膝靭帯損傷の症状や、治癒までの期間がどれくらいなのかとお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
膝靭帯損傷は、膝の靭帯が伸びたり切れたりして痛みや腫れなどの症状が出る怪我です。スポーツや交通事故で受傷するケースが多く見られます。
本記事では、膝靭帯損傷の症状について詳しく解説します。診断や治療の方法も解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
膝靭帯損傷の症状
膝靭帯損傷の症状は、痛みや腫れ、膝の関節の可動域制限、ぐらつき、歩行困難などがあります。
ここでは膝靭帯損傷の症状についてそれぞれ詳しく解説します。
膝の痛みや腫れ
膝靭帯を損傷すると、受傷後3週間程度の急性期には膝の痛みや腫れがみられます。
急性期を過ぎると徐々に痛みや腫れが軽快してきます。
膝の可動域の制限、ぐらつき
痛みや腫れと同時に膝関節の可動域制限がみられる場合があります。
可動域制限は急性期を過ぎると軽快してきますが、損傷部位によっては膝のぐらつき感が残る場合もあります。多くの場合下り坂やひねり動作の際に自覚します。
歩行困難
膝の不安定感を放置しておくと半月板損傷や軟骨損傷などを引き起こし、慢性的な痛みや腫れが出る場合があります。
症状が進行すると歩行困難になるケースもあるため注意が必要です。
膝靭帯損傷とは?
膝靭帯損傷とは、スポーツや交通事故によって靭帯に強い力が加わり、伸びたり切れたりした状態です。
膝関節は大腿骨、脛骨、膝蓋骨の3つの骨で構成され、大腿骨、脛骨がグラつかないように前十字靭帯、後十字靭帯、内側側副靭帯、外側側副靭帯の4つの靭帯で繋がっています。
膝靭帯損傷は、膝に加わった力の向きにより損傷する靭帯が異なります。とくに内側側副靭帯と前十字靭帯が損傷を受けやすく、非常に強い力が加わった際は複数の靭帯が損傷するケースも少なくありません。
とくにスポーツによる膝外傷でも頻度が高く、バスケットボールやサッカー、スキーなど、ジャンプの着地や急な方向転換する際に発生します。
ここでは膝の靭帯の種類と膝靭帯損傷の検査、診断方法について解説します。
膝の靭帯の種類
膝の関節には前十字靭帯、後十字靭帯、内側側副靭帯、外側側副靭帯の4つの靭帯があります。
各靭帯の担っている役割は次のとおりです。
- 内側側副靭帯:膝が外に開かないように支える
- 外側副靭帯:膝の外側を支える
- 前十字靭帯:脛骨が前に飛び出ないように支える
- 後十字靭帯:脛骨が後ろに落ちないように支える
膝靭帯損傷は、上記4つのうちいずれか1つもしくは複数の靭帯が損傷する怪我です。
膝靭帯損傷の検査と診断
膝靭帯損傷の検査は、徒手テストによりおこなわれます。徒手テストは、膝に特定の動きを与えて反応を見る検査方法です。
徒手テストには複数の種類があり、損傷している靭帯によって反応の出るテスト方法が異なります。
前十字靭帯が損傷しているのかを確かめるテストは、ラックマンテスト、N-テスト、前方引き出しテストなどがあります。ラックマンテストは90%異常が陽性に出るテストで、前方引き出しテストは計量機械で定量的な検査が可能です。
後十字靭帯損傷のテストは、後方引き出しテストと脛骨後方落込み徴候の2つのテスト方法があります。
内側側副靭帯は外反ストレステストで検査をおこないます。
また膝靭帯損傷の検査、診断は徒手テストのみでなく、MRI検査で靭帯の状態も確認します。
場合によっては、エックス線検査を追加で実施するケースもあります。エックス線で靭帯の確認はできませんが、周囲の骨の外傷や骨の位置のずれ具合を調べる際に有効です。
前十字靭帯を損傷している場合、膝の緩み具合を数値化して評価する機器ニーラックスを用いるケースもあります。ニーラックスを使用するとより詳細に診断できます。
膝靭帯損傷の主な原因
膝靭帯損傷の主な原因は、スポーツ、交通事故、転倒の3つが挙げられます。
スポーツ
スポーツ中に膝に過度な負荷がかかったり、相手と接触したりした際に膝靭帯を損傷する場合があります。
内側側副靭帯はラグビーやサッカーなどでの接触による外力で損傷することが多く、前十字靭帯はバスケットボールやスキーなど、ジャンプしたときの着地や切り返しの動作など、膝前方に過度な負担がかかる動きで負傷するケースがよく見られます。
前十字靭帯の損傷は9割以上が手術しなければ競技への復帰が見込めないとされており、長期間のリハビリやコンディショニングが必要になります。
交通事故
