腱鞘炎は手や足の組織内で発生する炎症のことを指しており、腱鞘炎になると患部の痛みのせいで日常生活に支障が出ます。
とくに手足の親指や手首に起こりやすく、腱鞘炎にはさまざまな原因が存在します。
軽度の場合はセルフケアが可能ですが、完全に痛みを感じなくなるまでに一定の時間が必要です。痛みが強く症状が改善しないときにはクリニックを受診するべきでしょう。
今回の記事では腱鞘炎の症状や原因とともに、セルフケアの方法とクリニックでの治療方法についてまとめました。腱鞘炎の症状に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
腱鞘炎とは?
腱鞘炎とは人間の骨と骨をつなぐ腱鞘部分に炎症が発生して、痛みや腫れなどの不調が出ている状態を指しています。
腱鞘は腱を摩擦から守る役割がありますが、何らかの理由で腱鞘が厚くなるまたは硬くなることで炎症を起こします。
腱鞘炎の症状
腱鞘炎の症状は炎症が起きている箇所や炎症の強さで異なります。ここでは腱鞘炎の代表的な症状について解説します。
指や手首の痛み
腱鞘炎を発症すると、腱鞘で炎症が起こるため患部を動かすたびに痛みを感じます。指や手首は日常生活で使用頻度が高い部位であり、腱鞘炎になると物を掴む、握る、捻るなどの動作の度に痛みが発生するでしょう。
進行が進んだときには、何もしていない状態でも患部が痛むようになります。
指や手首の腫れ
腱鞘炎になると炎症部分が肥大して、腱鞘周辺の組織も腫れる場合があります。腫れている部分はほかの部位に比べて柔らかいことが多く、腫れがひどくなれば通常通りの動作に問題が生じます。
発赤・熱感
炎症している腱鞘部分に、温かさや熱さを感じる熱感が出る方もいます。
熱感と同時に赤みや強い痛みと腫れの症状が出ているときは、炎症が進行している可能性が考えられます。症状がひどい場合はクリニックを受診してみてください。
指を動かしにくい
指の腱鞘炎では指が動かしにくくなり、手首の腱鞘炎では手首がうまく動かせなくなるでしょう。
腱鞘は、人間の腱を保護して滑らかな動きを助ける役割があります。腱鞘に炎症が起こると腱鞘内で腱の摩擦が起きて患部が動かしにくくなります。
腱鞘炎の原因
腱鞘炎は体の一部分を過度に使用しているときに起こりやすいです。その原因にはさまざまなものがありますが、ここでは代表的な原因を紹介します。
スマートフォンの使用
近年増えている腱鞘炎の代表的な原因は、スマートフォンを操作する際の動作です。テキスト入力をする際の指、スマートフォンを持つ手に負担がかかり、親指、人差し指、手首に腱鞘炎が起こります。
また、スマートフォンを見るときに、過度な猫背の姿勢や首を曲げて覗き込んでいる方は、首や肩にも負担をかけています。
普段から自身のスマートフォン使用時の姿勢に注意し、長時間の継続使用は避けるべきでしょう。
子どもの抱っこ
子どもの抱っこで腱鞘炎になる母親は多いです。子どもを抱っこする際には手、手首、腕、肩、背中、腰などさまざまな部位に負担がかかります。
さらに子どもの年齢が低いときは抱っこの回数や時間が長くなることから、より腱鞘炎になりやすいです。いつも同じ抱き方をしない、体の一部に負担がかかる抱き方を避けるなどの方法で対処してください。
力仕事
重い荷物を持ち上げたり押し引きしたりする作業や、何度も繰り返される作業は腱鞘炎リスクが高いと言えるでしょう。力仕事で腱鞘炎になりやすい箇所は手のひら、手首、腕、肩、腰などです。
患部を痛める可能性が高い動作を行なう際は体の一部に負担がかからないように注意し、腱鞘炎を繰り返す部位にサポーターを活用するなどの工夫が必要です。
運動
運動中は同じ動作を繰り返すことが多いため、腱鞘炎リスクが高い行動です。とくにテニス、ゴルフなどのスイング動作があるものや、ジャンプする動作が多い運動は、特定の腱や関節に与える負担が大きくなります。
腱鞘炎になりやすい部位はスポーツの種類で異なりますが、腱鞘炎を繰り返すときは自身のフォームの見直しやスポーツに取り組む頻度を考えましょう。
女性ホルモンの変化
女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンの2種類が存在します。プロゲステロンは腱鞘を収縮させる作用、エストロゲンには組織を滑らかに保つ作用があります。
