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変形性膝関節症に効果的なリハビリは?症状・おすすめセルフケア方法を解説

変形性膝関節症になると、膝に痛みを感じます。膝に痛みがあると日常生活に影響が出るため、リハビリやセルフケアで症状の改善に努める必要があるでしょう。

リハビリやセルフケアに取り組む前には、変形性膝関節症の主な症状を理解する必要もあります。症状を理解すると、正しいリハビリやセルフケアにつながるからです。

そこで、本記事では変形性膝関節症の概要や症状、セルフケア方法、リハビリ方法を解説します。

変形性膝関節症に関するよくある質問もまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

そもそも変形性膝関節症とは?

変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減って膝に痛みを感じる疾患です。男性も女性も加齢により発症する可能性がありますが、とくに50代以降の女性に多発する疾患です。

変形性膝関節症にかかる原因は、大きく分けて2つに分類されます。

まずは加齢による筋肉の衰えや肥満などによって、関節の軟骨が劣化するケースです。変形性膝関節症になる原因の多くは関節の軟骨の劣化が原因です。

膝を痛める前からO脚やX脚などの変形がある際は、膝への負担が大きくなり変形性膝関節症を発症する可能性が高まります。

もう一つの原因は、関節リウマチや半月板損傷など、外傷によるものです。外傷が原因であれば、年齢に関係なく変形性膝関節症を引き起こす可能性があります。

なお、変形性膝関節症にかかっても、初期には痛みや違和感などの自覚症状はありません。そこから徐々に軟骨がすり減って、痛みや違和感が生じます。それでも症状が軽いと、膝をかばって生活するため、次第に痛みが強まります。

変形性膝関節症の症状が進行すると、立ったり座ったりするたびに痛みを感じやすいです。さらに放置すると、膝の軟骨の大半がなくなり、骨同士がぶつかります。

じっとしていても膝に痛みを感じる可能性があるでしょう。できるだけ症状を悪化させないためにも、具体的な症状を確認してリハビリに努めることが大切です。

変形性膝関節症の症状

変形性膝関節症にはさまざまな症状があります。主な症状として、下記の6つを紹介します。

炎症症状

まずは炎症症状です。変形性膝関節症による膝の痛みは炎症が原因であり、主に滑膜(かつまく)の炎症が影響しています。滑膜は軟骨の働きをサポートする役割があります。

滑膜は関節液を分泌して軟骨が擦れるのを防ぎ、水枕のように働いてくれるのです。しかし、滑膜に炎症が起こると水枕の役割を果たせなくなり、膝の痛みにつながります。

炎症症状は痛みの他にも、腫れや発赤(血管の広がりによる充血)などを引き起こす可能性があります。

関節水腫

関節水腫(かんせつすいしゅ)とは、膝に水が溜まる症状です。膝関節は2層構造になっており、外側の層は膝関節と脳からの刺激を伝達する役割を持ちます。

内側の層は膝関節に栄養分を送る滑液によって衝撃を吸収する役割です。なお、関節水腫は滑膜の炎症によって引き起こされる可能性があります。

関節水腫を発症すると、初期段階では激しい膝の腫れが生じます。膝の腫れと同時に膝の可動性が低下し、歩行や立ち座りにも影響が出やすいです。さらに症状が進行すると膝頭の後ろにも痛みを感じます。

膝が赤くなったり熱を感じたりなど、他の症状も考えられるため、腫れが引かないときは医師に相談して適切な治療を受けてください。

膝関節の変形

変形性膝関節症における膝関節の変形は、主にO脚を示します。また、関節の変形が見られるのは、変形性膝関節症の末期段階です。

O脚は脚が外側にカーブし、両足でアルファベットの「O」の形を作る状態になります。O脚になると変形性膝関節症による痛み以外にも、さまざまな症状を引き起こします。

脚の外側の筋肉が張りやすくなったり腰痛を患いやすくなったり、身体の循環が低下してむくみが生じたりする可能性があるでしょう。

他にもO脚になることで身体の重心が外側に偏り、血流やリンパの流れが悪くなりやすいです。血行不良になれば疲れが取れにくくなり、身体の不調にもつながります。

O脚は変形性膝関節症の悪化のみならず、身体全体に影響する点を認識しておきましょう。

膝関節周辺の痛み

変形性膝関節症になると膝関節のみならず、その周辺にも痛みが生じます。膝の内側や外側にも痛みを感じ、日常生活で痛みによる辛さを感じる場合もあるでしょう。

とくに日本人は骨格や生活習慣から、膝の内側に負担がかかりやすく、変形性膝関節症でさらに負担が生じて痛みを感じるケースが多いです。

また膝の外側は変形性膝関節症に加えて、筋肉や靭帯の使い過ぎによって痛みを感じます。健康のためにランニングや自転車などに取り組む方は、変形性膝関節症と診断されたら負荷を軽減する必要があるでしょう。