膝靭帯の主な原因の1つとして、交通事故が挙げられます。オートバイの転倒事故や車の衝突事故で膝を強くついた際、後十字靭帯を損傷します。
また交通事故が原因の膝靭帯損傷で後遺症がある場合には、後遺障害等級の申請が可能です。後遺障害の認定を受けると、認定された後遺障害の等級に応じて後遺障害慰謝料を請求できます。
後遺障害等級には痛み、可動域制限、関節の不安定性による3つの認定基準があります。交通事故による膝靭帯損傷で後遺症があり、後遺障害等級認定を受ける場合には、専門家への相談も視野に入れるとよいでしょう。
転倒
転倒した際に強く膝を打ち付けると膝の靭帯を損傷する場合があります。
膝を強く打ち付けた際に後十字靭帯に強い力が加わると靭帯が断裂、損傷し、脛骨が後方に落ち込んだり膝裏に皮下出血が見られたり、圧迫による痛みを感じる場合があります。
膝靭帯損傷の治療方法
膝靭帯損傷の治療方法は保存療法と手術療法があります。ここでは治療方法についてそれぞれ詳しく解説します。
保存療法
膝靭帯の損傷が軽度の場合で不安定性が大きくない場合や、日常生活に大きな支障がない場合は保存療法で治療を進めます。膝靭帯損傷の保存療法は、装具療法とリハビリが挙げられます。
装具療法は膝に装具を装着し、不安定になった膝をサポートする治療方法です。
膝の可動域を制限したり膝関節のブレを制動したりすると、靭帯への負担を軽減できます。損傷部位や損傷の程度を診て、適した種類の装具が処方されます。
リハビリでは膝の安定性を改善させるために太ももの筋肉を強化し、ストレッチで関節可動域を改善します。
受傷直後と腫れ、痛みが引いた時期とで治療方法が異なります。
- 受傷直後:安静、アイシングによる消炎措置、松葉杖等の処方、指導、物理療法
- 腫れ、痛みが引いた時期:可動域訓練、筋力訓練、バランス練習、運動の再学習
靭帯の損傷の程度にもよりますが、通常は4週間程度で機能が回復してくるとされています。
前十字靭帯損傷の場合は保存療法でのスポーツ復帰は厳しいとされていますが、そのほかの靭帯の場合は2〜4か月程度を目安に競技復帰を目指します。
手術療法
前十字靭帯と後十字靭帯の損傷の場合、保存療法での治療が難しいため手術療法での治療が必要になります。
手術療法は靭帯修復術と再建術の2種類です。
十字靭帯の治療はハムストリングの腱や膝蓋腱などの自家組織を用いた再建術が一般的とされます。からだへの負担が少ない治療法として、関節鏡を用いて手術をおこないます。
また内側側副靭帯のみの損傷の場合は手術が行われるケースはまれですが、他の靭帯との複合損傷の場合は、靭帯縫合術で治療が行われます。
手術後のリハビリでは、手術した靭帯に適切な負担をかけながら安全にリハビリを進めます。スポーツ復帰までにかかる期間は、手術後半年~1年程度です。
膝靭帯損傷に関するよくある質問
膝靭帯損傷に関するよくある質問をまとめました。
膝靭帯損傷に関する疑問を抱いている方はぜひ参考にしてみてください。
膝が痛い場合は何科を受診すればよい?
膝の痛みは整形外科で診察をおこないます。膝に痛みを感じたら、整形外科を受診しましょう。
膝靭帯損傷は自然に治る?
膝靭帯損傷は原則的に自然に治ることはありません。とくにスポーツでの受傷頻度が高いとされる前十字靭帯の損傷の場合はなるべく早い段階で手術をおこなうことが一般的です。
膝に痛みや違和感が生じたら、病院を受診して適切な治療を受けましょう。
膝靭帯損傷は全治するまでどのくらいかかる?
膝靭帯損傷の全治までにかかる期間は、損傷の程度にもよります。
通常は4週間程度で靭帯の機能が回復してくるとされており、十字靭帯以外の靭帯であれば2〜4か月程度を目安に競技復帰を目指します。
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まとめ
膝靭帯損傷は痛みや腫れ、膝の可動域の制限、ぐらつき、歩行困難などの症状が出ます。スポーツや交通事故によって靭帯に強い力が加わり、伸びたり切れたりする怪我です。
4つの靭帯のうち、とくに内側側副靭帯と前十字靭帯が損傷を受けやすく、非常に強い力が加わった際は複数の靭帯が損傷するケースも少なくありません。
膝靭帯損傷と診断された場合、保存療法もしくは手術療法で治療をおこないます。前十字靭帯や後十字靭帯の損傷の場合は手術療法での治療が一般的です。
膝靭帯損傷は自然治癒が難しいため、痛みや違和感が生じたらすぐに整形外科を受診し、適切な治療を受けましょう。
※本記事の情報は2023年5月時点のものです。
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