そのため、プロゲステロンが増加すると腱の通り道が狭くなる、エストロゲンが減少すると腱鞘に炎症が起こりやすくなり、結果的に腱鞘炎リスクが高まります。
プロゲステロンの分泌量は妊娠中に増え、エストロゲンは更年期に低下するため、女性は妊娠中と更年期の両方に腱鞘炎になりやすいでしょう。
最近腱鞘炎を繰り返しやすくなったと感じるのなら、ホルモンバランスに問題がある可能性も考えてみてください。
腱鞘炎のセルフケア
軽度の腱鞘炎はセルフケアで改善可能です。ここでは、腱鞘炎のセルフケアの方法について解説します。
手指を休ませる
大半の腱鞘炎は患部の使いすぎで発症するため、炎症部分の使用を控えて休ませることが大切です。具体的には痛みや違和感のある部分の運動を制限して3〜4週間程度安静に過ごしてください。
また、湿布や塗り薬などの外用鎮痛消炎薬を活用したり、テーピングやサポーターで患部を固定したりするとよいでしょう。
患部を休ませて症状が緩和したあとは、腱鞘炎を繰り返さないように自身の普段の動作を見直して改善する必要があります。
初期段階では氷で冷やす
腱鞘炎初期で患部に炎症がある状態のときは、氷を使用して痛みや熱を感じる部分を冷やします。長時間の冷やしすぎによる凍傷を避けるために、冷やす行為は15分以内に抑えてください。
その後、また患部を冷やしたいときは、2時間ほど時間を空けてから患部を冷やしましょう。
慢性的な場合は温める
慢性的に腱鞘炎を繰り返している方は、患部を温めてみましょう。最も手軽に腱鞘炎部分を温める方法は入浴です。お湯は40度程度に設定し、10〜15分程度は湯船に浸かってみてください。
日中に患部を温めたい方は、使い捨てカイロの使用がおすすめです。
サプリメントを飲む
腱鞘炎は、ホルモンバランスを整えるサプリメントを飲むことで改善、予防効果が期待できます。とくに更年期でホルモンバランスが崩れやすい女性は、エクオールが配合されたサプリの摂取がおすすめです。
エクオールは大豆イソフラボンの一種であるダイゼインが代謝される際に作られる物質で、更年期に減少するエストロゲンと似た働きをします。
そのため、エストロゲンの不足が原因で発症する腱鞘炎の予防が期待できます。エストロゲンの摂取は腱鞘炎に限らず、ホルモンバランスの乱れが原因の疾患や不調にも効果的です。
痛みが強い場合はクリニックに行く
セルフケアを2週間以上続けても症状が改善しない、痛みや腫れがどんどん悪化する、痛みが強すぎる、患部が広がる場合は、クリニックを受診しましょう。
クリニックでは腱鞘炎を治療しながら痛みを和らげる適切な処置がされ、再発防止についてのアドバイスも受けられます。
また、体の不調は腱鞘炎ではなく別の疾患が隠れている可能性があります。腱鞘炎と間違えられやすい病気は次のとおりです。
- 靭帯損傷
- 脊椎関節症
- 尺骨突き上げ症候群
- 薬剤性排尿障害
- フライバーグ病
腱鞘炎以外の疾患が原因の場合は、腱鞘炎のセルフケアを続けても改善が期待できません。腱鞘炎だろうと甘く考えず、痛みが強い場合は早めに受診しましょう。
腱鞘炎の治療方法
クリニックでは、次のような方法で腱鞘炎の治療を進めます。
内服薬や外用薬の使用
クリニックでは医師による問診で患者の症状や状態を確認し、いつから痛みが始まったのか、痛みの強さや考えられる原因を聞いたうえで治療方針を決めます。
外用鎮痛消炎薬は、湿布剤、クリーム剤、テープ剤の処方が多く、痛みが強いときには痛み止めの内服薬が処方されます。痛み止めを飲んで痛みが和らいだとしても、患部を十分に休める必要があります。
注射
外用薬や内服薬を活用して安静に過ごしていても痛みや症状が改善しないときは、患部に直接ステロイド剤を注射します。腱鞘炎のステロイド摂取では同時に局所麻酔薬も注射されるため、痛みを感じずに治療が進められるでしょう。
ステロイド注射後は2〜3週間以内に症状が改善し、効果が3か月以上持続します。
ただし、糖尿病患者の方はステロイド剤注射のせいで一時的に血糖値が上昇する恐れがあります。ステロイド注射の導入は医師と相談したうえで進めてください。
再生医療
