実施されています。
セルフチェックとしても活用できるため、親指の付け根が痛む方や動かす際に違和感がある方は試してみましょう。強い痛みがあれば、すぐに病院で診察を受けてみてください。
レントゲン検査
視触診により母指CM関節症が判別できない場合やほかの疾患の可能性がある場合には、レントゲン検査が有効です。
母指CM関節症では、CM関節に異常がみられます。レントゲン検査をおこなえば、多くの場合すぐに判別できるでしょう。
ただし初期の場合は関節軟骨のすり減りが少ないことから、レントゲン検査に加えて視触診も併用されます。
母指CM関節症の治療方法
母指CM関節症の治療方法は、次のとおりです。
- 保存的治療
- 内服薬
- 注射薬
- 外科手術
- 再生医療
母指CM関節症では、関節軟骨の炎症を抑える治療方法が一般的です。改善がみられない場合、外科手術をおこなう流れとなります。
保存的治療
母指CM関節症の基本的な治療は、装具療法をはじめとした保存的治療です。保存的治療ではCM関節への負担を減らし、安静に過ごすことで自然に痛みが消滅するのを待ちます。ただし保存的治療の効果には、個人差があります。
また保存的治療で回復できるのは、症状が軽度の方のみです。常に痛みがある方や変形がみられる方は、他の治療方法を選択する形となります。
関節保護用の軟性装具
保存的治療の中で、代表的な治療は装具療法です。病院ごとに異なりますが、関節保護用の軟性装具を用いることが一般的です。
装具療法では動きを制限し炎症を抑えつつ、消炎鎮痛剤入りの貼り薬や塗り薬も使用します。個人差はあるものの、痛みの軽減に期待できるでしょう。
テーピング・包帯
症状が非常に軽度な場合、テーピングや包帯で固定して様子を見ることもあります。軽症の場合、母指CM関節症は湿布薬でも治る可能性があります。
治療の負担を軽くするために、少しでも早く病院で診察を受けましょう。
内服薬
保存的治療の一環として、痛みや炎症を抑える内服薬が処方される場合もあります。
装具療法と併用される場合が多く、母指CM関節症の治療で内服薬のみのケースは基本的にありません。処方される主な内服薬は、ロキソニンやトラマールです。
注射薬
装具療法や内服薬でも痛みが改善されない場合、注射薬による治療が選択されます。注射治療ではステロイド製剤が使用されることが多く、長時間痛みを抑制する効果があります。
しかし再び痛みが生じた場合、手術が必要になるケースは少なくありません。また何度もステロイドを注射すると、関節破壊が急激に進行する可能性もあります。
外科手術
重度の母指CM関節症では、外科手術が用いられる場合もあります。内服薬や注射治療にて痛みが改善されない場合、手術も視野に入れましょう。
外科手術には、固定術や形成術、置換術など、さまざまな選択肢があります。医師と相談しながら、症状や希望により適切なものを選んでみてください。
しかし手術後はリハビリ期間が必要であり、長い時間がかかります。手術の日程や術後の過ごし方については、医師とよく話し合いアドバイスを受けましょう。
再生医療
再生医療とは人体の再生能力を活用し、損傷した組織や臓器の機能を回復する治療法です。
整形外科の分野では、自身から採取し培養した幹細胞や、血液内の血小板を加工したPRPを損傷部位に注入する方法があります。
例えばPRP-PRO治療※は、厚生労働省が認可した専門施設で調整した、成長因子を高濃度に含むPRPを使用しており、強い痛みの改善も期待できるのが特徴です。
これらの再生医療は、体への負担が少ないうえ痛みの根本的な治療が見込めるメリットがあるため、保存療法と手術の中間的な治療法といえます。
治療内容や症状によって期待できる効果は異なるため、医師とよく相談し自身にあった方法を選びましょう。
※参照元:シン・整形外科(旧東京ひざクリニック)
母指CM関節症に関するよくある質問
最後に、CM関節症に関する次のよくある質問に回答します。
- 母指CM関節症を放置するとどうなる?
- 母指CM関節症は自然治癒する?
- 母指CM関節症を改善させる漢方薬はある?
- 母指CM関節症はどのような手術で治す?
回答を確認し、母指CM関節症に対する疑問や不安を解決しましょう。
母指CM関節症を放置するとどうなる?
母指CM関節症を何もせず放置すると、多くの場合は悪化します。
しかしサポーターやテーピングなどで固定すれば、改善する可能性もあります。母指CM関節症には、早期発見と適切な処置が大切です。
放置して悪化すると手術が必要になる可能性が高いため、軽度でもすぐに医師に相談しましょう。
母指CM関節症は自然治癒する?
適切に処置した状態であれば、母指CM関節症は自然治癒する可能性があります。母指CM関節症の原因の多くは、親指の使い過ぎによるものです。
装具療法にて親指に負担がかからない状態で過ごせば、関節軟骨の炎症が治まる可能性は十分にあるでしょう。
しかし母指CM関節症は、ただ放置すれば治るものではありません。一度医師による治療を受け、適切なアドバイスを受けましょう。
母指CM関節症を改善させる漢方薬はある?
