半月板損傷の再発率はどのくらいで、再発を防ぐためのリハビリ方法について悩みを抱えている方も多いでしょう。
本記事では、半月板損傷の再発率や再発防止のためのリハビリ方法を解説します。
半月板損傷の原因や症状、具体的な治療方法も解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
半月板損傷とは?
半月板損傷とは、膝関節内にある半月板に亀裂が生じたり欠けたりした状態です。
ここでは半月板の役割や症状、原因、検査と診断方法、再発率などについて解説します。
半月板の役割
半月板は膝関節内の大腿骨と脛骨の間にあるC型をした板状の組織で、内側と外側のそれぞれにあります。
膝関節でクッションとスタビライザーの役割を果たしており、衝撃を吸収したり膝にかかる荷重を分散したりしています。
半月板損傷の症状
半月板損傷の主な症状は、膝を曲げ伸ばしする際の痛みやひっかかり感です。
症状が進行すると膝関節内に水がたまったり、急に膝が動かなくなるロッキング状態になったりします。ひどい場合は痛みで歩行が困難になるケースもあります。
半月板損傷の原因
半月板損傷の原因に多いのが、スポーツでの外傷や加齢によるものです。
スポーツでの外傷では、バスケットボールやサッカーなど、体重がかかった状態で膝をひねったり強い衝撃が加わったりした場合に受傷するケースが多く見られます。
半月板のみが損傷するケースのほかにも、前十字靭帯損傷と合併して起こるケースもあります。
また半月板は加齢によって劣化し、傷つきやすくなる組織です。半月板が衰えている高齢者の場合、ささいな怪我や日常動作で損傷するケースも少なくありません。
損傷した半月板を長期間放置すると膝に負担がかかり、膝軟骨がすり減る原因になります。そのまま症状が悪化すると変形性膝関節症を発症する恐れもあるため、早期の治療が必要です。
半月板損傷の検査と診断
半月板損傷の検査は医師の診察と画像検査によりおこなわれます。医師の診察は、整形外科的検査法である徒手検査が一般的です。
徒手検査では患部と思われる部位を動かしたり、伸ばしたり、叩いたりします。半月板損傷の診断で主におこなわれる徒手検査は、マックマレーテスト、アプレー牽引テスト、アプレー圧迫テストの3種類です。
- マックマレーテスト:膝を最大屈曲位として内外関節列隙に手指を当て、下腿に回旋ストレスを加えながら膝を伸展させる
- アプレー牽引テスト:うつぶせで膝を90度屈曲して大腿部を検者の膝で固定、下腿を上方に引っ張り上げて膝の関節包を緊張させる
- アプレー圧迫テスト:足部を抑えて膝を圧迫しながら下腿を回旋させる
いずれの徒手検査も、検査中に痛みが誘発されると半月板損傷の陽性と診断されます。
半月板損傷の画像検査は、レントゲン検査とMRI検査の2種類です。
レントゲン検査で半月板は映りませんが、骨折の有無の確認や骨の変形含む関節症の確認のために用いられます。MRI検査は半月板損傷の診断率が高い検査方法です。
半月板の損傷にはいくつかの種類があり、MRI検査なら損傷状況を明確に把握できます。半月板の損傷の種類は次のとおりです。
- 剥離損傷:半月板の付着部からはがれるように損傷している状態
- 縦断裂:半月板が縦方向に断裂している状態
- 横断裂:半月板が横方向に断裂している状態
- 水平断裂:半月板が水平方向に断裂した状態
- parrot beak状態:縦断裂と横断裂が加わったように断裂した状態
MRI検査は半月板内部の評価にも有効で、半月板編成の有無の推測にも役立ちます。
半月板損傷の再発率
半月板損傷の10年後の再発率は、30%程度といわれています。半月板損傷の治療方法として切除術を選択した場合、変形性膝関節症になる可能性が高まります。
切除術をした場合の10年後の変形性膝関節症への移行率は、一般の方の場合で30%、スポーツしている方の場合で70%です。
半月板損傷の治療方法
半月板損傷の治療方法は、保存療法、手術療法、再生医療の3種類あります。
ここでは各治療方法の特徴やメリット、デメリット、費用相場、治療期間について解説します。
保存療法
半月板の損傷が軽度の場合や損傷した部位が血管に近い場所で、ある程度の回復が期待できる場合は保存療法が選択されます。
半月板損傷の保存療法は薬物療法、物理療法、装具療法、運動療法の4つの方法があります。