自己治癒能力を高め、組織修復や痛みを改善するための治療法が再生医療です。自身の血液を培養するPRP療法が代表的で、ステロイド注射と比較してアレルギーや副作用のリスクを抑えられる利点があります。
PRP-PRO治療のように6か月の長期保存が可能な再生医療もあるため、治療スケジュールが調整しやすく、腱鞘炎の症状に応じた適切な治療が可能です。
医療費控除の対象として治療が受けられる可能性も高いので、所管の税務署や医師に詳細を相談してみましょう。
外科手術
腱鞘炎の治療を続けても改善しない場合、腱鞘炎を繰り返すときは、外科手術を行なう場合もあります。一般的な腱鞘炎の手術では炎症で厚くなった腱鞘部分を切り開き、炎症がある部分を取り除きます。
手術自体は短時間で完了し、手術後の患部の動きに問題は残りません。手術の傷跡も非常に小さく収まります。ただし、腱が断裂している場合や損傷しているときには、腱修復手術または腱移植手術を選択する必要があるでしょう。
腱修復手術では断裂した腱を適切な長さに切りそろえ、特殊な縫合糸や針を使用して腱を縫合します。
腱移植手術は腱が大きく損傷して再生が見込めない場合に実施される手術です。患者の体内またはドナーから採取した腱を必要な長さに切りそろえて損傷した腱の位置に配置します。
腱鞘炎の症状についてよくある質問
腱鞘炎の症状についてよくある質問をまとめました。このほかの質問、わからなかったことは医師に相談してください。
腱鞘炎になった際に日常生活で注意すべきことは?
普段の生活の中で、どのような動作や姿勢が腱鞘炎の原因になっているのかを理解し、同じ行動をしないよう注意しましょう。また、痛みがある部分を可能な限り使用しないことも大切です。
足首や手首など、使わないことが難しい場所が痛い場合はテーピングやサポーターで固定をするのも、悪化させないために有効だと言えます。
腱鞘炎は何科を受診する?
腱鞘炎の疑いがある場合は、整形外科を受診します。症状が強くなったらすぐに受診できるように、通院しやすい病院を探しておくとよいでしょう。
腱鞘炎が疑われる場合にクリニックを受診する目安は?
腱鞘炎の疑いがありクリニックの受診を考えている場合、次の症状の有無が大まかな目安となるでしょう。
- 痛みが2週間以上続く
- 痛みの範囲が広がる
- 関節が変形している
- 痛みが非常に強い
- セルフケアをしても症状が悪化している
- 何度も腱鞘炎を繰り返す
そのほかの病気が不調の原因の可能性もあるため、痛みを我慢せず、早めに受診してください。
腱鞘炎で服用する薬の副作用はある?
腱鞘炎で処方される内服薬は主に痛み止めです。一般的な痛み止めの副作用には、吐き気、嘔吐、発疹、眠気、だるさなどがあります。
また、外用薬も使用箇所に赤みやかゆみを感じる可能性が考えられます。処方された薬は医師の指示どおりに使用し、副作用が強いときにはクリニックに相談してください。
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治療内容 | 効果 | |
幹細胞培養治療 | 皮下組織から採取した幹細胞を培養し注入する | 炎症を抑えて組織の修復を促し痛みの改善が期待できる |
PRP-PRO治療 | 採取した血液を厚生労働省認可の施設で加工し注入する | 血液の20倍濃縮技術により豊富なサイトカインで大きな痛みの改善も期待できる |
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また、リスク保証は再生医療により健康被害を受けた場合に、再生医療サポート保険を利用できます。
治療に関して不安がある方も、上記のような保証があれば安心して治療を受けられるでしょう。
まとめ
腱鞘炎は手首や指などの使いすぎが原因で起こる疾患です。軽度であればセルフケアで症状を改善可能ですが、痛みが強いときや症状がよくならない場合はクリニックを受診します。
腱鞘炎を繰り返しやすい方は、どのような動作が原因で腱鞘炎を繰り返すのかを理解しましょう。
原因となる動作をできる限りしない、効果があるとされているサプリメントなども服用して、繰り返さないよう努めましょう。
腱鞘炎の症状は、日常生活に悪い影響を与えます。普段通りの日常生活を送るためにも、腱鞘炎の疑いがある場合は痛みを我慢せず、早めにクリニックを受診してください。