母指CM関節症を漢方薬にて治療した臨床報告事例は存在します。
ただし漢方薬による治療効果には個人差があり、確実に治ることを保証するものではありません。母指CM関節症の治療法としては、一般的に装具療法や注射治療などが推奨されています。
漢方薬で治療できる可能性があるかどうか、まずは医師に相談してみてください。
母指CM関節症はどのような手術で治す?
母指CM関節症の手術には、固定術と形成術、置換術があります。なかでも固定術と形成術が一般的とされており、生活スタイルに合わせて選択可能です。
固定術は傷んだ関節を削り、関節自体をワイヤーやねじで固定する手術です。手に力が入りやすくなるものの、固定されることから手の動きが悪くなる点がデメリットです。
形成術は、親指の付け根にある大菱形骨を切除し、腱を使用して関節を作り直す手術です。関節の動きは維持できる一方、手に力を入れにくく日常生活で不便に感じる可能性があります。
普段の生活を意識したうえで、どの手術方法を選ぶねきか入念に医師と相談しましょう。
母指CM関節症の再生医療はシン・整形外科がおすすめ
- 再生医療で痛みを根本解決
- 手術不要・日帰り治療OK!
- 安心の保証制度あり
施術費用 | ■初診 3,300円 ■MRI検査 8,000円〜12,000円 ■注入治療 198,000円〜1,078,000円※1 ■リハビリ 29,800円〜49,800円 |
診療時間 | ■受付 9時〜18時 ■MRI診断予約 24時間受付 |
支払い方法 | 現金 クレジットカード 電子マネー バーコード決済 |
アクセス | 〒104-0061 東京都中央区銀座5丁目9-15 銀座清月堂ビル5F |
母指CM関節症を再生医療で治療するなら、シン・整形外科がおすすめです。
シン・整形外科は、再生医療による関節痛治療を専門とするクリニックで、次のような特徴があります。
- 3つの再生医療を扱う
- 整形外科の専門医が担当
- 保証制度を用意
それぞれの特徴について詳しく解説するため、母指CM関節症の痛みから解放されたい方は、ぜひチェックしてみてください。
3つの再生医療を扱う
シン・整形外科では、次の3つの再生医療を採用しています。
- 幹細胞培養治療
- PRP-PRO治療
- PRP-FD治療
幹細胞培養治療は、自身の皮下組織から幹細胞を採取、培養し、患部に注入する再生医療です。
幹細胞は分化する働きがあり、擦り減った軟骨の修復を促進し、炎症と痛みを抑えます。
また、PRP-PRO治療とPRP-FD治療は血液に含まれる血小板の成長因子を抽出、加工し損傷箇所に注入します。
いずれも自身の細胞や血液を活用するため、拒絶反応や副作用のリスクを抑え、母指CM関節症の治療が可能です。
豊富な再生医療から自身にあった治療法を選択したい方は、シン・整形外科を検討してみてください。
整形外科の専門医が担当
シン・整形外科では、整形外科の専門医が診察をおこないます。
再生医療の豊富な実績と知識から、患者一人一人にあった治療法を提案しており、再生医療をはじめて受ける方も安心して相談できるでしょう。
また、再生医療が必要ないと判断した場合には、他の治療法の提案も可能です。
無理に治療をすすめることはないため、自身で慎重に検討したうえで治療を受けたい方にもおすすめです。
保証制度を用意
シン・整形外科は、万が一に備えた保証制度も用意しています。
再生医療をうけても症状の改善がみられなかった場合には、再治療保証で1回分の追加治療を無料で受けられます。
再治療保証は、幹細胞培養治療を2回以上と、リハビリスタンダードコースを6か月以上継続した方に適用となり、初回治療から1年間利用が可能です。
保存療法では改善できず、母指CM関節症を治せるか不安がある方も、上記のような保証があれば利用しやすいでしょう。
また、リスク保証制度もあり、再生医療による健康被害が生じたときのために再生医療サポート保険に加入しています。
再生医療をより効率的で安全に受けられるように体制を整えている点は、再生医療に特化したシン・整形外科ならではの魅力です。
シン・整形外科では電話無料相談も対応しているため、母指CM関節症の痛みに悩んでいる方はぜひ気軽に相談してみてください。
まとめ
今回は、母指CM関節症の症状や原因、母指CM関節症の治療方法について解説しました。母指CM関節症は、更年期以上の女性に多くみられる疾患です。
親指は日常的に使用するため効果的な予防策がなく、未然に防ぐことが難しい疾患です。母指CM関節症の症状がみられた際はすぐに医師による診断を受け、適切な処置をおこないましょう。
本記事で解説した診断方法には、自身でできるものもあります。親指の調子が気になる方は、適度にセルフチェックを実施してみてください。