薬物療法は外用薬や消炎鎮痛剤の内服、ヒアルロン酸注射などをおこなう治療方法です。継続的に治療を受ける必要がありますが、痛みを改善できるメリットがあります。
物理療法は、機器による膝の温熱や電気治療をおこなう治療方法です。痛みや可動域が改善しないこともあり、痛みを抑えるためにはサポーターを着用しなくてはいけません。
そして物理療法は、運動すること以外での運動機能の活性化が期待できるとされています。そのため、運動することが難しい方に適しています。
装具療法は装具やテーピングで膝の補強、補助をおこなう治療方法です。装具がないと痛みを緩和できませんが、痛みを軽減できます。
運動療法は膝周りの筋力を強化し、膝への負担を軽減する治療方法です。保存療法は軽い損傷や断裂の場合の多くが3週間程度で軽快します。
3週間以上症状が継続する場合や痛みが強い場合は、手術療法を検討します。
手術療法
断裂部位が大きい場合や自然治癒が期待できない場合は、手術療法が検討されます。
半月板損傷の手術療法は、半月板縫合術と半月板切除術の2種類あります。
半月板切除術は損傷した部位を切り取る手術方法で、痛みを早急に軽減できる点が大きなメリットです。ただし、半月板の切除により膝軟骨に負担がかかりやすくなり、将来的に変形性膝関節症を誘発する恐れがあります。
半月板縫合術は損傷した部位を縫い合わせる手術方法です。損傷部位の血行がよいことや損傷からまだ間もないことが条件のため、手術の適応外となるケースも少なくありません。
切除術と異なり半月板を温存した状態で機能回復が図れるため、変形性膝関節症を誘発するリスクが低いメリットがあります。
半月板切除術と半月板縫合術の費用目安は次のとおりです。
- 半月板切除術: 8~15万円(3割負担の場合)
- 半月板縫合術:15~20万円(3割負担の場合)
半月板切除術の場合は約3か月、半月板縫合術の場合で6か月程度の治療期間が必要です。
再生医療
半月板損傷の再生医療では、幹細胞治療が主に選択されます。
半月板を切り取らなくて済む点が大きなメリットに挙げられます。また手術や入院の必要もないため、患者側の身体的負担も軽減可能です。
幹細胞治療は、患者の脂肪中にある幹細胞を少量取り出し、培養して数を増やしてから関節内に注射で投与する治療方法です。
半月板を修復するために損傷した部位を取り除く必要がないため、後遺症が少ないメリットがあります。半月板を温存して治療でき、変形性膝関節症を誘発するリスクも抑えられます。
ただし再生医療は半月板損傷の治療に限らず、治療効果に個人差がみられるため注意が必要です。
費用目安は100万円前後ですが、病院によって異なります。再生医療に対応している医療機関に問い合わせてみましょう。
半月板損傷の再発防止のためのリハビリ
半月板損傷の再発防止のためのリハビリ方法は5つあります。
- 関節可動域訓練
- 筋力トレーニング
- バランストレーニング
- ウォーキング
- アスレチックリハビリテーション
ここでは上記5つのリハビリ方法についてそれぞれ解説します。
関節可動域訓練
関節可動域訓練は、膝関節の曲げ伸ばしの角度を回復するためのリハビリ方法です。
半月板を損傷すると炎症が原因で膝関節の動きが鈍くなったり、組織同士が癒着し関節が動きづらくなったり装具固定で関節が固まって動かなくなったりします。
上記の状況になると膝の曲げ伸ばしがしづらくなり、日常生活に支障が生じることがあるのです。
膝の曲げ伸ばし角度を元に戻すために関節可動域訓練をおこないます。関節可動域訓練は、90度、120度、完全に膝を曲げきるまでの3つの段階に分けられ、術後の経過や痛みの状態にあわせて移行します。
筋力トレーニング
関節可動域訓練により膝の曲げ伸ばし角度が元に戻ったら、筋力トレーニングで筋力の回復を目指します。膝周辺の筋力の増強で半月板の代わりに筋肉で身体を支えて安定させられるようにします。
半月板損傷のリハビリでおこなわれる筋力トレーニングは次のとおりです。
- セッティング:体重を支える膝周辺の筋力を鍛える
- 下肢伸展挙上:太腿前面の大腿四頭筋を鍛える
- 膝伸展抵抗運動:太腿前面の大腿四頭筋を鍛える
- 両脚スクワット:脚全体をバランスよく鍛える
- 片脚スクワット:脚全体をバランスよく鍛える
- ニーベンディングウォーク:実践的なトレーニング
上記のトレーニングは10~30回程度で1セットとなり、医師や理学療法士の指導を受けながら適切な回数、ペースでおこないます。