他にも膝の上部(膝上)の痛みを感じることもあります。膝上の痛みは使い過ぎの影響も考えられるため、変形性膝関節症の症状の経過を見ながら改善に取り組むことが必要です。

筋力低下と萎縮

膝関節には、膝を伸縮させる大腿四頭筋と屈曲させる筋肉(総称でハムストリング)があります。

しかし、変形性膝関節症にかかると、膝の変形が進んだり痛みが生じたりして、膝を完全に伸縮できなくなります。その結果、膝を伸ばす筋肉の低下につながるのです。

また、ハムストリングが萎縮したり硬くなったりすると、さまざまな症状を引き起こします。たとえば、腰や背中が丸まり姿勢が悪くなり、関節の負担が増えることから肩こりや腰痛になりやすいです。

他にも、股関節の硬化が起こることが考えられます。その場合、血行が悪くなり、老廃物をうまく排出できなくなり、冷え性やむくみが引き起こされる可能性があります。

代謝も悪くなり太りやすい体質になる可能性もあるでしょう。

関節可動域制限

変形性膝関節症の症状が進行すると、徐々に関節の可動域が制限されます。膝関節の可動域が制限されると、正座や、しゃがむことも難しくなるのです。

また、仰向けに寝ると膝の裏が床につかない状態を維持できないため、膝頭(お皿)が外を向いてしまいます。膝頭が外を向くとO脚になりやすく、身体に不調が生じやすいです。

もちろん、膝関節や膝関節周辺の痛みにもつながり、日常生活にも影響が出てしまいます。

【セルフケア】自宅で可能な変形性膝関節症のリハビリ

変形性膝関節症のリハビリは自宅でセルフケアも可能です。主なものとして2つの方法をご紹介します。

テーピング・サポーター

テーピングやサポーターを使用すると、膝関節部分の可動域を狭くできるため、痛みが軽減されます。変形性膝関節症では関節部分が変形した状態となり、その状態で膝を動かすと痛みが生じます。

テーピングやサポーターで固定すると、膝が動きにくくなり症状の悪化を防ぐことが可能です。

ただし、テーピングやサポーターによるリハビリは、変形性膝関節症の初期段階で推奨される治療です。症状が重度であれば、テーピングやサポーターでの治療は難しいでしょう。

なお、テーピングをする際は膝横付近に付ける必要があります。細いテーピングは固定しにくいため、できるだけ太い種類を使う点もポイントです。

サポーターを使用する場合も締め付けが強すぎないタイプを選んでみてください。

冷湿布・温熱療法

急に膝が赤く熱を帯びてきたら、冷湿布で冷やしてみてください。赤く熱を帯びた場合は偽痛風や感染症など、他の病気を併発している可能性があるため、速やかに医師に相談しましょう。

ただし、変形性膝関節症によって慢性的な膝の痛みを感じる場合は、患部を温めることが大切です。膝関節部分を冷やすと血行の悪さから、膝の痛みを生じさせる可能性があるからです。

たとえば、膝にホットタオルを15〜20分程度当てることで痛みを改善できます。ホットタオルを用意する際は、水で濡らしたタオルを軽く絞って電子レンジで1分(500W)加熱してみてください。

また、入浴も自宅でできる温熱療法の一つです。38〜40℃のぬるめのお湯にして、みぞおちくらいまで浸かると膝の痛みを軽減できます。

整形外科でおこなわれるリハビリ

変形性膝関節症のリハビリは、整形外科でもおこなえます。症状と向き合いながら、整形外科でもリハビリに取り組んでみてください。

水中トレーニング

変形性膝関節症で膝の痛みが強い場合は、地上でのウォーキングやランニングよりも、水中トレーニングが効果的です。水中では浮力が働くため、地上で歩くよりも重力や体重による負荷が軽減されるからです。

また、水中でのウォーキングは水圧が邪魔してなかなか前に進まないため、下半身の筋力アップにも効果があります。

ただし、水中ウォーキングはゆっくり歩くと筋力がつきにくく、膝の痛みの改善にもつながりにくいです。早歩きか走るくらいのイメージで水中ウォーキングに取り組んでください。

プールはお風呂に比べて水温が低いため、長時間の水中ウォーキングは患部を冷やします。膝が冷えると痛みを悪化させる可能性があるため、30分程度を目安にしてみてください。

自転車運動

自転車運動は膝の痛みを抱える方に向いているリハビリです。自転車運動では実際の自転車を公道で漕ぐよりも、エクササイズ(有酸素運動)用のバイクがおすすめです。

エクササイズ用のバイクは、ペダルを漕ぐ負荷を変えられるため、負荷を軽くもできます。自転車運動でペダルを漕ぐ動作は、関節のワークアウトにつながり、痛みや凝りの緩和につながります。

また、関節の可動域を広げることもでき、変形性膝関節症の症状緩和が可能です。健康増進、心拍機能や筋力の強化にもつながるため、自転車運動を積極的におこなってみましょう。

ストレッチ

運動が苦手な方は、ストレッチでリハビリに取り組んでみてください。ストレッチをおこなうと、関節の萎縮を防いで症状の悪化を防げます。

ストレッチをおこなえば、柔軟性が高まり膝関節の可動域を広げることが可能です。血行やリンパの流れが良くなるため、身体の不調改善にもつながります。

膝の痛みを和らげるストレッチは、膝関節の可動に関係する大腿四頭筋(太ももの前側)や前脛骨筋(脛の前側)を伸ばす運動を取り入れましょう。

大腿四頭筋を伸ばすためには、壁に手をつき片方の足のつま先を引き上げてください。前脛骨筋のストレッチは両足を伸ばした状態で、つま先を倒したり起こしたりすると効果を得られます。

有酸素運動

有酸素運動は、水中トレーニングと同じ効果が期待できます。適度な有酸素運動は膝関節周辺の筋力強化ができ、痛みの軽減につながります。

ただし、有酸素運動においても負荷をかけすぎないように、30分程度を週2〜3回くらいのペースを意識してみてください。

おすすめの有酸素運動の例を挙げておきます。

  • ウォーキング
  • 太極拳
  • ラジオ体操
  • 自転車運動
  • 水中トレーニング
  • ゲートボール
  • グランドゴルフ

上記の有酸素運動に取り組むときは、少しの疲労感を味わう程度が理想です。年齢が若いうちから継続的におこなうことで、変形性膝関節症の予防につながります。

食事管理

食事管理では肥満を予防して膝への負担軽減を目指します。低カロリーな食品を増やし、高カロリーな食品を控えましょう。野菜や海藻類を増やし、脂質が少ない魚介類や鶏肉、赤身肉を中心に摂取してみてください。

また、高カロリーな食品は夕食や間食で食べないこともポイントです。食生活でストレスが溜まりそうな場合は、週末のみ、週1回、などルールを決めて好みの食品を食べましょう。

栄養バランスのよい食事ができると、量が少なくても食欲を抑えやすくなります。食事中はよく噛んで食べることを意識するとよいでしょう。

保存療法

保存療法とはリハビリテーションや装具療法、薬物療法などを組み合わせた手法です。変形性膝関節症にかかる大部分の方は、保存療法によって症状の改善に取り組みます。

保存療法には、運動によって膝の痛みを軽減する方法も含まれます。膝関節部分を冷やしたり温めたりする方法は理学療法や、テーピングやサポーター付ける装具療法など、さまざまな治療方法を組み合わせられる点が保存療法のメリットです。

変形性膝関節症に関するよくある質問

変形性膝関節症に関してはさまざまな疑問点や不安な点が挙げられます。そのなかからよくある質問を3点に絞って紹介します。

変形性膝関節症は完治しますか?

変形性膝関節症により膝関節の軟骨が損傷すると、自然には治癒しません。軟骨には血管が通っておらず、患部を再生する栄養が循環しないためです。

症状を改善するためには、整形外科で適切な治療を受けながら、セルフケアで筋力を鍛えたり肥満を防いだりしていく必要があります。

まずは整形外科を受診し、現在の状態を確認しましょう。そのうえで適切な治療を進めていく必要があります。

変形性膝関節症は整骨院で治りますか?

整骨院に通うことで変形性膝関節症の症状の緩和が可能です。ただし、すり減った軟骨を再生したり変形した関節を元に戻したりはできません。あくまでも施術によって膝の痛みを和らげると考えてください。

また、整骨院での治療は保険適用外になるため、治療費を全額自己負担する必要があります。治療費は1回3,000円〜5,000円が相場です。

市販の鎮痛剤で痛みは軽減されますか?

変形性膝関節症による膝の痛みは、市販の鎮痛剤で抑えられない場合があります。市販されている鎮痛剤は、炎症がなければ効果が期待できない薬があるためです。

なお、変形性膝関節症による痛みは、ヒアルロン酸やグルコサミンなどによる薬物療法が可能です。コンドロイチン硫酸やCOX阻害薬なども薬物療法で用いられます。

市販の鎮痛剤で膝の痛みが改善しないときは、医療機関(整形外科)で薬を処方してもらいましょう。場合によっては内服薬の他にも、鎮痛成分が含まれる湿布を処方してもらえます。

より痛みの軽減の効果を感じたいときは医師に相談し、適切な治療を受けてください。

変形性膝関節症の治療にはシン・整形外科がおすすめ

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まとめ

変形性膝関節症は膝関節の軟骨のすり減りにより、膝に痛みを感じる疾患です。症状が進行すると、日常生活にも大きな影響を与えます。膝関節の軟骨がすり減ると完治はできませんが、リハビリにより症状の軽減が可能です。

今回は自身でできるケアと整形外科で実施するリハビリを紹介しました。それぞれのリハビリ方法の特徴を踏まえて、症状の改善に取り組んでください。

あわせて内服薬や外用薬を使う場合は、医師から適切なアドバイスを受けて正しく利用しましょう。

※本記事の情報は2023年03月時点のものです。
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