無理のない範囲での継続が大切です。
バランストレーニング
バランストレーニングは、膝のバランス感覚を取り戻すためのリハビリ方法です。
半月板を損傷すると膝のバランスがとりにくくなり、不安定感が生じる場合があります。膝のバランス感覚が損なわれるとさらなる怪我につながる恐れもあるため、バランストレーニングにより身体感覚を回復します。
バランスボールやバランスディスクを使用しておこなうのが一般的で、乗っているのみでもバランス感覚を鍛えることが可能です。1日10~20分を目安に取り組むとよいですが、足場が不安定なトレーニングのため、病院での実施が推奨されます。
ウォーキング
バランストレーニングにより本来の膝の感覚を取り戻したら、ウォーキングをおこないます。
初めから長距離のウォーキングをおこなうと膝への負担が急激に増えるため、少しずつ歩数や距離を増やすことが大切です。
アスレチックリハビリテーション
半月板損傷のリハビリの最終段階が、アスレチックリハビリテーションです。スポーツ復帰を見据え運動を交えたリハビリテーションで、軽いジョギングからスタートします。
ジョギングして問題がなければ、カッティング動作やラダートレーニング、両脚ジャンプ、片脚ジャンプなどのより本格的なスポーツ動作に移行します。
半月板損傷に関するよくある質問
半月板損傷に関するよくある質問をまとめました。
半月板損傷は自然に治る?
半月板損傷は自然に治ることはありません。
損傷した状態を放置しておくと症状が悪化し、変形性膝関節症に進行する恐れがあります。最悪の場合人工関節になる可能性もあるため、放置せず早い段階で治療をはじめることが大切です。
手術の入院期間はどのくらい?
手術の入院期間は3日~7日程度です。
手術翌日から松葉づえや歩行器を用いて歩行を開始し、松葉杖を上手く使用できれば手術翌日に退院できる場合もあります。
術後スポーツに復帰するまでにどのくらいかかる?
半月板損傷は損傷部位や程度により、スポーツ復帰までにかかる期間が大きく異なります。
縫合術で治療した場合には、術後3~4か月程度から徐々に復帰可能です。ただし重症例の場合は5か月目以降の復帰となるケースも少なくありません。
半月板損傷の治療にはシン・整形外科がおすすめ
- 再生医療で痛みを根本解決
- 手術不要・日帰り治療OK!
- 安心の保証制度あり
施術費用 | ■初診 3,300円 ■MRI検査 8,000円〜12,000円 ■注入治療 198,000円〜1,078,000円※1 ■リハビリ 29,800円〜49,800円 |
診療時間 | ■受付 9時〜18時 ■MRI診断予約 24時間受付 |
支払い方法 | 現金 クレジットカード 電子マネー バーコード決済 |
アクセス | 〒104-0061 東京都中央区銀座5丁目9-15 銀座清月堂ビル5F |
シン整形外科の半月板損傷の治療は、以下の理由からおすすめです。
・専門知識と経験豊富な医師陣
・最新の医療技術
・安心の手術
・パーソナライズされたケア
専門知識と経験豊富な医師陣
シン整形外科は専門知識を持つ医師がいるため、患者の症状や状態について本質的な診断や治療プランを提供しています。
最新の医療技術
シン整形外科は常に最新の医療技術を導入し、最良の治療を提供しています。物理療法、関節内注射、手術など、幅広い治療オプションを取り入れることで、患者様の症状に合わせた効果的なアプローチを実現します。
安心の手術
必要な場合、シン整形外科では最新の外科手術技術を駆使して、最小限の侵襲で手術を行います。安全性と効果を重視し、患者様の健康と安心を第一に考えた手術を提供します。
パーソナライズされたケア
シン整形外科は、患者様の信頼と満足を最優先に考えています。親切で丁寧なスタッフが、あなたの質問や不安に対応し、治療プロセスをサポートします。あなたの声に耳を傾け、共に健康な未来を築いていきます。
まとめ
半月板損傷の10年後の再発率は30%程度とされています。
再発を防ぐためには、関節可動域訓練や筋力トレーニング、バランストレーニング、ウォーキング、アスレチックリハビリテーションなどのリハビリに取り組むことが大切です。
半月板損傷は放置しておくと症状が悪化し、変形性膝関節症に進行する恐れがあります。膝に痛みや違和感を覚えたら、すぐに病院を受診しましょう。